こんにちは、阿久津です。エクスプローラーの表示形式を<詳細>にすると、ファイルの情報がウィンドウ内に収まらなくなることがあります。そんな際、列と列の区切り線をダブルクリックしたり、列のコンテキストメニューから<すべての列のサイズを自動的に変更する>を選択することで、自動調整が行えます(図01~03)。

図01 列の区切り線にマウスオーバーすると、マウスカーソルの形状が変化します。この状態でダブルクリックするとリサイズできます

図02 列を右クリックし、メニューの<すべての列のサイズを自動的に変更する>を選びます

図03 ファイル名などの長さに合わせて列が整頓されます

これらはWindowsが長年備えてきた機能ですが、少々呼び出しにくいのが難点ではないでしょうか。そこで今回はフォルダーのコンテキストメニューから、列を自動調整するチューニングを行いましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shell\Windows.SizeAllColumnsキーを開きます (ない場合は作成します)。
3. 文字列値「CommandStateSync」を作成します。
4. 文字列値「Description」を作成し、データを「shell32.dll,-37467」に変更します。
5. 文字列値「ExplorerCommandHandler」を作成し、データを「{f4e8bc67-9616-4a28-a332-cf27a5ca6736}」に変更します。
6. 文字列値「Icon」を作成し、データを「imageres.dll,-5366」に変更します。
7. 文字列値「MUIVerb」を作成し、データを「@shell32.dll,-37466」に変更します。
8. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図04~22)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して、<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellキーを開きます

図06 shellキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「Windows.SizeAllColumns」に変更します

図08 Windows.SizeAllColumnsキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「CommandStateSync」に変更します

図10 続いて右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図11 値名を「新しい値 #1」から「Description」に変更します

図12 文字列値「Description」をダブルクリックで開き、データを「@shell32.dll,-37467」に変更します

図13 続いて右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図14 値名を「新しい値 #1」から「ExplorerCommandHandler」に変更します

図15 文字列値「ExplorerCommandHandler」をダブルクリックで開き、データを「{f4e8bc67-9616-4a28-a332-cf27a5ca6736}」に変更します

図16 続いて右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図17 値名を「新しい値 #1」から「Icon」に変更します

図18 文字列値「Icon」をダブルクリックで開き、データを「imageres.dll,-5366」に変更します

図19 さらに右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図20 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更します

図21 文字列値「MUIVerb」をダブルクリックで開き、データを「@shell32.dll,-37466」に変更します

図22 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。ドキュメントフォルダーなど任意のフォルダーを開き、[Ctrl]+[Shift]+[6]キーを押して表示形式を<詳細>に変更してから、フォルダー内の何もないところを右クリックしてください。するとコンテキストメニューに<すべての列のサイズを自動的に変更する>が加わったことを確認できました。もちろん同項目を選択すれば、<列>のリサイズが実行されます(図23~24)。

図23 エクスプローラーの表示形式を<詳細>に変更してから、何もないところを右クリックし、メニューの<すべての列のサイズを自動的に変更する>をクリックします

図24 リボンの同項目をクリックした際と同じく、列が整頓されます

さて、今回のチューニングはエクスプローラーのリボンを利用する第426回と同じ手法です。GUIDで定義された機能「Size All Columns Explorer Command」を呼び出す仕組みを加えることで実現しました(図25~26)。

図25 デスクトップのコンテキストメニューにも<すべての列のサイズを自動的に変更する>が加わりますが、通常はグレーアウトします

図26 デスクトップの表示形式を変更すると、<すべての列のサイズを自動的に変更する>が利用可能になります

これらの情報はHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CommandStore\shellキーに用意されており、実際に見比べると一目瞭然ですが、アイコンや文字列リソースもそのまま引用できます。興味を持った方は、同様の手順で他の機能をコンテキストメニューに加えてみましょう(図27)。

図27 CommandStore\shellキーの内容。リボンに並ぶ機能が定義されています

本チューニングを破棄する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shell\Windows.SizeAllColumnsキーを削除してください。エクスプローラーの再起動などは不要です。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)