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ハードルは高いが最新デバイスなら対応可能

Windows 10 バージョン1709は、ストリーミングHDR(ハイダイナミックレンジ)再生に対応している。一般的にPCは24ビットカラーで十分といわれてきたが(RGB各色8ビット、約1677万色)、24ビット以上のカラーデータを持つ画像や動画をHDRと呼ぶ。

既に「Netflix」や「Hulu」など、一部のストリーミング動画サービス(とアプリケーション)がHDR動画に対応している。ただ、HDR再生には、HDR対応ディスプレイが必要となり、PCとの接続にもHDMI 2.0a以上に対応したケーブルが必要など、諸条件が重なる。

Windows 10側では、使っている環境がHDR対応か未対応かを判断することが可能。「ビデオの再生」を用いる。

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    こちらはHDR対応環境。「HDRビデオのストリーミング」のスイッチが有効だ

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    HDR非対応では同スイッチがグレーアウトする

上図に示したのは「設定」の「アプリ/ビデオの設定」だが、「HDRビデオのストリーミング」が選択できる環境とグレーアウトする環境が見て取れるだろう。

ディスプレイがHDRに対応しているか判断するには、もう1つの方法がある。それが「DirectX診断ツール」の使用だ。

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    「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「dxdiag」と入力して「OK」ボタンをクリック/タップ

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    「ディスプレイ」タブを開いて「HDR」の項目を確認

上図は「HDRビデオのストリーミング」のスイッチが有効な環境の診断結果だが、「サポートされていません」と出ている。これは今回使用したPCの色空間がsRGBで、HDRに対応していない「DXGICOLORSPACERGBFULLG22NONEP709」であるからだ。例えば、HDR10に対応している場合は「DXGICOLORSPACERGBFULLG2084NONEP2020」と示される。

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    「DirectX診断ツール」の「情報をすべて保存」ボタンをクリック/タップして調査内容をテキストファイルに保存し、「Display Color Space」の情報を確認

Windows 10でストリーミングHDR再生を楽しむには、第7世代Intel Coreプロセッサーに代表される10ビットビデオ用コーデックや、接続するディスプレイの輝度が300ニット以上といった条件もある。また、保護されたコンテンツの場合は、GPUが著作権保護機能であるPlayReady DRMをサポートしていなければならない。

このように、まだまだハードルが高いHDR再生環境だが、2018年中は普及期に入るといわれている。PCパーツの換装やディスプレイの買い換えなど、考え始めてもいいかもしれない。

阿久津良和(Cactus)