• 大阪府門真市のパナソニックミュージアム ものづくりイズム館。2025年12月26日に惜しまれつつも閉館となった

    大阪府門真市のパナソニックミュージアム ものづくりイズム館。2025年12月26日に惜しまれつつも閉館となった

(「パナソニックミュージアム ものづくりイズム館」を現地取材した、前編中編後編の記事はこちら)

2025年12月26日に、大阪府門真市のパナソニックミュージアム ものづくりイズム館が閉館する直前に、現地取材を行ってきたが、この取材にあわせて、パナソニックオペレーショナルエクセレンス 歴史文化コミュニケーション室の協力を得て、「収蔵庫」と呼ばれる特別な場所を取材することができた。

  • 収蔵庫は大阪府門真市のパナソニックホールディングス本社のなかにあり、パナソニックグループの社員にも公開されていない

    収蔵庫は大阪府門真市のパナソニックホールディングス本社のなかにあり、パナソニックグループの社員にも公開されていない

ここは一般への公開はもちろん、パナソニックグループ社員にも公開されていない場所で、パナソニックミュージアムには展示していない貴重な製品が保管されている。

収蔵している製品は約2000点。ユーザーから寄贈されたものや、拠点の閉鎖に伴って引き取ったものなど様々だ。社史や歴史館を担当してきた歴代の社員たちが、地道に収集し、保管してきたものばかりである。約9割がコンシューマ向け製品であり、家電のほかに、放送機器なども収蔵している。なかでもラジオは、門真市の本社エリアで生産を行っていいたこともあり、収蔵品数が最も多いジャンルといえる。現在も、各事業会社などと連動しながら、歴史的製品の収集を続けているという。

収蔵庫に保管している製品は、社内外の要望に応じて、展示用に貸し出すといったことを行っているほか、ものづくりイズム館が閉館したことから、今後は、社員が歴史や製品を学ぶ場として、これらの製品を活用し、なにかしらの貢献ができないかを検討しているという。

特別に公開してもらった収蔵庫に保管されている貴重な製品群を紹介しよう。ものづくりイズム館には展示していなかったユニークな製品が目白押しだ。

  • 収蔵庫に保管されている歴代の貴重な製品群。網をかけているのは地震の際などの転倒および落下防止のためだ

    収蔵庫に保管されている歴代の貴重な製品群。網をかけているのは地震の際などの転倒および落下防止のためだ

  • 製品ジャンルごとに分けて保管している

    製品ジャンルごとに分けて保管している

  • 室内の温度は20度、湿度は50~60%の環境で保管している

    室内の温度は20度、湿度は50~60%の環境で保管している

  • 大型家電製品も収蔵している

    大型家電製品も収蔵している

  • 写真は2025年1月のCES 2025のパナソニックグループブースで歴史的製品を展示していたものだが、これも収蔵庫から貸し出したものだった

    写真は2025年1月のCES 2025のパナソニックグループブースで歴史的製品を展示していたものだが、これも収蔵庫から貸し出したものだった

  • 1918年に発売した改良アタッチメントプラグ。創業第1号製品だ。従来品よりも性能が高く、価格が3割も安く、大ヒット製品となった。パナソニックの原点である

    1918年に発売した改良アタッチメントプラグ。創業第1号製品だ。従来品よりも性能が高く、価格が3割も安く、大ヒット製品となった。パナソニックの原点である

  • ナショナル国民ソケット。1935年に発売した。ひもを引くと主灯と副灯を切り替えられる

    ナショナル国民ソケット。1935年に発売した。ひもを引くと主灯と副灯を切り替えられる

  • 1923年に発売した砲弾型電池式ランプ。自転車に取り付けることができ、従来の約10倍となる30~40時間の利用ができた

    1923年に発売した砲弾型電池式ランプ。自転車に取り付けることができ、従来の約10倍となる30~40時間の利用ができた

  • 1927年に発売した角型ランプ。初めて「ナショナル」商標をつけた製品

    1927年に発売した角型ランプ。初めて「ナショナル」商標をつけた製品

  • 角型電池式ランプの本格的な普及を図るため、自社で生産を開始したナショナル乾電池

    角型電池式ランプの本格的な普及を図るため、自社で生産を開始したナショナル乾電池

  • 電熱製品第1号となる1927年に発売したスーパーアイロン。コードが短くて使いにくいという声を聞いてコードを伸ばすなど、ユーザーや販売店の声をもとに改良を加えていった。当時のモノづくりイズムを代表する製品だ

    電熱製品第1号となる1927年に発売したスーパーアイロン。コードが短くて使いにくいという声を聞いてコードを伸ばすなど、ユーザーや販売店の声をもとに改良を加えていった。当時のモノづくりイズムを代表する製品だ

  • 丸型反射ストーブ。1928年に発売したものだ

    丸型反射ストーブ。1928年に発売したものだ

  • 1929年に発売した電気コタツ第1号機。高性能サーモスタットを搭載しているのが特徴だ

    1929年に発売した電気コタツ第1号機。高性能サーモスタットを搭載しているのが特徴だ

  • 当時の電気コタツの外箱も残っている

    当時の電気コタツの外箱も残っている

  • 1932年に発売した電気調理器。いまから約95年前に作られたものとは思えないデザイン

    1932年に発売した電気調理器。いまから約95年前に作られたものとは思えないデザイン

  • 電気調理器のなかはアルミの鍋で、ホットプレートのような構造になっている。その下には電熱器が入っており、様々な調理ができそうだ

    電気調理器のなかはアルミの鍋で、ホットプレートのような構造になっている。その下には電熱器が入っており、様々な調理ができそうだ

  • 1932年に発売した電気座布団。中尾哲二郎氏が発明した高性能サーモスタットを応用した電気暖房器の第2弾自動温度調整器と過熱予防ヒューズによる二重安全装置を搭載

    1932年に発売した電気座布団。中尾哲二郎氏が発明した高性能サーモスタットを応用した電気暖房器の第2弾自動温度調整器と過熱予防ヒューズによる二重安全装置を搭載

  • 電気座布団は、いまのようなコンセントではなく、ソケット式となっている

    電気座布団は、いまのようなコンセントではなく、ソケット式となっている

  • 1934年に発売した電気裁縫鏝。和裁には必要不可欠な製品だった

    1934年に発売した電気裁縫鏝。和裁には必要不可欠な製品だった

  • 1935年に発売したヘアーアイロン

    1935年に発売したヘアーアイロン

  • こちらは1936年に発売した電気時計

    こちらは1936年に発売した電気時計

  • 歴代のラジオも保存。当時は門真の工場内に木工職人が在籍していたという

    歴代のラジオも保存。当時は門真の工場内に木工職人が在籍していたという

  • 壊れた状態のものも一部保存している。戦前に作られた4球国策型ラジオ「KS-10」

    壊れた状態のものも一部保存している。戦前に作られた4球国策型ラジオ「KS-10」

  • 1966年に発売した11バンドポータブルラジオ「RF-5000B」。世界のラジオ放送のすべてをカバーする最高機能のラジオだった

    1966年に発売した11バンドポータブルラジオ「RF-5000B」。世界のラジオ放送のすべてをカバーする最高機能のラジオだった

  • 胸ポケットに装着して使用するフレキシブルライト。入院中の社員が、夜間に巡回している看護婦がカルテの参照に苦労しているのを見て、製品化したという

    胸ポケットに装着して使用するフレキシブルライト。入院中の社員が、夜間に巡回している看護婦がカルテの参照に苦労しているのを見て、製品化したという

  • 囲碁練習機の「名局」。「置いてください」「置き間違いです」などの指示が出る

    囲碁練習機の「名局」。「置いてください」「置き間違いです」などの指示が出る

  • 「名局」には記録用カード集が添付されており、このなかに収納されている

    「名局」には記録用カード集が添付されており、このなかに収納されている

  • 磁気カードでソフトウェアを読み込ませて利用する。津賀一宏前会長が開発に携わっていたという逸話もある

    磁気カードでソフトウェアを読み込ませて利用する。津賀一宏前会長が開発に携わっていたという逸話もある

  • 電子レンジ「NE-5600」。値札などがついている状態で保存。価格は10万9000円となっている

    電子レンジ「NE-5600」。値札などがついている状態で保存。価格は10万9000円となっている

  • 電子レンジ「NE-4810」は、1972年に発売。「かわいいエレックさん」として、本体容量を4分の3に小型化した

    電子レンジ「NE-4810」は、1972年に発売。「かわいいエレックさん」として、本体容量を4分の3に小型化した

  • 1975年に発売した電子レンジ「NE-5100」。ユニークな形状が特徴だ

    1975年に発売した電子レンジ「NE-5100」。ユニークな形状が特徴だ

  • 電子レンジの「NE-5510」。扉が上方向に開く構造になっている

    電子レンジの「NE-5510」。扉が上方向に開く構造になっている

  • 1967年に発売したおしめ保温器。当時は紙おむつではなく、布で作られたおしめを使用。赤ちゃんが冷たくないように暖めることができた。出産祝いなどに重宝されたという

    1967年に発売したおしめ保温器。当時は紙おむつではなく、布で作られたおしめを使用。赤ちゃんが冷たくないように暖めることができた。出産祝いなどに重宝されたという

  • 学校で使われていた黒板クリーナーもナショナルブランドで製品化。1966年に発売した「MC-210E」

    学校で使われていた黒板クリーナーもナショナルブランドで製品化。1966年に発売した「MC-210E」

  • 学校などに設置してあった鉛筆削りもナショナルブランドで販売していた

    学校などに設置してあった鉛筆削りもナショナルブランドで販売していた

  • サントリーのコーヒー「BOSS」の懸賞品として作られた「ボス電」。大きな話題となった。1999年に登場しており、P501iをベースにしている

    サントリーのコーヒー「BOSS」の懸賞品として作られた「ボス電」。大きな話題となった。1999年に登場しており、P501iをベースにしている

  • 1970年に発売した球形ラジオ「パナペット70(R-70)」。タイムカプセルEXPO’70にちなんだ1バンドラジオ

    1970年に発売した球形ラジオ「パナペット70(R-70)」。タイムカプセルEXPO’70にちなんだ1バンドラジオ

  • 乾電池式びんポンプ「BH-506」。日本酒や醤油、酢などを一升瓶から移すのに便利だった

    乾電池式びんポンプ「BH-506」。日本酒や醤油、酢などを一升瓶から移すのに便利だった

  • 白黒テレビ「T-1731」。ブラウン管の前に透明のパネルがあるのは昭和の時代にはよく見られた光景だ

    白黒テレビ「T-1731」。ブラウン管の前に透明のパネルがあるのは昭和の時代にはよく見られた光景だ

  • カラーテレビとラジオ、カセットテープレコーダーが一体化した「TH16-J100」

    カラーテレビとラジオ、カセットテープレコーダーが一体化した「TH16-J100」

  • 29型ブラウン管カラーテレビ「TH-29VTS25」。上部にVHSレコーダーを搭載している

    29型ブラウン管カラーテレビ「TH-29VTS25」。上部にVHSレコーダーを搭載している

  • アルファチューブを搭載した「TH28-D01X」。画面が斜めになっているのは床置きを前提としたデザインのためだ

    アルファチューブを搭載した「TH28-D01X」。画面が斜めになっているのは床置きを前提としたデザインのためだ

  • 収蔵庫ではプラズマテレビなども保存している。中央が65型であり、かなりの大きさがある

    収蔵庫ではプラズマテレビなども保存している。中央が65型であり、かなりの大きさがある

  • 箱に入ったままの貴重な製品もある。ナショナルテレビ「T14-S7」。人工知能ではなく、人工頭脳の文字が入っている

    箱に入ったままの貴重な製品もある。ナショナルテレビ「T14-S7」。人工知能ではなく、人工頭脳の文字が入っている

  • オペレートC-8000のモニター。富士通のFACOM 9450シリーズと同等でパナファコムが生産していた

    オペレートC-8000のモニター。富士通のFACOM 9450シリーズと同等でパナファコムが生産していた

  • カセットプロジェクターの文字が入ったナショナルブランドの製品。型番はRW-2800。歴史文化コミュニケーション室でも調査中の製品だという

    カセットプロジェクターの文字が入ったナショナルブランドの製品。型番はRW-2800。歴史文化コミュニケーション室でも調査中の製品だという