今回も前回に引き続き、さまざまなシーンにおけるリユース機器の導入のメリットや中古市場の動向などを、データライブ代表取締役社長の山田和人氏に語っていただいた。

メーカ納期が間に合わなくても同等構成で調達可能

代表取締役社長 山田和人氏

当社のリユース機器を利用するお客様の中には、メーカからの新品購入を予定していたのに、納入が間に合わなくなってしまったという方いらっしゃいます。

サーバのメーカさんは、サーバを構成するパーツの一部でも揃わないと出荷を延期する傾向があります。例えば、CPUやメモリなどはすべて揃っているのに、ディスクコントローラのみが足りないため出荷が延期されることもあるようです。

さらに、メーカが製品の製造を中止してしまうこともあります。著しくスペックが異なる製品を導入することになるとシステム設計のやり直しを強いられることにもなるため、このようなケースではシステム構成を指定して注文なさることが少なくありません。

これ以外にも、故障のためその日のうちに代替機を調達しなければならないなど、急を要するユーザさんが多くいらっしゃいます。

ユニークなケースとしては、ある通販会社さんの例ですが、テレビCMを流したところアクセスが急増してサーバ能力が不足してしまい、金曜の夜にエンジニアが来社して増設パーツを数十枚単位で購入されたこともあります。

さらに変わったところでは、特定のパーツのみを大量に購入される場合もあります。例えば、Sun製品の検査を担当している企業が、インタフェースボードを20枚ほど購入されたことがありました。

当社ではサーバやネットワーク機器といった製品単位はもちろん、パーツ単位での販売も承っています。メーカが生産を中止したなどで入手が困難なパーツでも調達できる場合がありますので、お困りの際はぜひご相談ください。

レンタルサーバ事業者からの受注が急増

当社の主要な取引先の1つに、レンタルサーバ事業者があります。ここ最近、そちらからの注文が急増していますが、その背景にはクラウドコンピューティングへの流れがあると見ています。レンタルサーバ事業のお客様としては、以前、事例としてご紹介したマスターピース様などが挙げられます。

レンタルサーバ事業者のエンジニアさんには、最近、顕著にスキルアップされている方が多くいらっしゃいます。従来メーカの保守要員に頼っていたメンテナンス等の作業が、実は自分たちでもできるんだということに気付き始めたようで、流れが少しずつ変わってきています。これはメーカと保守契約を結んでいてもすぐには対応してもらえないことが多いためで、現場のエンジニアがリユース品を利用してパーツごと交換して復旧させるケースも増えてきています。

新古品など新しい機器の取り扱いも増加

旧式の製品に加えて、最近では比較的新しい機器の取り扱いもかなり増えています。調達先としては短期のレンタルアップやマイナーアップによる型落ちなどがあり、中には未開封の状態で中古市場に流れてくる、いわゆる新古品もあります。

また、メーカが絡む中古品もあります。先に触れた新古品や、試供品のような形でユーザに貸与した製品などを、メーカ保証付きで販売するケースです。

サーバの需要は、景気の影響もあって新品では全体的に低下しているようですが、中古市場ではニーズは増えているかと思います。

数十社のパートナーとの協力体制により在庫を確保

当社では、自社の在庫に加え、パートナーとの持ち合いによる調達も行っています。

こちらのお客様には、地方のテレビ局や鉄道会社など、地方の企業も多いですね。東京近郊の企業なら詳しいエンジニアが秋葉原などに出向いて探すこともできますが、地方ではそうもいかないためではないでしょうか。

持ち合いのパートナーには、同業他社やリース会社など、それぞれに強みを持つ企業が40-50社程度存在します。これらパートナーとの協力により、さまざまな需要への柔軟な対応が可能です。

リユースや開発で培った豊富なノウハウと知識

メーカごとに異なる細かな「クセ」、いわゆるメーカ特性はユーザ泣かせで、当社にメーカ指定で発注される場合は、メーカ特性が大きな理由となっていることがほとんどです。これには、管理しているエンジニアの慣れも大きく影響しているようです。

当社ではリユース事業におけるさまざまな検証や、システム開発事業における現場の経験から、豊富なノウハウや知識を蓄積しています。例えば、IBMの製品では型番指定の制約が厳しいのですが、当社なら代替品の提案が可能な場合が多いです。また、旧式のホットスワップ対応のRAIDコントローラの場合であれば、ディスク交換時、認識までに時間が多少かかる、ホットスワップのみに対応してコールドスワップはできないなど、製品特有のクセを把握しています。

出荷前の動作検証の様子

これらはほんの一例ですが、こうしたノウハウや知識により、目的や構成に最適の製品をご提案させていただくことが可能だと自負しています。