メルセデス・ベンツが新型車「G580 with EQ Technology Edition 1」を日本で発売した。高いオフロード性能を誇る「Gクラス」で初となる電気自動車(EV)だ。価格は2,635万円、納車開始は2024年11月を予定している。GクラスはEV化してどう変わったのか。発表会を取材してきた。
デザインは踏襲、性能はどうなった?
「Gクラス」は1979年に初代が誕生したメルセデス・ベンツの本格オフローダー。G580はGクラスの伝統的デザインを踏襲しつつ、EVとしての最新技術とオフロード車としての走破性を兼備したクルマに仕上がっている。
10月23日のプレス発表会に登壇したゲルディンガー剛氏はG580の乗り心地について、「ノイズや振動を抑えた日常走行の快適性とオフロード性能を両立し、電気自動車の新しい可能性を感じられた」とコメントした。
最大の特徴は、EVでありながら従来のエンジン搭載モデルに劣らないオフロードにおける走破性だ。最大渡河深度は850mmに達する。
3つの新機能を搭載!
荒野とオンロードをどちらも安定して走行可能にするために、G580は3つの新機能を搭載している。
1つ目は「G-TURN」だ。障害物や行き止まりの多い未舗装の地でも、最大2回転まで車体を回転させることにより、方向を転換してその場から抜け出せる。
2つ目は「G-STEERING」。各車輪についた独立モーターの動きを制御することにより、後輪軸を中心に旋回できる機能だ。この機能を使えば、タイトなコーナーでもステアリングを切り返すことなく曲がることができる。
3つ目は「オフロードクロール機能」。オフロード走行用の低速クルーズコントロール機能で、ドライバーはブレーキやアクセルを操作しなくても済むため、ステアリングに集中できる。
Gクラス特有のラダーフレーム(はしご状のプラットフォーム)は、700kg超の重さになるリチウムイオンバッテリーを組み込むため、G580専用に再強化したものを使用している。
バッテリー容量は116kWh。一充電で530㎞(WLTCモード)を走行可能だ。発表会では「エンジンではなく電気バッテリーで駆動するため、実際の走行時にはGクラスにふさわしいエンジンサウンドも再現している」というこだわりも語られた。
「G580 with EQ Technology Edition 1」は10月23日に受注を開始。配車時期は11月を予定している。