デジカメやiPhoneで撮影した写真の管理は「写真」アプリで満足だけれど、編集機能はなあ……という場合には、アプリの"機能拡張"を検討してみましょう。そう、写真アプリは機能を拡張できるのです。

「写真」アプリの編集機能は拡張できる

macOSの画像編集ソフトといえば「プレビュー」が長らく定番の座にありますが、写真管理アプリには変遷があります。2002年あたりから10年以上「iPhoto」が定番でしたが、2015年から「写真」にバトンタッチされています。かつてはパワーユーザ向け写真管理アプリ「Aperture」も提供されていましたが、同時期に開発が終了されています。サードパーティー製品を使うのならばともかく、多くのMacユーザは付属の「写真」で凌いでいるのではないでしょうか。

クラウド対応や扱いやすさという点において、「写真」はよく考えられたアプリですが、編集機能に関してはiPhotoと大きく変わり映えしない感が否めません。「写真」ではiPhotoになかったフィルタ加工が可能になりましたが、フレーム(デザイン枠)を追加する機能は消えました。

しかし、写真アプリは「機能拡張」に対応しています。ここでいう機能拡張とは、iOS 8/OS X(macOS) Yosemiteで導入された「App Extensions」のことで、内部で他のアプリと連携する形で編集機能を追加する形で機能を増やすことができます。機能拡張に対応するといっても表面上は一般的なアプリと同じで、App Store経由で配布/販売することも可能です。

  • 写真アプリは「機能拡張」に対応しています

機能拡張に対応するアプリを追加するには、ツールバー左端にある「編集」ボタンをクリックして編集画面を表示し、ツールバーの機能拡張ボタン([…])をクリックします。そこで現れた「その他...」を選択すると、Mac App Storeが起動して写真アプリ用機能拡張書類を検索してくれます。ここで、ダウンロード/購入した機能拡張書類が、写真の編集機能として利用できるようになるのです。なお、Mac App Storeの検索欄に「appex:com.apple.photo-editing」と入力すれば、写真アプリから呼び出す形でなくても機能拡張書類を検索できます。

  • 機能拡張ボタンから「その他...」を選択します

  • Mac App Storeから、機能拡張に対応したアプリをダウンロードできます

なお、ダウンロードした(機能拡張に対応する)アプリは、すぐには写真アプリから呼び出すことができません。まずは、FinderやLaunchpadから通常のアプリと同様に起動し、ユーザ登録手続きなど必要な処理を完了してから終了しましょう。その後「写真」アプリを再起動(いちど終了させてからもう一度起動)すると、機能拡張ボタン([…])をクリックしたときに選択肢として表示されるようになるはずです。

  • 機能拡張対応アプリをダウンロードしたあとは、「写真」アプリを再起動します

無償で使える、機能拡張に対応するアプリ

2018年3月現在、Mac App Storeには数十種類の「写真」アプリで使える機能拡張対応アプリが存在します。高度な画像処理を伴うアプリが多く、その大半は有償ですが、無償で入手できるもの(一部機能をアプリ内購入とするものを含む)もいくつかあります。ここでは、無償で使えるアプリを例に、「写真」アプリがどのように変化するかを見てみましょう(注:価格は2018年3月20日時点における情報です。将来、変更される可能性があります)。

写真のデジタルノイズを除去するアプリです。ディテールがやや甘くなる傾向があるため、葉が茂る樹木のような被写体はのっぺりとしてしまいますが、暗い場所で撮影した写真、青空のような単一に近い色調が大部分を占める写真については、かんたんな操作で効果をあげることができます。

  • 写真のデジタルノイズを除去する「Noise Reducer Pro」

アーティスティックなフィルタを数種類収録したアプリです。標準装備のフィルタにもの足りなさを感じている場合に利用するといいでしょう。デフォルトでは15種のフィルタが用意されていますが、ニュースレター購読用のユーザ登録を行うとさらに15種を追加できます。

  • 15種のフィルタを追加できる「Filters for Photos」

WindowsなどいろいろなOS向けに提供されてきたプロ用フォトレタッチアプリです。Mac版でも独立したアプリとして利用できますが、「写真」アプリから呼び出して使うスタイルのほうが、まとまった量の写真をレタッチする用途に適しています。さらに多くの機能にアクセスしたい場合は、アプリ内購入を利用できます。

  • 本格的レタッチソフトの機能を呼び出せる「Polarr Photo Editor」

このアプリを導入すれば、iPhotoで用意されていた"写真の枠"を復活できます。無償で利用できるのは6種類の枠ですが、アプリ内購入でさらに増やすことも可能です。

  • 写真に枠を追加できる「Super Borders」