こんにちは、阿久津です。Windows 7の検索機能は、これまでのWindows OSと比較しても柔軟性に富んでおり、様々なアプローチで機能を向上させています。例えば複数のフォルダ内容を1つの特殊フォルダから参照できる「ライブラリ」も、角度を変えてみれば、検索機能に属すると言っても過言ではありません。また、新たにサポートされた「検索コネクタ」は、WebサイトやMicrosoft Search Serverなどと連動させることで、エクスプローラから検索結果を参照可能になり、効率性も向上します。
Windows 7ユーザーならご存じのとおり、ライブラリおよび検索コネクタの主なインタフェースはエクスプローラであり、ナビゲーションウィンドウから参照するのが常ですが、せっかく便利な機能ですから、より各所から利用したいと考える方も少なくないでは。そこで今週はライブラリ/検索コネクタを再検索ページに表示させ、検索性を向上させるチューニングをお送りしましょう。
そもそもライブラリファイルも検索コネクタファイルも、それぞれ拡張子「.Library-ms」「.searchConnector-ms」を持ち、XML形式で定義されたテキストファイルです。前者は「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Libraries」フォルダ、後者は「%USERPROFILE%\links」フォルダに格納され、エクスプローラは各フォルダにあるファイルを参照し、各機能を実現しているというもの。今回のチューニングでは、これらのファイルをレジストリ上で指定し、検索ページ下部にある再検索用リンクとして、ライブラリおよび検索コネクタを追加します。そのため、事前に検索コネクタの追加と独自ライブラリの作成を行ないましょう。
今回はTechNetの検索コネクタを使用しますが、社内用や個人用の検索コネクタを既に用意している場合は、そちらをお使いください。まずはTechNetにアクセスし、任意の文字列で検索を実行します。検索結果が表示されたら、<Search Microsoft TechNet from Windows>をクリックし、検索コネクタをエクスプローラに追加してください(図01~06)。
図01: TechNetにアクセスし、検索用テキストボックスに任意の文字列を入力して検索を実行します |
図05: 最後に確認をうながすダイアログが起動しますが、そのまま<追加>ボタンをクリックしてください |
図06: 自動的にエクスプローラが起動し、ナビゲーションウィンドウに検索コネクタが追加されていることが確認できます |
続いて独自ライブラリを作成しましょう。エクスプローラでライブラリを開き、コンテキストメニューの<新規作成>から<ライブラリ>を選択します。ライブラリ名を独自のものに変更したら、[Alt]+[Enter]キーを押してプロパティダイアログを開き、<ライブラリ>タブにある<フォルダを追加>ボタンで参照するフォルダを追加しましょう(図07~09)。
図07: エクスプローラでライブラリを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規作成>→<ライブラリ>とクリックします |
図08: ライブラリ名を任意のものに変更しましょう。名前を変更したら同ライブラリを選択した状態で[Alt]+[Enter]キーを押します |
最後に検索コネクタおよびライブラリファイルのフルパス名を確認します。[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%USERPROFILE%\links」と入力して<OK>ボタンをクリックしてください。フォルダが開いたら、先ほど追加登録した検索コネクタのプロパティダイアログを起動し、<ショートカット>タブにある「リンク先」の内容をメモします(図10~11)。
図11: エクスプローラが起動したら、検索コネクタを選択してから[Alt]+[Enter]キーを押しましょう。プロパティダイアログが起動したら、<ショートカット>タブにある「リンク先」の内容をメモします |
ライブラリフォルダの場合、直接フォルダを参照するとエクスプローラの表示形式が固定されるため、一度「%APPDATA%\Microsoft\Windows」フォルダを開いてから「Libraries」フォルダを開き、ライブラリファイルのプロパティダイアログを起動。<セキュリティ>タブの「オブジェクト名」にあるフルパス名をメモします(図12~14)。
これで前準備が完了しました。早速チューニングに取りかかりましょう。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoft \ Windows \ Explorerまで、キーをたどって開きます(ない場合は<編集>メニュー→<新規>→<キー>で作成)。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD(32ビット値)>と選択します。
4.名前を「TryHarderPinnedLibrary」に変更し、同DWORD値をダブルクリックしましょう。
5.ダイアログが表示されたら、値のデータを「1」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
6.続いて右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>と選択します。
7.名前を「Library0」に変更し、同文字列をダブルクリックしましょう。
8.ここで先ほどメモしたライブラリのフルパス名をテキストボックスに入力し、<OK>ボタンをクリックします。
9.ステップ06~07の手順を参考に文字列値「Library1」を作成し、ダブルクリックします。
10.先ほどメモした検索コネクタのフルパス名をテキストボックスに入力し、<OK>ボタンをクリックします。
11.以上の操作を終えたらレジストリエディタを終了させましょう。
12.<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします。
以上でチューニング終了です(図15~23)。
図16: レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoft \ Windows \ Explorerまでキーをたどって開き、右ペインを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD(32ビット)値>と選択し、名前を「TryHarderPinnedLibrary」に変更します |
[F3]キーでエクスプローラの検索機能を呼び出し、任意の文字列で検索を実行しますと、エクスプローラ右ペイン下部にある<次の範囲内を再検索>に、先ほど設定したライブラリおよび検索コネクタが追加されます。また、<スタート>メニューのクイック検索でも任意の文字列による検索を実行しますと、<検索結果の続きを表示>下にライブラリおよび検索コネクタが加わりました。本設定を無効にする場合はDWORD値「TryHarderPinnedLibrary」のデータ値を「0」にしてください。なお、追加可能なアイテムは最大5つ。「Library0」~「Library4」と文字列値名の数値を増やし、各フルパスを指定します(図24~25)。
図24: [F3]キーを押してエクスプローラのクイック検索から検索を実行しますと、<次の範囲内を再検索>にライブラリおよび検索コネクタが追加されます |
図25: <スタート>メニューのクイック検索から検索を実行しますと、<検索結果の続きを表示>下にライブラリおよび検索コネクタが追加されます |
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)