2014年モデルの扇風機もそろそろ出揃った感がある。消費電力の低さや、風力調整の細かさ、静音性などの特徴を持つDCモーター採用の扇風機。主要メーカーの2014年モデルを見てみても、一部メーカーを除き、DCモーター採用モデルが中心となっている。
各社の2014年モデルの扇風機の特徴は?
日立の2014年モデルは、DCモーターを採用モデルの強化が大きなポイントだ。2013年モデルではハイポジション扇の1モデルのみがDCモーターを採用していたが、2014年モデルでは、ハイポジション扇の「HEF-DC2000」、リビング扇の「HEF-DC90」、スリムファンの「HSP-DC800」の計3モデルがDCモーター採用となっている。ACモーターを採用したモデルは、「HEF-90R」「HEF-90M」の2機種だ。
DCモーター採用の3モデルでは、風量やタイマー、リズム、首振りなどの設定を記憶する「マイメモリー」機能も搭載している。
東芝の22014年モデルは、フラッグシップモデルのハイポジション扇「SIENT」の「F-DLS1000」、「SIENTμ」の「F-DPS20」、リビング扇の「F-DLS75」「F-DLS65」、タワー型の「F-DTS50X」がDCモーター採用機。それ以外にACモーターを採用したリビング扇「F-ALS70」「F-ALS60」「F-ALS50」と、壁掛け扇風機「F-AWS80」がラインナップされている。
扇風機では、振動を抑えるために奇数枚の羽根を使用するのが一般的だ。ところが東芝では、高い工作精度により偶数枚の羽根を持つ扇風機を製品化。2012年モデルまでは、4枚羽根モデルがラインナップの中心となっていた。
2013年モデルより偶数枚の羽根の採用は見送られており、2014年モデルもすべて奇数枚。F-DLS1000とF-DPS20は7枚のプロペラ羽根と10枚の傾流羽根からなる17枚羽根を採用したモデル。滑らかな風を送り出すのが特徴だ。また、DCリビング扇のF-DLS75とF-DLS65には9枚羽根、それ以外のACモーターを採用した扇風機にも7枚羽根を採用している。
F-DLS1000とF-DPS20は左右だけでなく上下の首振り機能を装備。また、F-DLS1000には、温度と湿度のデュアルセンサーも装備している。
シャープの2014年モデルは、「PJ-D3DG」「PJ-D3DS」「PJ-D2BG」「PJ-D2DS」「PJ-D3AS」の5モデル。PJ-D3AS以外の4モデルはDCモーターを採用している。
シャープの製品では、生物の形状や機能を参考にしたネイチャーウイング」テクノロジーを採用するモデルが多い。2014年モデルの扇風機でも、羽根部分にネイチャーウイングを採用。PJ-D3DGとPJ-D3DSではアサギマダラ蝶の羽根の形を応用しており、7枚の羽根で14枚相当のなめらかな風を実現している。また、φ18cmの小径羽根モデルのPJ-D2BGとPJ-D2DSでは、アホウドリの翼の形を応用した羽根が、直進性の高い風を生み出す。
PJ-D2BGとPJ-D2DSは「3Dターン機能」を搭載。PJ-D3DGとPJ-D2BGには、熱中症の危険を検知すると最大風量で運転する「見張り機能」を搭載している。なお、PJ-D2BGは、コードレスでの運用が可能なバッテリー内蔵モデルだ。
三菱電機の2014年モデルは「R30J-HRR」「R30J-RR」「R30J-MR」の3製品。R30J-HRRはハイポジション扇で、他はリビング扇だ。いずれもACモーター採用モデルで、DCモーター採用モデルはラインナップされていない。
R30J-HRRとR30J-RRは、風を整流して風速を上げる効果を持つ「ロング気流ファンガード」を装備している。
DCモーター採用モデルの最低消費電力をチェック!
DCモーターを採用した扇風機は、細かな風量調節が可能という特徴を持っている。また、ACモーターを採用した扇風機に比べて、低風量時の消費電力が低い。
各社のDCモーター採用扇風機の最低消費電力を比較したのが次の表だ。高いものでも5W前後、低いものでは1W台のものも存在している。
メーカー | 型番 | 最低消費電力 |
---|---|---|
日立 | HEF-DC2000 | 2W |
HEF-DC90 | ||
HSP-DC800 | 5.5W | |
東芝 | F-DLS1000 | 2W |
F-DPS20 | 1.5W | |
F-DLS75 | 1.7W | |
F-DLS65 | ||
シャープ | PJ-D3DG | 4.1W |
PJ-D3DS | ||
PJ-D2DBG | 2.2W(充電時は約12W) | |
PJ-D2DS | 1.6W |
次回は、DCモーター採用機とACモーター採用機の違いを検討してみたい。
次回に続く |