こんにちは、最近まで"新しいOffice"のハングアップに悩まされていた阿久津です。Office 2013はプレビュー版から乗り換えていましたが、その頃はExcel 2013でプレビューのセルに文字を入力するとハングアップするという奇怪な現象に悩まされていました。RTM(Release To Manufacturing version:製造工程版)版に移行してからは、症状も軽減されましたが、それでも同種の現象がなくなった訳ではありません。

MicrosoftのサポートサイトでMSKBを検索しますと、「Microsoft Office 2013またはOffice 365がセットアップ中にハングする」「Outlook 2010またはOutlook 2013が応答しない、ハング、フリーズまたは動作を停止する」といった技術情報は見つかりますが、筆者が遭遇しているトラブルの解決につながりそうなものは見つかりません。さらに最近では、エクスポート機能を使った時点で各Office 2013アプリケーションが落ちてしまう症状も起きています。

Office 2013の修復や[Ctrl]キーを押しながら起動するセーフモードも試してみましたが、結果は一緒。イベントビューアーの「Microsoft Office Alerts」や「Application」にもログは残されていません。エクスポート機能で画像形式やPDF形式ファイルに出力する際に現れるのはコモンダイアログですので、Office 2013というよりもWindows 8側に異常が発生しているのではないかと思い、「sfc /scannow」を実行してみました。

するとこれが正解らしく、エクスポート機能を利用しても正しく動作するようになり、無事ハングアップから解放。エクスプローラーの拡張を行うツールの検証など、何らかのタイミングでシステムファイルに悪影響を及ぼす自体が発生し、Office 2013がハングアップするという症状につながったのでしょう。同様のトラブルに見舞われている方は一度お試しください。

さて、最近気になっているのがネットワークプロフィール名です。ネットワーク接続環境を大幅に変更すると新たなプロフィール名が自動的に付けられますが、サフィックス(接尾辞)に連番が付くため、あまり見栄えがよくありません。Windows 7では、アイコンをクリックすることで起動していた「ネットワークプロパティの設定」ダイアログからネットワーク名を変更できましたが、Windows 8には、変更するUI(ユーザーインターフェース)が用意されていないのです(図01~02)。

図01 Windows 7は「ネットワークと共有センター」内のアイコンをクリックすると現われる「ネットワークプロパティの設定」ダイアログから、ネットワークプロフィール名を変更できます

図02 こちらはWindows 8ですが、「ネットワークプロパティの設定」ダイアログにリンクされるアイコンが廃止されています

最初は「netsh」コマンドで変更できるだろうと思いましたが、LAN向けプロフィールを確認する「netsh lan show profiles」を実行しても、「ワイヤード自動構成サービスは実行されていません」というメッセージが現れ、lanコンテキストに関するコマンドを実行できません。そもそもワイヤード自動構成サービスとは、IEEE 802.1X認証で対応するスイッチングハブやサーバーに接続するための処理を行うためのプログラムですが、一般的な環境では有効にするメリットは大きくありません。もっとも「net start dot3svc」で一時的に同サービスを実行することで、前述した「netsh」コマンドは実行可能になります(図03)。

図03 「netsh」コマンドでネットワークプロフィール名を変更できそうですが、レジストリエントリを直接編集するほうが簡単です

しかし、同コマンドで設定を変更するにはXML形式ファイルを用意する必要があり、パラメータ設定を変更する「netsh lan set profileparameter」では、ネットワークプロフィール名を設定するパラメータは用意されていません。そこで今週は、このネットワークプロフィール名をレジストリから変更するチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\NetworkList\Profiles\{任意のGUID}キーを開きます。
3. 文字列値「ProfileName」を開き、値のデータを任意の名称に変更します。
4. [F5]キーを押してからレジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図04~08)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\NetworkList\Profilesまでキーをたどって開きます

図06 GUIDをキー名に持つサブキーを順番に開き、現在使用中のネットワークプロフィール名が文字列値「ProfileName」とマッチするものを探します

図07 文字列値「ProfileName」をダブルクリックで開き、値のデータを任意の名称に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図08 [F5]キーを一度押してから、<×>ボタンをクリック。レジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。通知領域などから「ネットワークと共有センター」を起動してください。今回の例では「Cactus 4」となっていたネットワークプロフィール名ですが、ステップ3で変更した名称に変更されました(図09~10)。

図09 通知領域の「ネットワーク」を右クリックし、メニューの<ネットワークと共有センターを開く>をクリックします

図10 これでネットワークプロフィール名が変更されたことを確認できます

各ネットワークプロフィールはGUID(グローバル一意識別子)で管理されていますが、気になるのがDWORD値「Category」の存在。同エントリのデータ値で、パブリック/プライベート/ドメインを管理しています。「0」がパブリック(共有オフ)、「1」がプライベート(共有オン)、「2」がドメインとなりますので、共有設定をモダンUIから変更するのが面倒に感じる場合は一緒に変更してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus