2020年2月29日、バンダイナムコ未来研究所にて「鉄拳7日韓対抗戦2020」が開催されました。新型コロナの影響により、今回は残念ながら無観客試合。当日予選も廃止になってしまいました。

本来であれば日本勢12名、韓国勢12名での対戦でしたが、韓国勢のJDCR選手とKkokkoma選手の2名が参加を辞退したため、10対10での対戦となりました。

新型肺炎の影響で急きょレギュレーションを変更して開催

日韓対抗戦の試合形式は、まず「ライフ獲得戦」から。それぞれの国の代表選手が、A~Dの4つのグループに抽選で振り分けられ、3on3の星取戦を行います。今回は、参加人数が減ったため、グループBのみ1on1の対戦に変更されました。

試合はBo1(1勝で勝ち抜け)で行われ、それぞれのグループで2勝したほうがライフを獲得。グループ戦が終わったのち、勝利した選手が抽選で追加ライフを獲得するチャンスを得ます。

ライフ争奪戦のあとは、勝ち抜き戦を実施。これもBo1での対戦です。先に相手チームのライフをゼロにしたチームの勝利。ライフ争奪戦により、追加ライフを獲得した選手は1度負けても、もう1度出場するチャンスがありますが、それ以外の選手は、1度でも負けてしまうと退場です。

  • 画像では12on12となっていますが、JDCR選手とKkokkoma選手が参加自体のため、10on10の対戦になりました

  • ライフ獲得戦で追加ライフを獲得した選手のみ、1回負けても再挑戦できる権利があり、すべてのライフをゼロにしたチームの勝利

日本チームは、韓国チームの人数に合わせるべく、プロ選手14名で選抜戦を実施。結果、ペコス選手、破壊王選手、じょうたろう選手、用心BΩY選手の4名が漏れることになりました。ライフ争奪戦の結果、日本チーム13ライフ、韓国チーム11ライフで、勝ち抜き戦へと突入します。

  • 日本選抜予選で14名の日本人プロ選手から10名に絞りました

  • グループAで追加ライフを獲得したノビ選手

  • 韓国チームで唯一、追加ライフを獲得したRanchu選手

勝ち抜き戦では、日本チームが追加ライフを得た選手から登場させる王道の戦略を採用。韓国チームは1人めが追加ライフを得てないSAINT選手だったものの、2人めで追加ライフのあるRangchu選手を出場させました。

Ranchu選手が2人抜きして韓国勢はライフ数を一気に縮めたものの、最後の追加ライフ保持者である弦選手に止められます。その勢いで、弦選手は快進撃を開始。韓国トップ3の1人であるLowHigh選手、韓国No.1仁使いのCBM選手、そして再びKNEE選手、Rest選手、JeonDDing選手を相手に6人抜きを達成します。7人めのCHANEL選手にフルラウンドの末に敗北しますが、八面六臂の活躍を見せました。そのあとは一進一退の攻防を繰り広げますが、6人抜きの影響が大きく、ライフ8を残して日本チームが勝利しました。

  • グループBでは韓国No.1のKNEE選手を破り、勝ち抜き戦では6連勝と大活躍の弦選手

  • 2019年のTWTのポイントランキング1位のKNEE選手

  • 韓国3強の一角、LowHigh選手

2019年は、強力なパキスタン旋風に対し、韓国勢と日本勢が協力して対策を練っていましたが、今回の日韓戦を見て感じたのは、やはりこの2カ国は『鉄拳7』にとって最大のライバルだということ。Bo1だったためか、日本チームの圧勝でしたが、今後も両国は『鉄拳7』を盛り上げてくれそうです。

もちろん、パキスタン勢もさらなる巻き返しをはかってくることが予想されますし、グローバル的にはほかの国や地域の選手が台頭してくるでしょう。数少ないeスポーツ国産タイトルなだけに、今後の発展にも期待したいところです。

華やかな香りで会場を包むロートとデジタルハーツの取り組みも

ちなみに、今回の大会は、ロート製薬とデジタルハーツが全面サポート。会場の香りのデザインや、選手の体をケアするための整体を行うなど、新たな試みも実施されました。実際に会場に足を踏み入れると、フローラルな香りが漂っており、選手の緊張緩和にもひと役買ったのではないでしょうか。

また、ロート製薬公式VTuberの根羽清ココロさんが、試合の合間に流れる解説動画で取り組みの説明を行っていました。

  • ロート製薬公式VTuberである根羽清ココロさん。デジタルハーツ所属のプロゲーマーみぃみ選手の弟子として、鉄拳勉強中とのことです

  • 会場には整体師も待機しており、試合の合間に選手が施術を受けていました

今回の会場となったバンダイナムコ未来研究所のミーティングルームは、収容人数がそこまで多くないのですが、それでも無観客試合はさびしいもの。新型コロナウイルスの早期収束とeスポーツ観戦の解禁を願っています。

  • 会場は関係者と選手、取材陣しかおらず、ガランとしていました

鉄拳プロチャンピオンシップ 日韓対抗戦の本選