こんにちは、阿久津です。とある医療機関に出向いたところ、医師のPCに目が引き寄せられました。説明を聞きながらチェックしてみると、ウィンドウフレームはAero Glassでしたが、タッチ操作がぎこちなかったため、Windows 7+タッチ操作対応ディスプレイという組み合わせなのでしょう。
よりサポート期間が長いWindows 8.1ではないところが気になりましたが、個人情報を大量に扱う医療機関がWindows XPを使い続けるよりはマシかもしれません。ちょうど本稿掲載日の2014年4月9日は、16時をもってWindows XPの12年にわたるサポート期間が終了する日です。しかし、まだまだWindows XPを目にする機会は減らないかもしれません。
英国政府の一機関であるCCS(Crown Commercial Service)は、MicrosoftとWindows XPやOffice 2003などをインストールしたPCのカスタムサポート契約を結んだことを発表しました。期間は1年。ComputerWeekly.comの記事によれば費用は約550万ポンド。日本円にして約9億4,600万円となります。
前述の記事によればWindows XPマシンの台数は約70万台。一個人から見れば億の単位に目がくらみそうですが、PC1台あたり約1,400円で1年の延長を受けられることになります。日本マイクロソフトのFAQにも「カスタムサポートを延長サポート期間の終了後に用意し、10年以上のサポートを実現可能にします」との記述があり、日本国内でも緊急処置として同様の契約を結ぶ企業が出てくる可能性はあります。
さて、本日4月9日に「Windows 8.1 Update」が公開されました。多くのみなさんがWindows Update経由でアップデートを実行していると思いますが、詳しくは「すべてが分かるWindows 8.1大百科"Update"」をご覧ください。
Windows 8.1 Updateを適用すると、スタート画面の右上に電源操作を行うボタンと検索ボタンが加わります。ただし、タッチ操作環境では、誤動作を防ぐため電源ボタンは非表示となりました。つまり何らかのロジックで、電源ボタンの表示/非表示を切り替える仕組みが、Windows 8.1 Updateに加わったのでしょう(図01)。
レジストリを調査したところ、この電源ボタンの表示/非表示を切り替えるエントリーを発見しましたので、今週はWindows 8.1 Update適用済みPCで、スタート画面の電源ボタンを無効にするチューニングをお送りします。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion \ImmersiveShell\Launcherキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「Launcher_ShowPowerButtonOnStartScreen」を作成し、データを「0」のままにします。
4. レジストリエディターを終了し、Windows 8.1に再サインインします。
これでチューニングが完了しました(図02~09)。
図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software \Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellキーを開きます |
では、結果を確認してみましょう。Windows 8.1に再サインインすると、それまでスタート画面にあった電源ボタンが非表示となります(図10)。チューニング前の状態に戻すには、DWORD値「Launcher_ShowPowerButtonOnStartScreen」を削除して、Windows 8.1に再サインインしてください。
実はWindows 8.1 Updateが同Update 1や同Spring Updateと呼ばれていた頃に動作を確認した際、キーやエントリー名が異なっていました。GA版(General Availability version:一般提供版)では、値はLauncherキーに移動し、値名も「Launcher_HidePowerButtons」から「Launcher_ShowPowerButtonOnStartScreen」に変更したようです。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)