「一生一緒にいてくれや」

Xで子猫画像が流れてきた必ず脳内自動再生される1フレーズだ、ホイットニー以外でこいつに並べるものは未だ現れていない。

これは約四半世紀前に大ヒットした曲「Lifetime Respect」の歌いだしである。

一発屋アーティストの話題になると、この曲やそれを作った三木道山の名が上がって来ることも多いが、仮に一発であったとしても、25年も人の記憶から消えてない時点で弾道距離が異次元なのだ。

一発飛ばすどころか鳥人間コンテストのダイジェストに入れられて終わるアーティストの方が大半な世界で十分成功しているといえるだろう。

私の作品も9割が打ち切りで終了しているが「打ち切り漫画といえば?」という質問に私の作品を挙げる人間はいないのと同じである。

それに今聞き返してもいい曲である、当時私もCDを買った。

軽い歌いだしだが、決してシーシャバーでたまたま隣に座ったエロい女に、鼻から煙を出しながら言った言葉ではない。

「一生」の中には、楽しいことも苦しいことも含まれており、最終的に「老々介護上等」という、この少子高齢化社会で結婚する上で必要な覚悟を25年も前から軽快な曲調で歌い上げている。

よって、Xで子猫画像を見るたびに「一生一緒にいてくれや」と脊髄反射的に思うが、同時に「お前はこの子を三木レベルに道三できるのか?」という問いかけにもなっており、安易に命を飼うことへの警鐘にもなってくれている。

退職代行と退職引き止め、真逆だけど「挟まる」ところは同じ

  • 会社と社員の間に軋轢があるなら、挟まったサービス側の社員もまた負荷がかかりそう……

    会社と社員の間に軋轢があるなら、挟まったサービス側の社員もまた負荷がかかりそう……

そんな中高年の脳髄にしかと刻まれたフレーズを彷彿とさせる会社が現れ話題になったそうだ。

それが「イテクレヤ」である。

退職者希望者に代わり退職手続きを行う「退職代行」が流行を越えて一般化してきているが、人手不足の今、企業側もそう簡単に退職してもらっては困る。

そこで対抗として現れたのが「社員引き止めサービス『イテクレヤ』」である。

退職を希望する社員の両脇を屈強なイテクレヤ社員が固め、辞意を撤回するまで根気強く話し合うサービスを想像してしまうが、辞めようとする社員を説得するのではなく、退職希望者が何故辞めたいのかを聞き出し、企業にフィードバックし環境改善の助けをするサービスだそうだ。

確かに社員が辞めると言ったら会社は辞めさせざるを得ないのだ、そこに外部組織が関わって執拗な引き止めを行えば「ロウキ」という、さらにわかりやすい組織が入って来ることになる。

辞める奴のことは仕方ないが、ただでは辞めさせず、何故辞めるのかを詳らかにし今後に生かした方がいいだろう。

それに、社員と企業の関係も辞めるか辞められるかの二択ではなく「改善があれば残ってもいい」という場合もあるし、むしろ「隣のワキガを2席離してくれるだけでいい」など、理由が1点しかない場合もある。

そういう、会社側の対応によっては残っていいという社員を引き止めるのには有効かもしれない。

一見真逆の退職代行と退職引き止めだが「社員と企業の間に入る」という意味では同じである。

退職代行については「自分のことぐらい自分で直接伝えろ」という批判も今も多いが、逆に「第三者」が介入することが問題解決の近道、という考えが浸透してきたと言える。

直接はっきり伝えろと言われても、辞意を伝えるとしたら相手は上司や経営者など自分より上の立場の人間になる、伝える側と伝えられる側のパワーバランスに偏りがあれば、言いたいことも言えないポイズンが発生するのは当然である。

結局、辞める側は本当のことは言わないし、辞められた方も何が原因かがわからず、後の改善にもつながらない、間に直接関係ない奴が挟まった方が、話も早いし予後も良い。

それに、机に辞表、もしくはジャックナイフを忍ばせることで、安心して仕事ができるという人間もいる。

いざとなったら間に入ってくれる第三者がいるというのは心強いことであり、むしろ退職代行という切り札が現れたことにより、もう少し続けてみようと思い直した者もいるかもしれない。

このような「精神安定剤」になれるようなサービスはどんどん増えていくべきだろう。

ちなみに反町隆史の「ポイズン」は一生一緒にいてくれやの3年前に生み出されている。

この曲のおかげで我々は「言いたいことも言えない」という辛い状況になった時「ポイズンじゃん」と思うことで少し気が楽になっているのだ。

若人は中高年が「ポイズン」と不可解なことを言い出しても、それは気を落ち着かせようとしている行動なので気にしないで欲しい、刺激すると吠えられたり噛みつかれたりする恐れがある。