プレゼンテーション用のドキュメント=PowerPointという読者も多いと思いますが、実はPDFを使ってもプレゼンできることをご存じでしょうか? Adobe ReaderやAcrobatにはPDFを画面全体に表示するフルスクリーンモードという機能があります。この表示モードを使うと、PDFをプレゼンテーションに利用できます。

フルスクリーンモード

Adobe ReaderやAcrobatで、PDFをフルスクリーンモードで表示すると、画面全体にPDFを表示することができます。もちろん、プロジェクターや大画面テレビなどで表示すれば、プレゼンテーションに使うこともできます。 フルスクリーン表示するには、[表示]メニューから[フルスクリーンモード]を選択します。キーボードショートカットはCtrl+Lです。

[表示]メニューから[フルスクリーンモード]を選択する。画面はAdobe Reader X

画面全体にPDFが表示される

フルスクリーンモードでのページ操作は、以下のようになります。

次ページを表示
・マウスボタンをクリック
・Enterキーを押す
・→キーを押す
・↓キーを押す
・PageDownキーを押す

前ページを表示
・マウスの右ボタンをクリック
・Shiftキーを押しながらマウスボタンをクリック
・Shiftキーを押しながらEnterキーを押す
・←キーを押す
・↑キーを押す
・PageUpキーを押す

フルスクリーン表示を終了
・CtrlキーとLキーを押す
・Escキーを押す

ページ切換効果の設定

Acrobatを使えば、フルスクリーンモードでページを切り替える際のアニメーション効果をPDFに設定することもできます。 ツールパネルを表示し(1)、右上のアイコンをクリックして(2)メニューから[文書処理]をクリックして選択します(3)。もし[文書処理]にチェックが付いているなら、選択する必要はありません。

ツールパネルを表示し(1)、右上のアイコンをクリックして(2)、[文書処理]をクリックして選択(3)

ツールパネルの「文書処理」から[ページ効果]をクリックして選択します。

ツールパネルの「文書処理」から[ページ効果]をクリック

「ページ効果」ダイアログボックスが表示されるので、[効果]でページ切換時のアニメーション効果を選択します。選択した効果の種類に応じて、[方向]や[速度]を設定してください。[ページ範囲]では、ページ効果を適用する範囲を設定します。「文書内のすべてのページ」を選択すれば、すべてのページにページ切換効果が適用されます。 設定したら[OK]をクリックします。

[効果]でページ切換時のアニメーション効果を選択する。その他にオプションや切換効果の適用ページを設定して[OK]をクリック

設定したら、実際にフルスクリーンモードで表示して確認してください。

PDFをはじめからフルスクリーンモードで開く

AcrobatでPDFのプロパティの設定を変更すると、PDFをAdobe ReaderやAcrobatで開いた際に、はじめからフルスクリーンモードで表示するようにできます。

[ファイル]メニューから[プロパティ]を選択します。

[ファイル]メニューから[プロパティ]を選択

「文書のプロパティ」ダイアログボックスが表示されるので、「ウィンドウオプション」の[フルスクリーンモードで開く]をチェックします。[OK]をクリックしてダイアログボックスを閉じて、PDFを保存します。これで、次回PDFを開いた時から、フルスクリーンモードで表示されます。

「文書のプロパティ」ダイアログボックスの「ウィンドウオプション」の[フルスクリーンモードで開く]をチェック

PowerPointとの違いは?

インタラクティブ効果はPowerPointが有利

プレゼンテーションといえば、PowerPointを使うことが多いと思います。PowerPointであれば、ページ内のテキストや図形などにアニメーション効果を設定したり、手元のパソコンにプレゼンテーション用の画面を表示したりできるなど、専用ソフトならではの機能が付いています。

対して、Adobe ReaderやAcrobatのフルスクリーンモードでは、前述したようにページを切り替える際の効果設定はできますが、ページ内のオブジェクト単位での効果設定はできません。

近頃は華美なアニメーションを使ったプレゼンは流行っていないようなので、PDFでも十分だと思いますが、インタラクティブな要素をふんだんに使いたいのであればPowerPointを使ったほうがよいでしょう。また、レイアウトの整ったきれいなプレゼン用資料を作るには、専用ソフトのPowerPointを使った方が便利なことが多いかと思います。

アプリケーションを選ばないPDF

しかし、PDFは、プレゼンテーション用の資料を作成するアプリケーションを選ばないという大きな強みもあります。プレゼンテーションで使用する資料の作成元アプリケーションは、WordやExcelなどだけではありません。クリエイター御用達のデザイン系アプリケーションもあれば、CADなどもあります。これらの資料も、PDFになっていれば、AcrobatでPDFを1つのファイルに結合してプレゼン用のPDFに加えることができます。
PowerPointのように、画像データに変換して配置するような作業は必要ありません。

複数のPDFを結合すると、用紙サイズや用紙の向きがまちまちになることもありますが、フルスクリーンモードでは、すべてのページを最大のサイズになるように表示されます。 通常モニタは横長なので、縦書き用に作成されたPDF文書をプレゼンテーションで使用するには、トリミングツールを使って必要な部分だけを横長に切り取ってしまうといいでしょう。

Adobe Readerがあれば再生できるPDF

ご存じの通り、PDFは汎用的な文書ファイルであり、きれいにレイアウトをしたりするためのものではありません。しかし、PDFとAdobe Readerのフルスクリーンモードでプレゼンできるということを知っておくと、助かることもあるはずです。覚えておくとよい機能です。