30歳過ぎてゼロから始めた後発カメラマンが、「どうしたら最短で上手くなるか」をテーマに撮影術をご紹介。第6回と第7回では、カメラを認識して、明るさと色の調整方法をお伝えしました。今回は「ピント」について、ポイントを解説します。
オートとマニュアル、2つのフォーカスモード
ピントを合わせる――。当たり前のことですが、とっても大事な要素です。でも、ポイントは簡単。写真のなかで一番見せたいポイントにピントを合わせる。これだけです。逆説的に言うと、ポイントを合わせたい場所が決まってないなら、シャッターは切らないほうがいいかもしれません。
ピントの合わせ方は大きく分けて「オートフォーカス」と「マニュアルフォーカス」の2つ。オートフォーカスはその名の通り、フレームが重なっている部分にピントを自動で合わせてくれます。対して、マニュアルフォーカスはレンズのフォーカスリングを回して自分でピントを合わせます。
デジタルカメラの場合は前者を使うことが圧倒的に多いですが、オールドレンズなどを使う場合はマニュアルで合わせることもあります。最初のうちはオートフォーカスでいいでしょう。
2種類のオートフォーカスを使い分けよう
オートフォーカスには、「シングルAF(AF-S)」と「コンティニュアスAF(AF-C)」の2種類があります。なんか難しそうですよね。私も最初は何のことかわかっていませんでした。
シングルAFは、シャッターボタンを半押ししているときはピントを固定するタイプ。主に風景や静物などを撮るときに使います。一方のコンティニュアスAFは、シャッターボタンを半押ししているときはピントを合わせ続けます。つまり、動く被写体を撮るときにとても便利。今回は歩く被写体を撮影したので、コンティニュアスAFに設定しました。
顔認識機能が便利
最近のカメラには「顔認識機能」や「瞳オートフォーカス機能」が搭載していることも多いです。ポートレートでは「特に服装やスタイルに特徴がある場合」を除いて、人物の顔にピントを合わせるのがセオリー。なので、便利なフォーカス機能を使うのもアリでしょう。
ちなみに人物写真において、顔、さらにいうと瞳は、写真を見る人の視線を集めやすいのが特徴。「目は口ほどに物を言う」ということわざもありますが、過去の経験から顔ないし瞳に重要な情報があると受け手は思うそうです。
なお、これが正解というわけではありませんが、瞳にピントを合わせる場合、手前側の瞳に合わせると自然な仕上がりになります。
文章・写真:関根康人(ねっしー)
モデル:くりえみ