パナソニックコネクトは、ビジネスモバイルPC「レッツノート」新製品発表会を開催し、2026年春モデルを発表した。

シリーズでおなじみの優れた堅牢性や拡張性、交換できるバッテリーなどの特徴をそのまま受け継ぎつつ、プロセッサにインテルのCore Ultraシリーズ3を採用することで、初のCopilot+ PC準拠を実現。また、従来の「SC」「FC」シリーズに加え、13.3型の「NC」シリーズも新たに追加された。

  • Copilot+ PC対応のレッツノート2026年春モデル

    Copilot+ PC対応のレッツノート2026年春モデル

モバイル性と作業性を両立する13.3型モデル「NC7」を追加

こちらの記事でも紹介しているように、レッツノート2026年春モデルは、12.4型モデル「SC」シリーズ新モデル「SC7」と14型モデル「FC」シリーズ新モデル「FC7」に加えて、新たに13.3型モデル「NC」シリーズの「NC7」が追加された。

SC7は小型軽量でモバイル性能を重視したモデル、FC7は大画面によるデスクワークの作業効率を重視したモデルと、位置付けは従来同様。それに対し新たに追加されたNC7は、小型軽量のモバイル性とSC7より大型の画面による作業効率を両立した、ハイブリッドワークに最適なモデルとして位置付けられている。

現在、コロナ前と比べてオフィスの形は大きく変化し、従業員ごとに固定の場所を設けないフリーアドレス化が進んだ。それによりPCを持ち運んで好きな場所で仕事を行うハイブリッドワークが浸透しており、モバイル性と作業性を両立できる製品を求める声が大きくなってきたことに合わせ、13.3型モデルのNC7を新たに追加したという。

  • SC7はモバイル性重視、FC7は作業性を重視と従来同様の位置付けで、NC7はモバイル性と作業性を両立する新モデルとして追加

    SC7はモバイル性重視、FC7は作業性を重視と従来同様の位置付けで、NC7はモバイル性と作業性を両立する新モデルとして追加

レッツノート SC7/NC7/FC7 フォトレポート

レッツノート SC7

  • レッツノート SC7

    レッツノート SC7

レッツノート FC7

  • レッツノート FC7

    レッツノート FC7

レッツノート NC7

  • レッツノート NC7

    レッツノート NC7

頑丈/軽量/長時間駆動の基本コンセプトを継承

3モデルともにレッツノートの基本コンセプトはしっかりと受け継がれている。

シリーズで最も重視されている頑丈さについては、落下や振動など米国国防総省調達基準「MIL-STD 810H」に準拠する厳しい基準の独自試験を行い、従来同様の優れた堅牢性を実現。そのうえで、本体素材にマグネシウム合金を採用するとともに、ボディのフットプリントの最小化や薄肉化を行いながら、必要な部分には優れた強度を確保する補強を行うことで、堅牢性を失うことなく軽さを追求している。

なお、SC7とFC7の筐体の仕様は従来モデルから変わっておらず、従来同様の堅牢性を確保。新モデルのNC7については、現在筐体を検証中とのことだが、こちらも同様の堅牢性を実現するとのことだ。

  • ボディのフットプリントの最小化や薄肉化を行いながら、必要な部分には優れた強度を確保する補強を行うことで、軽さと堅牢性を両立

    ボディのフットプリントの最小化や薄肉化を行いながら、必要な部分には優れた強度を確保する補強を行うことで、軽さと堅牢性を両立

  • 3モデルとも優れた堅牢性は従来同様で、落下や振動など厳しい独自基準の堅牢性試験をパスしている

    3モデルとも優れた堅牢性は従来同様で、落下や振動など厳しい独自基準の堅牢性試験をパスしている

そして、プロセッサにインテルのCore Ultra シリーズ3の採用と独自の省電力機能により、バッテリ駆動時間はSC7で約17.7時間、FC7で約14.8時間と従来モデルからのさらなる長時間駆動を実現。モバイル性能もさらに高められている。

  • Core Ultra シリーズ3の採用と独自の省電力機能により、従来モデルからのさらなる長時間駆動を実現

    Core Ultra シリーズ3の採用と独自の省電力機能により、従来モデルからのさらなる長時間駆動を実現

ところで、SC7、FC7は企業向け、個人向けともに4月より発売予定だが、NC7は2026年秋に企業向けのみの発売予定となっている。NC7の個人向けへの投入は、今後の市場動向や顧客の声を参考にしつつ検討したいとのことだ。

液晶以外は同じ部品を採用、完全な互換性を確保

2025年モデルのSC6とFC6では、頑丈、軽量、長時間というそれまでのレッツノートシリーズのコンセプトを受け継ぎながら、「互換性」という新たな設計思想を取り入れたことが大きな特徴だった。

SC6とFC6では、液晶や筐体以外のハードウェアを共通化することで、デバイスドライバやファームウェアの共通化を実現。これにより、導入時の動作検証やキッティング作業を個別に行う必要がなくなるとともに、アップデートなど導入後の保守作業も共通化でき、IT管理者の手間や時間を大幅に削減できることを大きな特徴としていた。

この互換性というコンセプトは2026年モデルにも受け継がれており、発表された3モデルも液晶や筐体以外のハードウェアを共通化。そのため、もしこの3モデルを1度に導入する場合でも、個別に導入・保守作業を行う必要がなくなり、導入時で約4人月、運用時で年間約9.5人月の工数削減が可能だという。

  • レッツノート2026年春の3モデルでも、従来同様の互換性を重視した設計思想を取り入れている

    レッツノート2026年春の3モデルでも、従来同様の互換性を重視した設計思想を取り入れている

  • 液晶や筐体以外のハードウェアを3モデルで共通化することで、納入から管理まで手間や時間を削減できる

    液晶や筐体以外のハードウェアを3モデルで共通化することで、納入から管理まで手間や時間を削減できる

また、レッツノートの導入から運用、保守までを支援するIT管理者向けの業務支援ツール「Panasonic PC Control Suite」向けのランチャーアプリ「Panasonic PC Navigator」を2026年4月にリリースする。生成AIでの質疑応答機能を搭載しており、管理者が行いたい作業について対話形式で簡単に確認できるようになるため、より作業効率を高められる。

  • IT管理者向けの業務支援ツール「Panasonic PC Control Suite」向けのランチャーアプリ「Panasonic PC Navigator」によって、IT管理者の負担を軽減

    IT管理者向けの業務支援ツール「Panasonic PC Control Suite」向けのランチャーアプリ「Panasonic PC Navigator」によって、IT管理者の負担を軽減

企業がPCを導入する場合、製品としての仕様だけでなく、導入時から運用時の保守管理も重要な要素となるが、レッツノート新モデルなら保守管理業務の効率化や省力化に繋げられるという意味でも、企業にとって大きな魅力となりそうだ。

シリーズ初のCopilot+ PC準拠、Core Ultra シリーズ3搭載

ビジネスシーンでのAI活用はもはや当たり前となり、日常的に生成AIを活用して業務効率を改善しているという企業が多数を占めるようになった。そういったビジネスシーンにおけるAI活用に対応できるよう、レッツノートもついにCopilot+ PC準拠を実現した。

今回の3モデルは、いずれもプロセッサにインテルのCore Ultra シリーズ3を採用。処理能力が50TOPSのNPUを内蔵しており、マイクロソフトがCopilot+ PC向けに提供している様々なAI機能を活用できる。

  • 3モデルとも、レッツノートシリーズ初となるCopilot+ PC準拠を実現

    3モデルとも、レッツノートシリーズ初となるCopilot+ PC準拠を実現

  • プロセッサにインテルのCore Ultra シリーズ3を採用。企業向けモデルはIntel vProプラットフォームにも対応する

    プロセッサにインテルのCore Ultra シリーズ3を採用。企業向けモデルはIntel vProプラットフォームにも対応する

発表会では、ビジネスシーンで便利に活用できるAI機能として「リコール」と「クリックして実行」が紹介された。

過去の作業内容を簡単に見つけ出したり、画面に表示されている内容をExcelなどに転送して簡単に表にできたりと、業務効率を高める機能を提供するが、いずれもNPUで処理され、情報は全てPC内に保持されるため、安心、安全に利用できる点が特徴。この他、独自のローカルAI機能を利用する場合でも、NPUによって高速なAI処理が可能だ。

  • Copilot+ PCのAI機能を紹介する、日本マイクロソフト デバイスパートナー セールス事業本部 シニアパートナー テクノロジーストラテジストの平井健裕氏

    Copilot+ PCのAI機能を紹介する、日本マイクロソフト デバイスパートナー セールス事業本部 シニアパートナー テクノロジーストラテジストの平井健裕氏

  • リコールは、UIが新しくなりより使いやすくなったと紹介

    リコールは、UIが新しくなりより使いやすくなったと紹介

  • クリックして実行では、Webブラウザに表示された表を読み取ってExcelに取り込む様子を紹介

同時に、プロセッサのパフォーマンスを最大限引き出せる独自技術「Maxperformer」も引き続き搭載。独自のCPU制御により、高負荷な処理を行う場合にはフルパワーの動作時間を最大限長くするとともに、低負荷時にはパワーを制御し省電力化する。また、プロセッサの冷却システムも最適な排気スペースを確保することで放熱効率も向上している。

この他、メモリに高速なLPDDR5を採用するなどの強化もあり、SC7では2021年夏モデルのSV1と比べてパフォーマンスが約1.5倍に向上しているという。PCの性能向上は、直接作業効率の向上に繋がるため歓迎だ。

  • 独自技術「Maxperformer」により、Core Ultra シリーズ3のパフォーマンスを最大限引き出せる

    独自技術「Maxperformer」により、Core Ultra シリーズ3のパフォーマンスを最大限引き出せる

  • プロセッサ内蔵の高性能NPUと、高速なLPDDR5メモリの搭載で、AI処理能力も最大限引き上げている

    プロセッサ内蔵の高性能NPUと、高速なLPDDR5メモリの搭載で、AI処理能力も最大限引き上げている

  • SC7は、2021年夏モデルのSV1と比べてパフォーマンスが約1.5倍に向上

    SC7は、2021年夏モデルのSV1と比べてパフォーマンスが約1.5倍に向上

AIの重要性と未来についてのトークセッションを実施

今回の発表会では、冒頭にパナソニックコネクトCEOの樋口泰行氏、インテル社長の大野誠氏、日本マイクロソフト社長の津坂美樹氏によるトークセッションが行われた。

このトークセッションは「AIが人間の作業をどこまで担い、どこで人間が価値を発揮するのか」というテーマで繰り広げられた。

  • 発表会冒頭、パナソニックコネクトCEOの樋口泰行氏、インテル社長の大野誠氏、日本マイクロソフト社長の津坂美樹氏によるトークセッションを開催

    発表会冒頭、パナソニックコネクトCEOの樋口泰行氏、インテル社長の大野誠氏、日本マイクロソフト社長の津坂美樹氏によるトークセッションを開催

  • トークセッションをナビゲートしたパナソニックコネクトCEOの樋口泰行氏

    トークセッションをナビゲートしたパナソニックコネクトCEOの樋口泰行氏

津坂氏によると、日経225企業の94%がすでにCopilotを利用しているとのことで、その企業からはもはや手放せない存在になっているという声が届いているという。そういったAI活用が進んでいる企業は、経営者のトップが率先してAIを活用していたり、継続的にAIを活用して習熟度を高めるなどの取り組みでAI普及を加速している。

そういった中、AIの台頭によって人員削減に動き出している企業もあるが、AIはあくまでも人間のクリエイティビティをアシストするものであって、AIによって生産性を上げイノベーションや製品開発のスピードが上がり、コストも削減できる、というのがひとつのゴールであると指摘した。

  • 日本マイクロソフト社長の津坂美樹氏

    日本マイクロソフト社長の津坂美樹氏

大野氏もその意見に同意し、AIは人間を置き換えるものではなく、人間の潜在能力を引き上げ、これまで以上のことを可能にするツールであると述べた。AIは、人間の”五感”に当たるセンサーを持っていないため、人間が五感を鍛えつつAIと協調させながら力を引き出していくことが重要だと述べた。

  • インテル社長の大野誠氏

    インテル社長の大野誠氏

また樋口氏は、AIと教育の関係性について言及。AIの台頭によって、人間は複雑なことを覚える必要がなくなり、教育の現場でもAIでできることはAIに任せてカリキュラムから外そうという考えに行き着く可能性があるとし、それについてどう思うか問いかけた。

津坂氏は、インターネットが出てきた時にも同様の議論があったと指摘しながら、AIによって人間のスキルレベルがより高められる側面もあるとし、教育現場でもAIイノベーションに対応できる教員を育てることによって、より良い教育が行えるようになるのではないか、と述べた。

最後に樋口氏は、「AIは、クラウドだけではなく、気密性が高く低レイテンシで処理が高速という観点から、エッジでの処理が重要となってくる」と述べつつ、Copilot+ PC準拠を実現したレッツノート新モデルの発表会へと引き継いだ。