2025年4月27日、サードウェーブは人気プロゲーマー&ストリーマーによるトークショー「E5 Talk Live Series」第1弾「格ゲー俺のNo.1」を開催しました。

今回はタイトルに“格ゲー”とあるように、対戦格闘ゲームを主戦場とするときど選手、マゴ選手、ガチくん選手、ハイタニさん、こく兄さんの5人の出演者にMCのふり~ださんを加えて「格ゲートーク」が繰り広げられます。

有楽町朝日ホールでオフラインイベントとして開催されると同時に、配信サービス「ZAIKO」にて有料配信も行われました。ZAIKOの配信は5月11日までアーカイブが残っているので、イベントが気になる人はぜひ、ZAIKOをチェックしてみてください。

  • 格ゲー俺のNo.1

    「格ゲー俺のNo.1」に登壇したプロゲーマーとストリーマーの面々

イベントは2部構成。1部はアンケートや質問に回答するトークコーナーとクイズがメインで、2部はトークコーナーとミニゲームでの対戦が行われていました。今回は第一部を現地で、第二部を配信で視聴しました。

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    第1部で行われたプログラム。第2部は「格ゲー知識No.1決定戦」が「格ゲー力No.1決定戦」に変わります

第一部のNo.1トークバトル ROUND1では、「No.1 格闘ゲーム」「No.1 キャラクター」「No.1 ゲームシステム」「格闘ゲーマーとして大事な事 No.1」の4つのトークテーマが提示されました。

それぞれ、思い入れのあるNo.1をアピールします。『ストリートファイター6』から格闘ゲームに興味を持った来場者は、20年以上格ゲーキャリアがある出演者が歩んできたタイトルをあまり知らないのではないでしょうか。

出演者の中ではひと世代下のガチくん選手が知らない内容は、会場の人にもわからない可能性があります。そういった意味では、ガチくん選手の反応が、若い視聴者、観客の反応に近いのかもしれません。

そこは出演者も重々わかっており、No.1に選ばれたタイトルやキャラクターがどういったものかを丁寧に説明していました。むしろ、丁寧すぎる説明と周りの人たちの補足から話が膨らみ、いつまでも会話が続きます。

とはいえ、トップクラスのトークスキルを持つ格ゲーマーが出演していたこともあり、ただ話を聞いているだけで興味深く、過去に体験や嗜好が垣間見られたのは、ファンにとって十分に楽しめたのではないでしょうか。

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    格ゲーの猛者をまとめるのは、ふり~ださん

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    今回登壇したプロゲーマーの中では若手に属するガチくん選手

全員口をそろえていたのが、アーケード時代は1年程度で新しいタイトルがリリースされ、否が応でも次のナンバリングに移行せざるを得ないこと、好きだったタイトルが面白くなくなることもあり、今とは違う状況であることがわかります。

また、おそらく当時のゲームをプレイしていただけでなく、強豪プレイヤーを知っていないとわからないであろう、T,Jさんというプレイヤーの話題で盛り上がり、さすがにこれはついていけない人がほとんどでした。

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    No.1と言いながらも、複数回答してしまうハイタニさん。ほかの出演者から総ツッコミを受けていました

個人的に意外だったのが、ガチくん選手とときど選手のNo.1キャラクター。ガチくん選手は『ストIV』時代のサブキャラとして使っていた「ロレント」を、ときど選手は代名詞と言える「豪鬼」ではなく、「ケン」を選択しました。

そのほか、No.1ゲームシステムは、3人がドライブゲージと回答(ハイタニさんの複数回答が含まれますが)『スト6』がこれまでの対戦格闘ゲームの集大成と言えるのは、やはりドライブシステムを中心とする完成されたシステムを導入してあるからこそなのだろうと改めて感じました。

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    No.1キャラクターにケンを選んだときど選手

格ゲー知識No.1決定戦では、ストリートファイター6問題、格ゲー用語問題、No.1キャラクター問題の3つのカテゴリーの問題を用意。フリップを使った書き回答で行いました。

「ジュリがノーダメージ勝利をすると、あるキャラのあるモノマネをします。それは何?」という問題に対して、出演者の中で唯一ジュリをメインキャラとするマゴ選手が間違う波乱もありましたが、あまりにも真剣にクイズに取り組み、ガチ回答の連続に、「遊びが少ない」と、ふり~ださんからの指摘が入ります。

そこで、最後にときど選手の提案によりガチくん選手の新しい二つ名を考える大喜利が行われました。これも意外と真面目に考えられており、格ゲーマーは真面目ぞろいということが露呈されたことでしょう。

最後に行われたのが、ファンが聞きたい!No.1トークバトル。事前に募集したアンケートに回答します。

印象に残った自分の試合という質問には、ときど選手とマゴ選手、ハイタニ選手は自分が敗北した試合を選んでいたのが印象的でした。数々の優勝をしてきても、しっかりと準備し、自信も付けた状態での敗北は忘れられないようです。

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    ジュリのパーフェクト勝利の演出問題に不正解だった、マゴ選手とこく兄さん

第2部では、「No.1トークバトル ROUND2」「格ゲー力No.1決定戦」「ファンが聞きたいトークバトル」を展開。トークバトルでは、No.1の技、格ゲーで気持ちいい瞬間 No.1、No.1女性キャラクター、出演者が話したいNo.1テーマの4つのテーマでトークが繰り広げられました。

どのテーマも盛り上がりましたが、「出演者が話したいNo.1テーマ」でときど選手が提示した「格ゲー界にどう貢献していくか?」は、イベント内でもっとも真剣に話し合われたトークとなり、出演者のみならず、格ゲー界全体、もしくはeスポーツ界全体で考えさせられるものだったのではないでしょうか。

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    豊富な知識と語り口でトークを牽引したマゴ選手

第二部のみのコーナーである格ゲー力No.1決定戦の1回戦めは連打力の高さを競いました。格ゲーに連打力はあまり必要ないですが、やはり古からゲーム力を推し量るにはやはり連打力でしょう。

ちなみに連打でお馴染みの高橋名人の記録は10秒間で174回。この記録にいかに近づけるか、追い越せるかが注目です。優勝したのはこく兄の183回。ただ、高橋名人は純粋にボタン連打ですが、登壇者すべてボタンこすりでの記録だったということを補足しておきます。

読み合い力では、カードゲーム「ito」を使用。決められたテーマに対して、配られたカードの数値順に回答を出し、弱い順に並べることができるかという協力系ゲームです。テーマが格ゲーに限定していたため、それぞれの経験や知識の違いから数字をイメージしにくく、2回行いましたが一度も成功しませんでした。

運命力のコーナーは運試しで勝負。誰が苦いお茶を飲むかの勝負。2/5で苦いお茶が用意されており、苦いお茶を飲んだハイタニさんとガチくん選手が決勝進出です。

決勝は風船ロシアンルーレット。6発中1発が風船を割る針が飛び出るのですが、1回めの挑戦でハイタニさんが割ってしまうという想定外の展開で微妙な空気が流れていました。

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    ときにはガヤとして、時にはツッコミとして場を和ましていたこく兄さん

昨今は、ストリーマーやプロゲーマーを集めてゲーム大会を行うイベントが増えてきましたが、トークを中心としたイベントはほぼ初ではないでしょうか。東京ゲームショウなどでブースイベントとして開催することはあっても、有料イベントとして行うのは稀だと思います。

プロスポーツ選手のオフシーズンに同様のイベントが行われ得ることはありますが、eスポーツ界隈、ゲーム界隈でもそれに似たイベントが行われるようになったことは、ある意味、快挙なのかもしれません。

それだけeスポーツプレイヤーやeスポーツに関するストリーマーの存在の世の中に浸透してきたという実感を得ました。「E5 Talk Live Series」は、4月から6月まで3カ月連続で開催する予定で、6月15日に第2回として、ボドカさん、rionさん、まざー3さん、oboさん、恭一郎さんのストリーマーによるイベント「感情を失った男達」の実施が決まっています。会場は科学技術館サイエンスホール。気になった人はぜひ、開場に足を運ぶか、Zaikoの配信を観てみてください。