こんにちは、阿久津です。今週は噂話からはじめましょう。Windows 8.1 Update 2のリリースが確実になりそうです。もちろんMicrosoftは公式に発言していませんが、以前から同社のリーク情報を発表しているロシアのWZor氏によれば、今週にもRTMに達するとか。

海外の情報サイトであるMicrosoft NewsGuRu3D.comなども、この話題を取り上げました。スタートメニューはWindows 9(開発コード名:Threshold)で実装する可能性が高いため、今回はSurface Mini(未発表製品)で快適に動作するための最適化や、デスクトップの拡張が行われる可能性があるそうです。

現時点で信憑性が高いのは、我々がWindows 8.1 Update 2を目にするのは8月から9月ごろであることと、Windows 8.1 Updateと同じく、Windows Update経由で配信し、容量は3GB程度になることぐらい。短期サイクルのリリースは歓迎しますが、Windows 8.1 Updateのような混乱が起きないことを願います。

さて、Windows 7以降、マルチディプレイの設定を切り替える機能を[Win]+[P]キーで呼び出せるようになりました。通常の拡張表示以外にも、プレゼンテーションなど場面に応じて切り替えられます。この機能はショートカットキーで簡単に呼び出せますが、実体は「%SystemRoot%\System32\DisplaySwitch.exe」であり、DisplaySwitch.exeを実行すると、下図のようにダイアログやモダンUIのバーが現れます(図01~03)。

図01 Windows 7のマルチディスプレイ切り替えダイアログ

図02 Windows 8/8.1のマルチディスプレイ切り替え機能は、モダンUI上で現れます

図03 マルチディスプレイ切り替え機能の実体である「DisplaySwitch.exe」

さらに、DisplaySwitch.exeはコマンドラインオプションを備えており、「複製」や「拡張」といった表示形式を直接選択することもできます。そこで今週は、マルチディスプレイの状態をコンテキストメニューから呼び出すチューニングをお送りしましょう。

1. メモ帳を起動し、レジストリの内容を入力します。
2. 入力した内容は「Unicode」形式で保存します。
3. レジストリファイルをインポートします。

これでチューニングが完了しました(図04~09)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「notepad」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 メモ帳が起動したら、下記の内容をコピー&ペーストします

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\DisplayChange]
"ExtendedSubCommandsKey"="!DisplayChange"
"MUIVerb"="マルチディスプレイ(&D)"
"Position"="Bottom"
"Icon"="%SystemRoot%\\System32\\display.dll,-1"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\01]
"MUIVerb"="PC画面のみ"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\01\command]
@="DisplaySwitch.exe /internal"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\02]
"MUIVerb"="複製"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\02\command]
@="DisplaySwitch.exe /clone"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\03]
"MUIVerb"="拡張"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\03\command]
@="DisplaySwitch.exe /extend"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\04]
"MUIVerb"="セカンドスクリーンのみ"

[HKEY_CLASSES_ROOT\!DisplayChange\Shell\04\command]
@="DisplaySwitch.exe /external"

図06 メモ帳に貼り付けた記述をファイルに保存します

図07 文字コードを「Unicode」に変更してから任意のファイル名で保存します

図08 作成したレジストリファイルをダブルクリックし、確認をうながすダイアログの<はい>ボタンをクリックします

図09 すると正しくインポートできたことを示すダイアログが現れます。<OK>ボタンをクリックしてください

では、結果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューから<マルチディスプレイ>をクリックするか、[D]キーを押してください。これで<PC画面のみ><複製>などのサブメニューが現れました。任意の項目を選択すれば、マルチディスプレイの状態が切り替わります(図10~11)。

コンテキストメニューからマルチディスプレイの切り替えが可能になりました

今回はレジストリキーに対するアクセス権の変更を避けるため、「CommandStore」キーではなく、文字列値「ExtendedSubCommandsKey」を利用してサブメニュー化を行いました。アイコンやメニュー項目名などは、好みに応じて変更しましょう。

さらに今回はレジストリファイルを用意しました。手早く本チューニングを試したい方にお勧めです。なお、チューニング内容を破棄する場合は、レジストリエディターなどから、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\DisplayChangeキーおよび、HKEY_CLASSES_ROOT!DisplayChangeキーを削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus