KDDI、ナビタイムジャパン、au損保が「自転車安全・安心プロジェクト」第2弾をスタートした。

2017年9月の第1弾に続くもので、この春4月1日から自転車利用に保険加入が義務化される京都府と連携し、「自転車ながらスマホ」の危なっかしさ状態を体感できるVRコンテンツなども用意して、自転車ながらスマホの撲滅、高額賠償への備えに関する意識を高める啓発活動を展開するという。

  • 「『私に限って自転車事故とかありえへん』その考えが,ありえへん」。京都府、京都市による自転車保険義務化告知のポスター

賠償額500万円以上の自転車事故、月イチで発生

京都府の犬井勇司氏(府民生活部、安心・安全まちづくり推進課長)は、この13年間は連続で交通事故が減っていることを明示し、それは自転車事故も同様であるとする。ただ、それらの交通事故のうち約2割を自転車事故が占め続けており、これはつまるところ、保険のない自転車事故がそれだけあるということを意味すると解説する。

自転車事故の相手は自動車、原付、歩行者の順で、ほぼ半分が出会い頭の事故だという。一般に事故の25%とされる出会い頭の事故が、自転車では半分というのは、自転車側に責任のある事故が増えてきていることを意味する。さらには、自転車と歩行者の事故の割合も増えてきている中で、その当事者の半分以上が30歳未満と若年層に集中しているそうだ。そこをきちんと啓発しなければならないと犬井氏はいう。

au損保の田中尚氏(営業企画室長)によれば、同社の場合、賠償額500万円以上の自転車事故は月に1件のペースで起きていて、過去最高の賠償額はは8,000万円に達しているそうだ。賠償事故の受付件数も2014年から倍増しているという。

  • プロジェクトのスタートを宣言する関係者。京都府のゆるキャラ「あゆまろ」も登壇した

「自転車ながらスマホ」の危険をVRで実感

発表会には、KDDIと共に「自転車ながらスマホ」の危険度を計測することを監修した愛知工科大学の小塚一宏氏(名誉・特任教授)が出席した。人間の視線で危険性を計測する研究活動を続けている研究者として、今回KDDIが制作したVRコンテンツ「自転車ながらスマホ」で、視野や反応速度の違いによって危険度が上がることを体感できる内容を監修した。

京都府庁で行われた実験に参加、今回のデモンストレーションにも登場した京都女子大学の富成朋美さん(UNN関西学生報道連盟)は「ながらスマホの危険性がよくわかった。ふたつの比較でながらスマホの危険を理解した。反応速度の違いを数値で比較できるのでよくわかる」とコメントする。

KDDIでは、au 公式Twitterアカウントの「自転車安全・安心プロジェクト」対象ツイートをリツイートすると1,000名にローソンのプレミアムロールケーキがもらえる「STOP! 自転車ながらスマホキャンペーン」を実施する。とにかく一人でも多くにその危険性を知って欲しいとKDDI株式会社の鳥光健太郎氏(CSR・環境推進室長)は訴える。

  • VR体験をデモした京都女子大学の富成朋美さん(UNN関西学生報道連盟)

文字サイズの拡大も効果的では

「ながらスマホ」が危険なのは、何も自転車を運転しているときだけではない。各鉄道会社なども歩きスマホの撲滅に向けてさまざまな活動を行っている。かといって街角で地図を見ながら目的地に向かうといったときには、どうしても歩きスマホをしたいというのが本音ではないか。

歩きスマホ、ながらスマホをしてしまうユーザーは、ある種の後ろめたさを感じながらも、つい……という気持ちなのだろう。だが、それで支払いきれないほどの負債を抱えてしまうのでは元も子もない。賠償額を払えるかどうかも大事だが、何よりも人を傷つけてしまうということが起こらないようするのが先であることを絶対的な前提とした方が良い。そして万が一のことが起こった場合に備えて、きちんと保険には加入しておくことの大切さを訴えるのがスマートフォンを売る立場としてのKDDIの考えだ。

個人的には、危険防止のためにもスマホの文字サイズをもうちょっと大きくできていいんじゃないかとも思う。文字が小さければ画面を凝視しなければならないが、大きな文字で表示できれば少し離れて眺めても内容は理解できる。瞳からスクリーンまでの距離が稼げれば、視野も広くなり、周りの状況を把握しやすくなる。結果としてながらスマホの防止につながるのではないか。そういうアプリの作り方についても考えてほしいものだ。特に、デザイン優先のiOSアプリについてはダイナミックタイプへの対応をもっと積極的に進めるなど、本当の意味での(文字サイズを)選べる自由が欲しいと思う。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)