「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。
構成ファイルで一部のカスタマイズが可能
Windows 10 バージョン1903から、Pro以上のエディションに加わった「Windowsサンドボックス」は、そのままでは少々使いにくい。たとえばファイルのやり取りはコピー&ペーストで行い、ドラッグ&ドロップには未対応。だが、拡張子「wsb」を持つXML形式の構成ファイルを作成することで、部分的なカスタマイズが可能だ。
<Configuration>
<VGpu>Disable</VGpu>
<Networking>Disable</Networking>
<MappedFolders>
<MappedFolder>
<HostFolder>E:¥Downloads</HostFolder>
<ReadOnly>true</ReadOnly>
</MappedFolder>
</MappedFolders>
<LogonCommand>
<Command>explorer.exe C:¥users¥WDAGUtilityAccount¥Desktop
</Command>
</LogonCommand>
</Configuration>
まずは設定項目を説明しよう。「VGpu」は仮想化GPU使用の有無。有効(Enable)時はホストGPUを仮想化してデスクトップを描画するが、無効(Disable)時はDirect3D 11から導入されたソフトウェアラスタライザであるWARP(Windows Advanced Rasterization Platform)を使用する。なお、既定はWindowsサンドボックスのセキュリティレベルを高めるため無効になっているという。Windowsサンドボックスのパフォーマンスを高めたい方はリスクを承知の上で有効にしてほしい。
「Networking」はWindowsサンドボックスでネットワークを使用するか否か。「MappedFolders」はホストPCのフォルダーを共有する機能。「HostFolder」でフォルダーのパスを指定し、読み取りまたは書き込みのアクセス許可(true or false)で指定する。ただし、疑わしいファイルの実験環境であることを踏まえると、基本的には読み取り専用にすべきだ。ホストPCに内フォルダーを指定するとWindowsサンドボックス起動時にエラーとなる。
「LogonCommand」はWindowsサンドボックス起動時に、任意のコマンドを実行するというもの。指定できるコマンド数は現時点で1つのみだった。今回は「MappedFolders」でマッピングしたダウンロードフォルダーを開いている。
-
カスタマイズしたWindowsサンドボックスを起動した状態。Windowsサンドボックスは専用アカウントとして「WDAGUtilityAccount」を使用するため、先のマウントフォルダーは「C:¥Users¥WDAGUtilityAccount¥Desktop¥Downloads」となる
阿久津良和(Cactus)