「Quintessential Player」Version 4.51a」

PCで音楽を聴くというスタイルも今や当たり前になりましたが、みなさんは普段どんなソフトを使っていますか?

iPodのユーザーなら「iTunes」を、その他の機種のユーザーなら「Windows Media Player」(以下、WMP)や「SonicStage」といったソフトを使っている人が多いのではないでしょうか。これらは、ポータブルプレーヤーとの連携には欠かせませんし、強力なライブラリ機能を持っているなど、とても魅力的なソフトです。

しかし、多機能な分動作が重く、画面専有面積も大きいなど、PCで作業している最中にちょっと使うには不便なことがあります。また、デザインや操作性が好みに合わないと感じている人もいるかもしれません。そんな時にお薦めしたいのが、今回紹介する「Quintessential Player」です。

名称 Quintessential Player
バージョン 4.51a
作者 Quinnware
種別 フリーウェア
動作環境 Windows 98 / Me / 2000 / XP / Vista

好みの外観を選べる強力なスキン機能が自慢

MP3 / Ogg Vorbis / WMA / WAVEなどの音声ファイルの他、動画ファイル再生にも対応する。強力なスキン機能が特徴で、プレイリストやミニプレーヤーなど全ての画面が変更対象になるため、操作性もガラリと様変わりする。写真は「Windows Media Player」風スキン「Nucleo SynPLEX」

Quintessential Playerは、MP3 / Ogg Vorbis / WMA / WAVEなどの音声ファイルやMPEG / WMVなどの動画ファイルの再生に対応した、メディアプレーヤーソフトです。ライブラリ機能こそ備えていませんが、プレイリスト作成や音楽CDの変換にイコライザーと、音楽再生ソフトに求められる機能はひととおり網羅しています。

しかし、それ以上に本ソフトを魅力的な存在にしているのが、強力なスキン機能です。プレーヤーの外観を変更できるスキン機能はWMPにもありますが、WMPではミニプレーヤー状態のデザインしか変更できません。それに対して本ソフトでは、ソフト本体からプレイリスト画面にいたるまで、すべての画面を丸ごと変更可能です。

さらに、各種操作ボタンの位置などもスキンによって全く違ってくるので、自分の利用スタイルや好みにあったソフトに変身させられるのです。

スキンブラウザを利用して、Webブラウザを使わずに公式サイトに登録されたスキンのプレビューやインストールが行える。公式サイトから「Internet Explorer」でスキンをダウンロードする場合、勝手にZIP拡張子が追加されてしまう場合があるので、注意しよう

日本語によるメニュー表示が可能

本ソフトは英語版だが、「Language Plug-in」の「Japanese 1.01」をインストール・適用することで、メニューをほぼ完全に日本語化できる。本画面は英語版状態の言語設定画面のもの

本ソフトは海外製のソフトですが、メニュー表示を日本語にできます。

まず、キーボードの[Ctrl]キーと[P]キーの同時押しで設定画面を開き、[Settings]タブの[Language & Fonts]を選択して画面を切り替えましょう。画面右端の「Get More Languages」というリンクをクリックするとダウンロードページが開くので、「Japanese 1.01」を探してダウンロードしてください。

次に本ソフトを一端終了し、ダウンロードしたファイルをインストール後、さきほどの手順で設定画面の[Language & Fonts]を開くと、「Installed Languages」に日本語が追加されているので、これを選択すれば表示が日本語に切り替わります。

プラグインによる各種機能拡張に対応

本ソフトはプラグインによる機能追加に対応しているのも特長。日本語化やエンコーダの組み込みに再生ファイル形式の追加とさまざまな機能を拡張可能だ

強力なカスタマイズ機能はスキンだけではありません。プラグインと呼ばれる機能拡張のための仕組みが用意されており、実はさきほどの日本語化も「Language Plug-in」によるものです。

この他にも、音楽CDをMP3などに変換するための「Encoder Plug-in」や、音楽再生中のアニメエフェクトを実現する「Visual Plug-in」、再生ファイル形式を追加できる「Input plug-in」など、さまざまな機能を追加できます。

音楽CDから高音質なMP3ファイルを作成できる

「LAME MP3 encoder 1.0」プラグインを導入することで、音楽CDからMP3への直接変換が可能になる。音質で定評のあるLAMEエンコーダが利用できるのは、音質重視派にはうれしい。各種エンコーダプラグインを導入すれば、ファイル形式変換にも活用できる

iTunesやWMPにもMP3変換機能はありますが、実は内容がやや古く音質があまりよくありません。しかし本ソフトなら「LAME MP3 encoder 1.0」というEncoder plug-inを導入することで、高音質なMP3ファイルを作成できます。

また、音楽CDから直接MP3ファイルに変換できるのはもちろん、MP3ファイルをOggやWAVなどの別のファイル形式に変換したり、ビットレートを変更したりといったことも自由自在です。

日本語CDデータベース対応で音楽CDからのデータ変換もおまかせ

本ソフトは日本語に対応したCDデータベースを利用できるので、音楽CDからのデータ変換時に、アルバム名やトラック名を手作業で入力する必要がありません。しかも、iTunesと同じ「Gracenote」のデータベースを利用しているので、マイナーなCDもしっかりと認識されます。

日本語対応のCDデータベースを利用した音楽CDのアルバム情報の読み込みに対応する。タグエディタ機能も用意されているので、後からアルバム情報を修正することも可能だ

プレイリスト作成も楽々

音楽CDからMP3に変換する際自動でプレイリストを作成できる他、フォルダ構成やファイル命名規則を細かく設定可能だ。楽曲をフォルダ管理するタイプのポータブルプレーヤーとの相性もいい

本ソフトには、音楽CDを変換する際プレイリストを自動作成する機能も用意されています。また、変換の際はフォルダ分けの方法やファイル名の付け方を細かく指定できるので、楽曲をフォルダ管理するタイプのポータブルプレーヤーとの連携に便利です。

さらにプレイリスト作成時には、フォルダ単位の追加機能が利用できるので、フォルダ分けを工夫しておけば、素早くプレイリストを作成するのにも役立ちます。

作業中でも邪魔にならない便利機能

再生画面をコンパクトにまとめたミニプレーヤーは便利な機能ですが、本ソフトならコンパクトなデザインのスキンを選べば、他の作業をしていても邪魔になりません。さらに、タスクバー上に最小化している最中でも、タスクバーアイコンに楽曲情報が表示され便利です。

また、プレーヤーが他の画面の下に隠れないよう常に前面に表示する機能も用意されており、1クリックでON / OFFできるのも見逃せません。

ミニプレーヤーがコンパクトなスキン「Wq」を利用してみた(画面右端)。常に最前面に表示しても他の画面を隠さないので、作業中でも邪魔にならない。またタスクバーアイコンに楽曲情報が表示され、マウスカーソルを合わせることで、詳細情報がツールチップ表示される

PC作業中のサブプレーヤーにおすすめ

Quintessential Playerの特徴を簡単に説明してきましたが、本ソフトの魅力はなんといってもスキンによる強力なカスタマイズ機能です。

公式サイトのダウンロードページには、色とりどりのスキンが数多く公開されています。デザインの違いももちろんですが、ボタンの配置など操作性の面でもさまざまな選択肢から選べるのは他のソフトにはまねのできないところです。

また、スキンによってはかなりコンパクトなものもあるので、画面上に常に表示しておいても邪魔になりませんし、動作も軽くPC作業中のBGM再生にはもってこいです。

ポータブルプレーヤーを利用していると、PC用再生ソフトも専用のものになってしまいがちですが、まずはPC作業中用のセカンドプレーヤーとして使ってみてはいかがでしょうか。