30歳過ぎてゼロから始めた後発カメラマンが、「どうしたら最短で上手くなるか」をテーマに撮影術をご紹介。最初にお伝えしたのは、撮影に必要な認識力について。次に「認識した情報をどう整理するか」をお話ししました。今回も、前回に引き続き、具体的な「認識、整理するポイント」を解説します。

背景や構図に加えて、被写体への理解も大事

背景を認識する

ポートレートの撮影で注意すべきことは、背景や風景のチョイス。背景は、被写体をしっかり写すためだけでなく、撮影場所の情報を加える観点でも大事な要素です。

こちらの写真は横浜の中華街で撮影しました。人が多かったため、低いアングルから撮って、被写体に視線が行きやすいように整理しています。それだけではなく、「中華街にいるよ」という情報を入れたかったので、中華街らしい看板を写しつつ、文字でも認識できるようにF値を調整しました(F4.0で撮りました)。

構図を認識する

「構図が大事」とよく言われますが、何を撮りたいのかをしっかりイメージして、適切な構図を選ぶことが重要です。

左は中野の路地裏で撮りました。基本構図である「日の丸構図」と「放射線構図」のパース(遠近法)、また道の両サイドの「サンドイッチ構図」の3つを駆使して、被写体へ視線を誘導しています。右も同じく放射線構図でパースを利用し、消失点に被写体の顔を配置。さらに「三分割法」の交点に顔を配置することで、被写体に視線誘導しています。

人物撮影では、三分割法がとってもお手軽なのでオススメ。交点に顔、さらに言うと目を配置すると、それだけで写真が安定します。私は「今日はこの構図しか撮らない!」みたいなルールを決めて練習しました。基本構図さえできるようになれば、写真はグッと安定してきます。「基本構図ってなんぞや」と思った人は、わかりやすく解説しているサイトがたくさんあるので、検索してみてください。

被写体を認識する

ポートレート撮影の場合は、被写体のことをどれだけ理解・認識できるかが非常に重要です。有り体に言うと、これが一番大事かもしれません。

被写体の印象や好み(かわいい系が好きなのか、かっこいい系が好きなのか)、服装、撮影日のコンディションなど、認識すべき点はいろいろとあります。

上の写真は、そのわかりやすい例でしょう。この背景だったら右のような「かっこいい服装」よりも、左のような「かわいい服装」のほうが調和します。実際に、被写体の印象や服装によって、撮影場所や撮影手法を変えることはよくあります。

最近はSNSという便利なツールがあるので、私は事前に被写体をチェックしてイメージを膨らますようにしています。もちろん、それに引っ張られすぎるのも、よくないのですが。そして当然ながら、被写体とのコミュニケーションは、とっても重要ですね。

機材を認識する

機材の話になると「沼」に突入するのですが、当たり前ながら機材を認識して適切に使うことも、いい写真を撮るための有効な手段です。

こちらはカフェで撮影した1枚。被写体の右(写真では左側)からの自然光だけだと少し弱ったので、レフ板を当てています。ちなみに、コスプレ撮影ではストロボを使うのが主流ですが、実はレフ板、すごく使えます。

次回以降は、上記のような紹介した「認識すべきポイント」の詳細を解説していきます。

文章・写真:関根康人(ねっしー)
モデル:火将ロシエル