近年の3次元CADの特長として、モデリング作成の履歴がなくダイレクトに形状を変更することができるダイレクトモデリングの機能が搭載されてきています。SOLIDWORKSはパラメトリックモデリングでありながら、ダイレクトモデリングをするための機能が搭載されています。また、ダイレクトモデリング機能を取り込み、同じ設計環境の中でパラメトリック設計とダイレクトモデリングをすることができます。

パラメトリックモデリング
フィーチャー、拘束、参照関係などを定義し、設計変更した場合関連する下流工程の形状を定義した方法で更新することができるモデリング手法。

ダイレクトモデリング
形状を迅速に定義・変更できる直感的なモデリング手法。

Instant3D ~SOLIDWORKSのダイレクトモデリング~

・直感的な形状編集が可能なダイレクトモデリング
ヒストリーベースのSOLIDWORKSでも、ダイレクトにモデルを操作することができます。Instant3Dやライブセクション機能の搭載により、グラフィック領域での直感的で容易な形状編集を実現しています。

・有効断面平面
設計物のさまざまな断面からダイレクトに編集することができます。複数の断面を使用することができ、より複雑な部品に対してInstant3Dの機能を活用することもできます。

FeatureWorks ~SOLIDWORKSのインポートデータの編集~

・FeatureWorksのフィーチャー認識
FeatureWorksを使用すれば、インポートデータの形状を認識し、フィーチャー化することができます。FeatureWorksで認識されたフィーチャーは、SOLIDWORKSで通常のフィーチャーと同じように編集することができます。

・FeatureWorksによるダイレクトフィーチャー化
フィーチャー認識されていない状態でも変更を加えたい部位で「フィーチャー編集」を実行することで直接フィーチャーを認識することができます。また、インポートデータもFeatureWorksでフィーチャー認識することで、ダイレクトに形状を編集することができます。

フィーチャーフリーズ ~フィーチャーを再構築から除外~

SOLIDWORKSはヒストリーベースですので、たとえダイレクトモデリングはできても、多数のフィーチャーを含むモデルに対しては、再構築に時間がかかる場合があります。「フィーチャーフリーズ」機能を使用すれば、フィーチャーを一時的にフリーズ(凍結)して、モデルの再構築から除外することができ、再構築期間を短縮することができます。

システムオプションの設定を有効にすることで表示される「フリーズバー」を使用して、フィーチャーを再構築から除外します。SOLIDWORKSは、ヒストリー(履歴)のメリットを残しつつ、使いやすさを機能として搭載しています!

面の移動 ~SOLIDWORKSのダイレクトモデリング~

「面の移動」フィーチャーを使用すると、既存のフィーチャーを編集することなく面やフィーチャーを直接「オフセット」、「移動」、「回転」することができます。「面の移動」フィーチャーは履歴としてFeatureManagerに追加されます。「ボディの移動/コピー」フィーチャーで、ボディを移動(コピー)、回転(コピー)することもできます。

「面の移動」で、フィーチャーフリーズされたモデルやインポートモデルを含むあらゆるモデルで、ジオメトリの作成方法に依存することなく、ダイレクト操作をすることができます。

面の移動

面の回転

SOLIDWORKSでのダイレクトモデリングのメリット

SOLIDWORKSでは、設計中のさまざまな問題を診断解決し、時間のかかる細かな作業を自動化することで修正時間を減らし、SOLIDWORKS初心者でも経験豊かなエキスパートのように設計することができるSWIFTテクノロジなど、設計者が操作しやすく設計にフォーカスできる履歴を活用した機能も搭載しています。

SOLIDWORKSはヒストリーベースのよいところを残しつつ、ダイレクトモデリングができ、かつ、履歴情報を活用したさまざまな機能を搭載して、設計者の業務効率を向上させることができます。

(本稿はCAD Japan.comより提供を受けた記事を編集したものです。)