ここ最近、TwitterやInstagramでかわいいアバターの画像や動画を見かけませんか? もし猫をなでていたり、船で航海していたりしたら、話題のメタバースSNS「Bondee(ボンディー)」かもしれません。
Bondeeは、自分好みの3Dアバターを作り、友だちとメッセージやステータスなどで交流するサービスです。シンガポールに拠点を置くスタートアップ企業のMetadreamが、中国で運用されていたSNSアプリ「True.ly」をグローバル版にリニューアルし、「Bondee」として2022年末から世界各地でサービスを開始しました。
Metadreamが2023年1月31日に発表したリリースによると、複数の地域でApp Store、Playストアの無料アプリランキング1位を獲得したとのこと。日本では2023年1月末ごろから火が付き始め、2月17日時点ではApp Storeで6位、Google Playストアで30位となっている注目のアプリです。
Bondeeのおもな機能を紹介していきましょう。Bondeeは自分でアバターを作り、アバター同士で交流します。顔、髪形、服装、アクセサリーなどをひとつずつセレクトして、好きなアバターを作ります。豊富なアイテムが用意されていて、現在はすべて無料のようです。
自分の「スペース」もコーディネートできます。壁紙、窓、家具、小物などを配置し、アバターを椅子に座らせたりも。友だちのスペースを訪問して、置き手紙のように「メモ」を残す機能もあります。
友だちは50人までに限定されています。Bondeeのホーム画面を見ると、友だちのアバターがそれぞれの「ステータス」で表示されます。ただウロウロ歩いている人、ぷかぷか浮いている人、仕事中の人、ベッドで寝ている人など、眺めているだけでも楽しめます。
ステータスは自分で設定でき、テキストも載せられます。このテキストと、画像や動画を投稿できるボタンから投稿したコンテンツがSNSの「投稿」にあたる機能です。「友だちの投稿」画面に一覧表示され、いいねやコメントを残せます。
友だちと1対1のチャット、および複数人でのグループチャット機能もあります。特徴的なのはただのチャットではなく、アバターにポーズをさせられること。相手のメッセージに合わせて爆笑のポーズを取ったり、意味もなく「おなら」したりと、文字や画像ではない表現が用意されています。
1対1の場合は2人で踊ったり、ブランコに乗ったりと、チャット中もアバターで楽しめます。グループの最大人数は10人で、アバターが10人集まっていると本当に大人数で集まっているような感覚です。
また、アバターを「航海」に出すことも。自分のアバターが船に乗り、航海中に鳥の大群に出会ったり、ほかのユーザーに遭遇したりしますが、ほぼのんびりとした風景が広がっています。
眺めていないときにも航海は可能で、旅の思い出を後から画像で確認できます。知らないうちに船が難破しそうな危機に陥り、友だちと必死にトラブル回避している様子が残されていることもあり、開封するときはワクワクします。メッセージボトルを投げ、誰かと会話をすることもできます。
Bondeeが若者を中心に人気の理由
Bondeeが若者を中心に注目されている理由は、「SNS疲れ」になる要素を排除し、リアルの交流に近い感覚を得られるからだと考えています。
いま、SNSでの「映え」や「盛り」に疲れてきていませんか? Instagramでキラキラした日常をシェアしたり、自撮りアプリで美顔加工を施した画像を投稿したりすることは、投稿する側も見る側も疲弊するものです。
でもBondeeは、アバターでの交流です。外見でコンプレックスを感じる必要はありません。アバターが装着するアイテムも豊富に用意されており、3Dアバターを作る知識がなくても、手軽に自分が好きなアバターを作って遊べます。
SNS疲れの理由として、他人の反応が気になり過ぎてしまうことを挙げる人は多いものです。いいねやコメントが付かなかったら……、あの人よりも少なかったら……、などと考えるとつらい気持ちになります。もし人気者になってたくさんのフォロワーを獲得しても、その人に反感を持って粘着する「アンチ」が同時に集まり、楽しかったSNSが憂うつなものに変わってしまいます。
Bondeeは最大でも50人としかつながれません。基本的には、現実世界の知り合いと親交を深めるために使うサービスです。1グループは最大10人なので、大規模なグループチャットのように、どんどん話題が変わって追い付いていけないことはありません。
そして、リアルの交流に近い感覚を得られる理由は、なんといってもかわいらしいアバターで全身の表現ができるからでしょう。ステータスを見れば友だちが何をしているのかがわかり、「自分だけが仕事中じゃないんだな」ってホッとするなど、つながりを感じられます。
チャット画面でも、相手のメッセージに全身でリアクションでき、文字や画像、スタンプよりも豊かに感情を伝えられます。アバターの動きや表情に「くすっ」と笑えるユニークなものが多いことも魅力を増しています。
オンタイム性を重視しているのもポイントです。声をかけたら相手がカメラで撮影した画像を送る「やっほー」機能は、強制ではありませんが、お互いに「今」を共有します。ホーム画面でアバターの上部に投稿できる画像や動画も、その場で撮影するか、24時間以内に撮影した画像に限られています。
リアルを重視するSNSとしては「BeReal」が注目されていますが、Bondeeも同じように、今を共有する設計になっています。SNS上でも実際の友人とだけつながり、ゆるくのびのびと楽しみたいならBondeeはおすすめです。今後はアイテムの有料化などは考えられますが、一度試してみてはいかがでしょうか。