年末である。ぐうたら主婦にとって憂鬱な季節がやってきた。おせち作りに正月飾り、雑煮のだし取りなど、やっておかなければならないことが次から次へと降ってくるのだ。今年は飾りやおせち、だし取りは忙しいので省略だ(去年も省いていたような……)。いいのである。やらなくても何とかなるものはパスするに限る。でも、中にはどうしても省けないものがある。

それは掃除である。今、打ち込んでいるキーボードは一年間の汚れを溜めまくって、キーとキーの間にはほこりがチラホラ見えるまでになった。プリンター、本棚、小物入れ。ほこりたちが「今年はいつになったら掃除を始めるのかね~」、などと言いたげに積もっている。しかし、何かと忙しい年末。掃除に時間をかけている暇はない。 できるだけ時間をかけずに掃除を済ませたいのなら、一度にたくさんのゴミを吸う掃除機が望ましい。性能が高いものなら、効率よく短時間でゴミを吸い取ってくれるはず。そこで、ゴミを取り除く性能である「ゴミ集じん率」が一番高いサイクロン掃除機はどこのメーカーのものなのだろうか、と探してみた。

ゴミ集じん率を基準にすると、ダイソンが一番のようである。独立第三者機関が2008年3月に実施した実験結果によると、大手5メーカーの掃除機を国際規格にのっとってチェックしたところ、もっともゴミ集じん率が高かったのはダイソンだったという(※「DC22」の場合)。少なくともデータでみると、ダイソンの掃除機はよくゴミを吸うようだ。

DC16 モーターヘッド 充電中

スイッチは矢印の部分

今回は、中でもハンディクリーナー「DC16 モーターヘッド」を使用してみた。スイッチは握り手の部分についている。まるで機関銃の引き金のようだ。軽くスイッチを握ると、勢いよくゴミが消えていく。パワーが強いので、ノズルの周辺にあるゴミがスルスルと掃除機に引き寄せられ、やがて吸い込まれていく。気持ちいいこと、この上ない。

吸い取るパワーは驚異的

年末は普段掃除しないところをキレイにする年に一度の機会だ。とはいえ、掃除に時間をかけたくない。それならば、キーボードや窓のサン、FAXのテンキー部分など、掃除する場所をどこにするか決めて、集中してキレイにするべきである。最小限に的を絞るといえば聞こえはいいが、要するに手抜きである。いつものことながら、申し訳ない。

とくに、ぐうたら家では窓際にお化粧用のドレッサーを置いている部屋がある。ドレッサーが邪魔で奥にある窓のサンは掃除がしづらいのである。年末の掃除ポイントとして、このドレッサー裏の窓枠は外せない。掃除がしづらい場所に便利なのがコードレスのハンディクリーナー。小回りがきくだけでなく、出し入れがラクなのがいい。コンセントを繋ぐ必要もないので便利である。

一回の充電は専用の充電器に取り付けて3時間。充電が終了すると、赤いランプが緑色になって知らせてくれる。一回の充電で約6分間使える。サッと取り出して、サッサッサッと掃除を終わらせたい人に適している。 年末の大掃除は一度に何時間もかけてやる必要はない。空いた時間を見つけて、大晦日まで少しずつきれいにしていけばいいのだ。今日はキーボード、明日は窓、といった具合に。掃除に時間を取られたくない人は、DC16 モーターヘッドで「一日6分掃除」を課題にするといいのではないだろうか。

隙間ノズル(上)、モーターヘッド(左)、コンビネーションノズル

キーボードの掃除もパワフル

ダイソンの魅力は先端に取り付けるノズル(ヘッド)にある。DC16 モーターヘッドには3種類の付属ツールが付いているので、これらを上手に使い分けたい。窓のサンやキーボードにはコンビネーションノズルが適している。ノズルの先にブラシがついており、キーボードにあてると、キーの間にあるほこりが掻き出されるように消えていく。コートなどの衣類のほこりを取りたいなら、ボタンを押してブラシ部分を引っ込めて使う。どこに掃除機をあてるかによって、ブラシを使い分けるのも楽しいものである。

たんすや家具の隙間など、手の届かないところをきれいにしたいのなら、隙間ノズルは先が細くなっているので便利だ。掃除機の吸引力が強いので、床の隅のほうのチリまで吸い寄せられるようにきれいになっていく。

ゴミ捨てもラクラク

何より驚きなのは、モーターヘッドである。ふとんやベッド、クッションの奥に潜んだほこりまで吸い込むという。ペットを飼っている家では、ペットの抜け毛は悩みの種だ。猫の毛も犬の毛も、そして人間の髪の毛もしっかり取り除ける。

ハンディタイプではない通常の掃除機のほうには、家具の隙間にもクネクネ入っていく隙間用のノズルやブラインドを一枚ずつきれいにするのに適したノズルなど、種類も豊富になっている。通常のダイソンの掃除機をお持ちの方は、そちらのノズルも使えたらいいのに……と、思うだろう。実は、DC16 モーターヘッドにはアダプターが付いていて、通常の掃除機のノズル(一部)も使えるようになっている。

ボタンを押してブラシ部分をスライドさせるとブラシとして使える

透明なのでゴミの量が一目瞭然

サイクロン式の掃除機なので、ゴミ捨てはボタン一つで終了。ゴミがたまるクリアビンにMAXマークがついている。線のところまでゴミがたまる前に捨てればいい。もちろん、ゴミパックを購入する必要もない。

価格は決して安いとはいえない。マイコミジャーナルの価格情報でDC16 モーターヘッドが、26,680円~44,570円。モーターヘッドが付いていない「DC16 ルート6」は23,100円~36,800円。安くはないが、性能は申し分なし。その上、ダイソンのアフターサービスには定評がある。メーカー保証は2年。しかも、修理が必要なとき、回収から修理後の返却まで、72時間以内にできるように努めているという。アフターサービスも商品品質の一部。安心して使えるところもダイソンの魅力である。

イラスト:YO-CO