「欺瞞に満ちた世界に、俺という真実が存在する」(佐藤ポン語録より)

PIXTAの審査を通過し続けて、徐々に売れる写真も増えてきた最近の私。まさに無敵状態の私の写真が、なぜかiStockphotoの審査は通過しない。この不可解な現状に、正しい情報公開を求めて、iStockphotoに乗り込んだ(殴りこんだ)私。なぜだか担当編集者は、ひどく嫌そうな顔をして同行している。iStockphotoのA氏は、私の写真をどう評価するのだろうか。

私が撮影した素敵な写真

iStockphotoに殴りこみ、私の素敵な写真を直接評価させ、専属契約を結ぶという急転直下プランまでも抱いている私の前で、iStockphotoのA氏も私の担当編集者も、なぜか暗い表情をしている。

「では、この写真から説明しましょうか? あまり気を悪くしないでくださいね……」というA氏の言葉で、なんとなく私もこれからの展開を理解した。本日iStockphotoを訪問した真の目的は、私が審査に落ちた理由を、iStockphotoに聞くという趣旨だったのだ! そんな状況でも、私は負けない。私のモットーは「毎日が自由研究」。もしかしたら、今日もなにか新しい知識を得られるかもしれない。せっかくだから、審査に通らない理由を徹底的に聞いてやろうではないか。私の写真から欠点を見つけるのは『ウォーリーをさがせ!』よりも困難なはずだが、見つけたというなら聞いてやろう。

「この素敵な青空も、俺の創造物のひとつ」(佐藤ポン語録より)

A氏が選んだ写真。万世橋から秋葉原の電気街を撮影した芸術性の高い写真

A氏は秋葉原の建物を撮った1枚の写真を選んでモニターに表示させるなり、「この写真はいけませんねぇ」とつぶやいた。なんたることだ! ストックフォト長者街道を驀進中の私の写真がいきなりNG!

「この写真、どこがダメかわかりますか?」と真顔で私に問いかけるA氏。さっぱりわからない。私の写真に1ピクセルだって欠点があるわけがない。あっけにとられている私の態度を察したのか、A氏は写真を拡大して見せた。「我々iStockphotoでは、どんなに大きなサイズの写真でも、まずは拡大率100%で表示して確認します。ほら、ココ、気になりませんか?」と、写真の空の部分を指さすA氏。

すかさず私は「こんなに晴れ渡った青空、めったにないですよね。自分は類い希なる晴れ男なんですよ。よく撮れたと思います」と、自画自賛。A氏は私の自信に満ちあふれた返答を完全スルーして、「では、『Photoshop』で色調補正(トーンカーブ)を適用してみましょう」と、写真に「新規調整レイヤー→トーンカーブ」を重ねた。そして、「白色点」を移動させてカーブをグッと鋭角にし、画面全体が暗くなるように調整させた。すると、なんと私の写真にいくつもの黒い点が浮かび上がってきた。A氏は「ね? これはきちんと『Photoshop』で消しておかないと、ストックフォトの写真としては不完全なんです」と苦笑いする。その横で苦笑いする担当編集者。こいつも敵だったか!

それにしても、おかしい……。私は写真を現像したあとに、ゴミやホコリをしっかりと消しているはずだ。これまで他のストックフォトサイトでは、問題なく審査を通過して売れている私の写真に、どのような問題があるというのだろうか。次回、その真相が明らかになる。