KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は9月11日、千葉県で9月12日から13日、19日から21日にかけて開催される野外ロックフェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026」において、5Gミリ波をバックホール(中継回線)として活用したキャリアフリーWi-Fiを商用導入すると発表した。au回線・他社回線を問わず利用でき、5Gミリ波対応スマートフォンを持たない来場者でも使えるものとなっている。

  • 5G対応の車載型基地局(左)、飲食エリアにおけるWi-Fi提供(右)

    5G対応の車載型基地局(左)、飲食エリアにおけるWi-Fi提供(右)

大規模な野外フェスでは、短時間に多くの来場者が集中することでデータ通信量が急増し、回線混雑が課題となっている。KDDIとWi2は2026年8月に開催された「コミックマーケット108」で5Gミリ波中継器およびミリ波バックホールWi-Fiを試験導入し、モバイルネットワークの負荷軽減効果を検証。今回のイベントでも「快適に過ごせる通信環境の整備」や「飲食エリアにおけるモバイルオーダー拡大による行列緩和」といったニーズを踏まえ、本ソリューションの商用導入に至ったという。

キャリアフリーWi-Fiは、au回線・他社回線を問わず接続可能で、ミリ波対応スマートフォンを持たない来場者でも高速通信を利用できる点が特徴。仕組みとしては、会場内にミリ波搭載の車載型基地局および5Gミリ波中継器を搭載した車載型基地局を配備し、ミリ波回線をバックホールとして活用。ミリ波電波を通信機器(CPE:Customer Premises Equipment)で受信し、Wi-Fiアクセスポイント(Wi-Fi AP)を介してWi-Fiとして提供する。

  • 本ソリューションの構成

    本ソリューションの構成

利用方法は、SSID「JFES_FREEWi-Fi」を選択してブラウザーを立ち上げ、利用規約を確認したうえで「同意する」を選択するだけとなっている。

KDDIとWi2は、通信が集中する飲食エリアに大容量通信が可能な本ソリューションを導入するほか、会場内各所には引き続きStarlinkを活用した「au StarlinkフェスWi-Fi」を展開し、エリア特性に応じた通信環境を構築する。これにより、飲食エリアにおけるモバイルオーダーの導入規模を従来の1カ所から3カ所へ拡大し、来場者はスマートフォンからスムーズに注文・決済が可能となるほか、出店者のオペレーション効率向上にもつなげる。

また、飲食・休憩エリアなどの混雑エリアでは誰でも快適にインターネットを利用できるフリーWi-Fi環境を提供し、運営本部やスタッフエリアといったバックヤードでも安定した通信環境を確保することで、スタッフ間の連携や業務オペレーションを支援するとしている。

  • イベント会場内の対策予定場所

    イベント会場内の対策予定場所

なお、本イベントにおいてKDDIは車載型基地局を合計4台導入し、いずれも5G(Sub6)および5G SAに対応。昨年の3台から4台へ増強し、すべての基地局にSub6の2つの周波数(3.7GHz帯/4.0GHz帯)に対応した無線装置「Dual Band Massive MIMO Unit(DB-MMU)」を搭載した。従来の単一周波数対応装置と比較し、最大2倍の接続が可能になるという。さらに、車載型基地局4台すべてが5Gミリ波に対応(親局2台、中継器2台)し、通信利用が集中するエリアでも快適な通信環境を提供するとしている。