DAWソフトウェアがあれば、誰もが簡単に曲作りを行うことができます。しかし、曲を作っていくと誰もが経験するのが、急に音が出なくなったり、再生中にノイズが乗ったりするというトラブル。コンピュータを使うDAWでは、多機能なゆえにDAWソフトウェアの設定なのか、それともハードウェアの問題なのか…とトラブルの原因を調べるだけでも一苦労。楽しいはずの曲作りでストレスを感じたり、解決までに時間を取られたりと、曲作りに集中することができなくなってしまいます。

そこで、今回から3回に分けてAppleのソフトウェア「Logic Pro X」「GarageBand 10」で、オーディオ・インタフェースにRolandの「QUAD-CAPTURE」「MIDIキーボード・コントローラーA-PROシリーズ」を使った場合の、よくあるトラブルの例と、その解決方法を紹介していきたいと思います。今回は、最も起こりがちなトラブル「音が出ない!」という場合の対処法について見ていきましょう。

※OS X 10.9環境でのLogic Pro X、GarageBand 10で解説していますが、10.9以前のOSや以前のバージョンのアプリケーションでも同じ操作で設定できます。

Rolandの製品はMacやLogic/GarageBandとの相性もバツグンです

※パソコンにはじめてオーディオ・インタフェースやMIDIキーボード・コントローラーを接続した場合、USBケーブルでつなぐだけでは使用することができません。「ドライバ」という、機器をパソコンに認識させるソフトウェアをインストールする必要があります。ドライバのインストール方法は、製品のマニュアルでチェックしてくださいね!

Check.1:DAWソフトの音量を確認しよう!

まずはDAWソフト側の音量がきちんと出力されているかを確認してみましょう。トラックが「ソロ」や「ミュート」状態になっていないかを確認しましょう。そしてLogicやGarageBandでは、トラックごとの音量(ボリューム)とは別に、その楽曲全体の音量を調整する「マスター音量」が用意されています。トラックのレベル・メーターが振れていても音が出ない場合は、マスター音量が上がっているかをチェックしてみましょう。

また、Logicの場合はマスター音量とは別に、ミキサー内にオーディオ・インタフェースの出力端子が設定された「Output」というマスター・バスが用意されています。ここもレベルが上がっていることを確認しておきましょう。

マスター音量がゼロだとDAWからの音が出力されません

Logicの場合は、ミキサーのOutputもチェック!

Check.2:オーディオ・インタフェースの設定をチェックしよう!

もし、DAWソフトウェア上のレベル・メーターは触れているのに音が聞こえない場合は、LogicやGarageBandがオーディオ・インタフェースを使うように設定されていないことが考えられます。

Logicの場合は「Logic Pro X」メニュー -「環境設定」-「オーディオ」の順でクリックし、「入力デバイス」と「出力デバイス」の項目で、お使いのオーディオ・インタフェースが選択されているか確認しましょう。

Logicのオーディオ・インタフェース設定画面。画面では「QUAD-CAPTURE」が選択されていますが、表示される項目はお使いのモデルによって異なります

GaragaBandの場合は「GarageBand」メニュー -「環境設定」の順にクリックし、「オーディオ/MIDI」タブの「入力デバイス」と「出力デバイス」の項目に、使用したいオーディオ・インタフェースが選択されていることを確認しましょう。

GarageBandのオーディオ・インタフェース設定画面

※設定画面のリストにお使いのオーディオ・インタフェースが表示されていない場合、パソコンと正しく接続されていないことが考えられます。USBケーブルをチェックしたり、ドライバが正常にインストールされているかを確認しましょう。

また、QUAD-CAPTUREのようにUSBバス・パワー(USBケーブルを使ってパソコンから電源を供給する機器)で動作するモデルの場合、USBハブに接続すると動作に必要な電力が足らず、正しく動作しない場合もあります。その場合は、パソコンのUSBポートに直接接続するか、電源供給が可能なUSBハブを使って接続してみてください。

音が出ないというトラブルの多くは、オーディオ・インタフェースが正しくDAWソフトウェアに認識されていないことが原因です。まずは、焦らずに設定を見直してみてくださいね!

次回は再生するとブツブツとノイズが乗ったり、音が遅れてしまう場合の対処法についてご紹介します。