6月13日、14日、『鉄拳7』のeスポーツ大会「TOPANGA LEAGUE × TEKKEN7(TOPANGAリーグ鉄拳7)」の決勝リーグが開催されました。コロナ禍でeスポーツイベントが軒並み中止、延期に追いやられるなか、この大会は、予選をオンラインで行い、緊急事態宣言解除後にオフライン決勝を開催しました。また、私事ながらこの大会が緊急事態宣言以降初の取材。少しずつ日常を取り戻せつつある気がしました。
最後の直接対決まで全勝が続いた2人、勝負の行方は?
「TOPANGAリーグ鉄拳7」に参加したのは総勢128名の選手。まずは、5月9日の1次オンライン予選で16人にしぼられ、5月23日、24日に行われた2次オンライン予選で、オフライン決勝に進出する6人が決まりました。決勝リーグに残ったのは、AO選手、チクリン選手、Ranchu選手、弦選手、タケ。選手、じょうたろう。選手の6名です。
決勝リーグは総当たり戦。1試合3ラウンド、7勝勝ち抜けの長丁場で行われます。TOPANGAリーグではお馴染みのルールですが、『鉄拳7』では長丁場の試合はほとんど行われていないので、出場選手にとっては未知の領域と言えるのではないでしょうか。
しかも、6勝6敗になった場合、デュース制となり、2連勝したプレイヤーが勝利。ただし、9勝9敗までもつれ込んだ場合は、先に10勝したプレイヤーが勝利になります。つまり最低7試合、最大19試合行うことになり、集中力の維持が必要になるわけです。
試合は、初日にAO選手と弦選手が全勝を決め、一歩リード。2人とも予選リーグをトップ通過した選手であり、調子の良さを維持しています。特にAO選手はラウンドを落とした数も少なく、勝敗差のポイントを大きくリードして折り返しました。
2日目もAO選手と弦選手の快進撃は続きました。最終戦の直接対決までどちらも全勝。優勝の行方は2人に絞られます。そして迎えた最後の直接対決。若干19歳の弦選手がAO選手を倒し、優勝を決めました。
弦選手は緊急事態宣言前に行われた鉄拳日韓戦でも、韓国のエースKnee選手を2度も破り、日本チームの勝利に大きく貢献しています。現時点でもっとも勢いに乗っている選手といえるでしょう。
年齢は19歳と鉄拳プロ選手のなかで最年少でありながら、プレイ歴は小学生からとベテラン選手並みのキャリア。14歳のときに、アメリカで行われる格闘ゲームイベント「EVO2014」で準優勝するなど、すでに大きな実績も残しています。
大学受験のため、1年間の活動を休止していましたが、復帰直後にこの活躍ぶり。まるで、将棋界の藤井聡太7段を彷彿させる実績に今後の活躍も期待できる選手です。しばらくは、弦選手を中心に鉄拳シーンは動いていく予感さえ漂わせる、そんな大会だと感じました。
久々に感じたオフラインならではの熱量
eスポーツはオンラインの対応がしやすいため、リアルスポーツの試合やライブなどのイベントと比べてコロナウイルス感染症の影響は受けにくいでしょう。しかし、それでもオフラインで開催することに意味があると思います。実際、久々のオフライン大会で、選手同士が向き合って戦う姿から独特の緊張感や熱量を感じることができました。
大会終了後の挨拶で、バンダイナムコゲームスの安田イースポーツ氏が、夏もしくは夏の終わりごろにまた鉄拳7の大会を開くと話していました。2020年は「TEKKEN World Tour 2020」が実質中止になってしまいましたので、夏のイベントの開催は選手にとっても、ファンにとってもうれしいニュースではないでしょうか。
運営担当のTOPANGAの豊田氏も、「次の大会では海外勢も参加できるようにしたい」と発言していました。コロナウイルスの状況次第だと思いますが、せっかく鉄拳が各国で盛り上がりをみせ、国別対抗ができるほどの実力を持った国が出てきている矢先のコロナ禍だったので、一刻も早く実現してほしいところです。