前回、自宅にてフィルムのデジタル化を成功させた私が考えたのは、もっと本格的なフィルムスキャナーはないの? ということ。昔ニコンから出されていた「COOLSCAN」のような高性能なスキャナーは今はないのだろうか(ニコンはすでに製造を中止してしまったようだが)。

本格的なスキャンは「PLUSTEK」シリーズという手がある

ところが、2月に横浜で開かれたカメラショー「CP+」をぶらぶら回っていたところ、あったんです。浅沼商会のブースに35mmフィルムスキャナーが!

話を聞いてみると、同社ではパソコンを使わずに35mmフィルムがスキャンできる「コンパクトフィルムスキャン」を発売しており、さらに本格的にスキャンしたい人向けに、「PLUSTEK」シリーズを用意。35mmフィルム用のスキャナーとして「OpticFilm 7400」「OpticFilm 7600 I AI」を発売しているとのこと。ブースには、ブローニー用(6×9まで対応)のフィルムスキャナーまでが参考出品されており、意気込みを感じる。

「OpticFilm 7400」。パッケージは大きいが、実際のボディは意外と大きくない

そこで、35mmフィルム用のスキャナーのうち「OpticFilm 7400」をお借りして、試してみた。このスキャナーは光学解像度7200dpiに対応し、ソフトウェアによる「ほこり、ごみ、キズ」を検知・除去するというのがウリ。価格はオープンで、同社のオンラインショッップ「アサヌマネットショップ」だと34,800円。

レビュー用に送られてきたパッケージを見て、「大きい!」と思ったが、箱を開けて本体を取り出してみたところ、意外とコンパクト。スキャナーということで、パッケージは頑丈に作られているようだ。

付属ソフト。図はMac OS X。トーンカーブやヒストグラムを操作しながら、細かくスキャンできる

対応OSは、Windows 2000/XP/Vista/7とMac OS 10.3.9 以上。説明書は、各国語に対応した折りたたみの説明書。どうやらヨーロッパ諸国にも輸出されているようで、ロシア語はもちろん、ポーランド語の説明もされている。そのほかソフトの説明書もある。ただし、マニュアルとしては少しわかりにくいかも。

取り込んだ画像。TIFFで取り込み、ここからPhotoshopなどで細かくレタッチしていくこともできる

さて、試してみたところ、読み取りスピードも速く、取り込んだ画像も満足がいくもの。付属ソフト「Silverfast SE Plus」は英語だが、なんとかわかる。まず、ポジかネガかを選び、プレスキャン。OKだったら、スキャンを行う。トーンカーブやヒストグラムも指定できるので、明るさやコントラストを細かく設定しながらスキャンができるのがよい。 

古いポジもこんなふうに取り込めた。写真は、ヘール・ボップ彗星。1997年4月に撮った写真

35mmフィルムのスキャナーとして、使い勝手がいいので、大量に35mmフィルムをスキャンしたい人は購入の選択肢にいれてもよいと思う。

フィルムで撮った写真をデジタルデータにしておくと、世界が広がる。みなさんもいろいろな方法で、デジタル化しておきましょう。

『フィルムカメラの撮り方 きほんBOOK』

フィルムで撮る楽しみをクローズアップした本。特に、著者のふんわりやさしく撮るテクニックは真似したいものばかり。「コダック プロフェッショナル ポートラ NC」の作例が満載なので、フィルムカメラ女子必携の本ともいえる。フィルム写真にこだわりをもつ男性にもぜひ読んでほしい。
山本まりこ著、毎日コミュニケーションズ・デジカル編集