こんにちは、阿久津です。Internet Explorer 6~11に対する脆弱性を修正するセキュリティ更新プログラム「MS14-021」が公開されました。ポイントは、事実上Windows XP向けとなる、Internet Explorer 6が対象に含まれている点です。

Windows XPはすでにサポート終了日を迎えたOSであり、従来の説明によれば更新プログラムは提供範囲外でした。しかし、日本マイクロソフトは「Windows XP をご利用の一般ユーザーが、いまだ非常に多い状況を受けての特別な措置」として、更新プログラムを提供したことを明かしています。

個人的には、Clandestine Foxと呼ばれる今回のゼロデイ攻撃が発生することで、サポートを終了したOSのリスクが明確になり、OSの移行やWebブラウザーの乗り換えが促進されると捉えていました。しかし、その一方で「まだ、サポートされるのでは?」という錯覚をエンドユーザーに与えたことは問題といえるでしょう。

今回の修正プログラムは、SVGなどのベクターグラフィックをレンダリングするコンポーネントに脆弱性が発覚したことに対応するもの。実体である「%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\VGX\vgx.dll」ファイルは最新のInternet Explorer 11まで使われるため、たまたま対象に加わったと見るべきです。いずれにせよWindows XPユーザーにとっては、Windows 7やWindows 8.1に早く移行するのが、確実なセキュリティ対策となるでしょう。

さて、Windows 8.1のスタート画面はタッチやマウスだけではなく、キーボードによる操作も可能です。矢印キーを押すと白色の枠線で描かれたフォーカスが現れ、タイルの選択が可能となり、[Enter]キーを押せば、タイル(アプリケーション)を起動したことになります(図01)。

図01 筆者のデスクトップ環境。少々わかりずらいのですが、「ファイナンス」をマウスオーバーで選択し、「デスクトップ」を矢印キーで選択した状態です

今回は、Windows 8.1のスタート画面をキーボードで操作しやすくするため、最初からタイルフォーカスを表示するチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\Keyboard Preferenceキーを開きます。
3. 文字列値値「On」のデータを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了し、再サインインします。

これでチューニングが完了しました(図02~06)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\Keyboard Preferenceまで、キーをたどって開きます

図04 文字列値「On」をダブルクリックし、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図05 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図06 スタート画面のユーザーアイコンから<サインアウト>して、その後Windows 8.1に再サインインしてください

では、結果を確認してみましょう。スタート画面を表示すると、左上のタイルにフォーカスが現れたことが確認できました。下図の場合、そのまま[Enter]キーを押せば「メール」が起動します(図07)。

図07 最初からタイルフォーカスが現れるようになりました

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\Keyboard Preferenceキーの文字列値「On」は、「コンピューターの簡単操作センター」の「キーボードを使いやすくします」に並ぶ、<ショートカットキーとアクセスキーに下線を表示します>と連動するエントリです。同項目にチェックを入れることで前述のチューニングは不要になりますが、レジストリベースで設定を管理している方は、今回紹介した手順をご利用ください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus