12月7日に開催された「Oracle CloudWorld Tokyo」のセッションに、ITエンジニア向け派遣で知られるパーソルテクノロジースタッフの経営企画部 経営管理グループ マネージャー 植村具民氏が登壇。「パーソルテクノロジースタッフにおけるPBCS導入と管理会計高度化の取組み - 会社統合に伴う管理会計の再構築と今後の展望」と題し、管理会計システム刷新プロジェクトの取り組みを紹介した。

事業統合で生まれた「2つの課題」

パーソルテクノロジースタッフは、2017年1月に旧インテリジェンスの派遣事業(以下、インテリジェンス)と旧テンプスタッフ・テクノロジー(以下、テンプスタッフ)の2社がパーソルグループ内での事業統合によって誕生した企業だ。パーソルグループは「はたらいて、笑おう」をスローガンに掲げ、登録求職者数780万人、求人数34万件を誇る人材ビジネスの国内首位企業であり、スティーブ・ウォズニアック氏らを起用したCMも話題になった。

パーソルテクノロジースタッフはパーソルグループのなかでITエンジニア派遣事業を担っている。労働人口が減るなか、派遣市場の市場規模は約5.6兆円、前年対比4.4%で成長する市場だ。エンジニア派遣はそのうち約1.3兆円を占めているが、派遣事業者の数は非常に多く、トップシェアでも数%程度だという。

そうした労働市場を取り巻く環境について植村氏は「人口減少トレンドのなか人手不足に直面していて、マーケットは縮小、競争の激化が進んでいます。2018年は、労働法の改正や派遣法の改正、同一労働同一賃金への関心の高まりなどを受け、市場が大きく変化すると見られています」と説明。同社でも、事業の収益性向上と新しい業績管理体系の構築が迫られるようになったという。

パーソルテクノロジースタッフ 経営企画部 経営管理グループ マネージャーの植村具民氏

同社の課題になったのは、統合前の2社の業績管理体系が異なっていたことだ。PL作成の単位は、テンプスタッフが営業部単位で現場で売上予測を行っていた一方で、インテリジェンスは本部単位でPLを作成し、現場での売上予測はなかった。また、テンプスタッフには機能部門の費用配賦がなく、KPIマネジメントもほとんど行っていなかったが、インテリジェンスはそれらを行う体系だった。

もう1つの課題は、両社いずれの仕組みでも、きちんとした管理会計の仕組みがなかったことだ。テンプスタッフでは、財務システムから抽出した帳票を各部門ごとに振り分けるプロセスになっており、Excelを使用していた。費用の配賦を行うロジックやツールはなく、一律で「売上比率○%」というルールで行っていた。一方、インテリジェンスでは派遣事業を切り出して統合したため、インテリジェンス本体の管理会計の仕組みが使えなくなっていた。また、ツールはAccess/Excelで、費用の配賦は、設定した配賦比率に従って本社機能部門が行っていたのである。

「管理会計の仕組みがないため、組織別に営業利益を見ることができなかったり、サービス別に営業利益を見ることができなかったりしました。また、Excelでの作業だったため、違う切り口の数値算出に時間がかかり、作業工数の負荷も高くなっていました」(植村氏)