昨今はWebブラウザーが主たるアプリとなり、山ほどタブを開くことも珍しくなくなった。Microsoft Edge(以下、Edge)はメモリー消費やバッテリー利用量を軽減する効率モードため、参照していないタブで消費するリソースを軽減するスリープタブ機能を備え、複数のタブを開いても負荷を最小限に抑えている。

  • Canary版Edgeは「ブラウザーのエッセンシャル」に名称変更し、パフォーマンスやセキュリティに関する情報を示すようになった

一方でWebページをワンクリック/タップで切り替えるタブブラウザーならば、可能な範囲で新規タブを利用したい。思い返せば以前のWindowsは同一ドメインは現在のタブ、他のドメインは新規タブで開く拡張機能/アドオンをインストールしていたが、各Webブラウザーを併用する間に忘れてしまった。コンテキストメニューの「リンクを新しいタブで開く」の操作に慣れていたのも理由の一つである。

  • もう一つの理由は便利な拡張機能の存在。「Linkclump」を使えば、任意のキー+マウス操作で複数のタブを一度に開ける

以前からMicrosoftはWebページでEdgeの更新内容を紹介しているが、最近気になったのが「Always open favorites in a new tab now available!(常に新しいタブでお気に入りを開ける!)」との記事である。

Canary版Edgeでは「常にお気に入りを新しいタブで開く」が加わり、設定名どおりの動作が可能になった。筆者が確認した限りではBeta版(バージョン110)は未実装。後述する説明ではDev版(バージョン111)は実装しているようだが機能を確認できなかった。

  • こちらは安定版(バージョン110)のEdge。お気に入りバーに関する設定は表示周りのみ

  • Canary版Edge(バージョン112)は「常にお気に入りを新しいタブで開く」が加わった

Microsoftは「コミュニティーからのフィードバックに応えた」と述べており、2022年7月時点で一番のリクエストだと公式ブログで報告している。約半年も本機能に気付かなかったのは、お気に入りバーの表示を「新しいタブのみ」を選択していたからのようだ。

改めて動作を確認すると「新しいタブ」を開き、ブックマーク(登録済みのお気に入り)を選択すると、そのまま同じタブで選択したWebサイトが開く(Canary版Edgeはバージョン112.0.1705.0で検証)。任意のWebサイトを開いた状態でブックマークを参照すると、文字どおり新しいタブでWebサイトが開くことを確認した。

DevチャネルやCanaryチャネルは実験的な要素が強く、このまま安定版Edgeに本機能が展開するか否かは断言できない。ただ、前述した公式ブログでも言及しているように、おそらく実装に至る機能の一つだろう。おそらく「常にお気に入りを新しいタブで開く」は既定で有効化されると思われるが、毎日のように使用するEdgeの動作に疑問を覚えたら、「edge://settings/appearance」で「外観」を開き、同設定項目を確認してほしい。