スマートフォンと連携できる腕時計型のウェアラブルデバイス「スマートウォッチ」。昨年、2013年はSonyやSamsungなどからメールを読んだり画像を表示できるスマートフォンのいわばサブ画面として使えるような製品が相次いで登場した。だが、まだまだこれらのスマートウォッチはスマートフォンの「必須」アクセサリと考えられるほど普及はしておらず、一部の消費者が利用するにとどまっているのが実情だ。

その一方、腕にはめるリストバンド型で利用者のライフログを記録できるJawboneの「Jawbone UP」は昨年発売されるや否や品切れになり、日本国内でも一時は入手できないほどの人気になった。Jawbone UPの成功は「腕にはめるだけ」「iPhoneのヘッドフォンジャックに装着するだけ」という簡単な操作に加え、「運動と睡眠データを記録する」という生活に密着した機能を備えていたからだろう。カラバリのある本体、腕にはめても邪魔にならないサイズなどファッションアイテムとしても装着できる手軽さも人気のとなった要因だろう。

2014年1月頭にラスベガスで開催された大型家電展示会「CES 2014」でも、数多くのスマートウォッチ新製品が展示されていた。スマートウォッチメーカーだけを集めた専門ブースも新設されるなど、スマートウォッチはCES 2014の大きなトレンドになっていたのだ。ちょうど1年前のCES 2013では、Bluetoothで接続する小型のクリップ型の歩数計などウェアラブルデバイスそのものの出展はまだ少なかった。だがCES 2014では腕時計型のデバイスは当たり前に購入できる、市民権を得た製品と感じられるほど多数の製品が展示されていた。

CES2 014のWrist Revolutionコーナー。スマートウォッチメーカーを集めている

各社からスマートウォッチの新製品が多数展示されていた

それらの製品を一つひとつ見ていくと、スマートフォンと連携してデータを表示する「スマートフォンコンパニオン製品」よりも、運動や心拍数などを記録できるライフログ系の製品が多く目立っていた。Jawbone UPや腰などにつける「データ記録専用端末」の機能を、腕時計に搭載して一体化させスマートウォッチ化させた製品が急増していたのだ。「ライフログ系スマートウォッチ」とも呼べそうなこれらの製品は、時計の形となったことで腕に当たる時計の裏側に心拍数の計測センサーを搭載しており、運動時などに心拍数を常時モニタリングすることができる。

QualcommのTorq。スマートフォン連携を考えたスマートウォッチ

それらよりも目立っていたのがライフログを記録できる製品だ

Basisのスマートウォッチ。心拍数を記録できる

腕時計背面に心拍数を計測するセンサーを搭載

もちろんモーションセンサーを搭載していることで運動状況の記録も可能だ。そしてGPSを搭載し位置情報を合わせて保存することで行動記録を取ることができる製品も増えていた。Jawbone UPほどサイズはスリムではないものの、腕時計型であれば24時間腕にはめていても気にはならないだろう。そしてこれらの製品はいずれもスマートフォンアプリが用意されており、スマートフォンとはBluetoothで接続されデータを簡単に転送できる。データの管理だけではなく健康アドバイスを提供してくれるアプリもあるなど、日常生活を記録するだけではなく健康管理にも役立てることができるわけだ。

腕時計型ほど大きいディスプレイは搭載しないものの、Jawbone UPを若干太くし簡易モニターを搭載した製品も各社から登場、LGなど大手メーカーも新製品を展示していた。そしてSonyのようにライフログ記録に特化した製品も発表されている。2014年のスマートウォッチは健康管理やライフログ記録型の製品が主流となり、リストバンド型の製品と合わせ多数の製品が登場してくるだろう。

Garminは高解像度ディスプレイ搭載のライフログ記録型スマートウォッチを展示

LGもウェアラブルデバイスに参入

SonyのSmart Band

ライフログ記録に特化している