FCNTの「arrows Alpha」は、旧富士通からレノボ傘下となった同ブランド初の高性能スマートフォンです。チップセットに、ミドルハイ向けの「MediaTek Dimensity 8350 Extreme」を採用し、メモリー12GB、ストレージ512GBに、最大2TBのmicroSDカードも利用できる余裕のある構成ながら、楽天モバイル版の価格は7万円を切る手に取りやすい設定になっています。
MILスペック23項目に準拠する高耐久性能や、それぞれ約5000万画素の広角、超広角、インカメラに加えて、「arrows AI」と名付けたAI機能にも注力。ドコモモデル、SIMフリーモデルとも、2025年11月末のアップデートでこのAI機能が強化されています。そこで、最新のarrows AIで何ができるのか、試してみました。
本体左側面のアクションキーにさまざまな機能を割り当てられる
arrows Alphaは、右サイドに音量ボタンと電源ボタン、左サイドに「アクションキー」という独立したボタンを搭載しています。このボタンの機能はカスタマイズできますが、主にAI用のボタンとなっていて、押すだけでarrows AIをいつでも画面上に呼び出せます。
1度押し、2度押し、長押しのそれぞれに機能を割り当てることができ、arrows AIのほかにもAndroid標準のAIである「デジタルアシスタント」(Gemini)や「Googleレンズ」、よく使うアプリなどを設定できます。アクションキーのほか、「設定」→「arrows AI」→「プロンプトバー」→「フローティングAIアイコン」をオンにして、arrows AIを呼び出せるアイコンを、常時画面の端に表示させておくこともできます。
Geminiに加えて、arrows AIではPerplexity、Copilotも利用可能
アクションキーやフローティングアイコンからarrows AIを呼び出すと、そのときにやっていたこと、たとえばネットでの調べものだったり、見ていた写真だったり、チャットの内容だったり……にあわせて、AIを使って何をするか、アクションの候補が表示されます。状況によって、「Perplexityで探索」「Copilot Visionに質問する」といった選択肢も表示されます。
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「Perplexityで探索」を選ぶと、調べものをさらにPerplexityで探求する質問の候補が表示される。arrows Alphaユーザーには、Perplexity Proが3カ月無料で使える特典も用意されている
Perplexityや、AIと会話ができるCopilot Visionに加えて、現在arrows AIが提供する主な機能は6つ。「通知を要約」「画像を生成」「プレイリストを生成」「録音して要約」「あなたの好みを学習」「質問と検索」です。これらの機能は、arrows AIを呼び出した画面にある「アクションの数を増やす」を押すと一覧表示されるほか、専用のarrows AIアプリからも利用できます。
自分仕様に学習させることで、条件を指定せずに最適解が得られる
なかでも最もよく使うのが「質問と検索」でしょう。arrows AIを呼び出すと専用窓が現れ、そこに文字入力や音声入力で聞きたいことを投げかけると、AIが回答してくれます。このときに組み合わせて使えるのが、「あなたの好みを学習」。その名の通り、あらかじめ自分の趣味や好みを学習して、問いかけた際にそれらを踏まえて回答してくれる機能です。
たとえば、家族構成や子どもの年齢を学習させておけば、行き先などの希望を伝えるだけで、家族旅行のプランをスムーズに提案してくれます。食べ物の好き嫌いが多い人やアレルギーのある人は、あらかじめ覚えさせておくことでAIを使ったお店探しがラクになるでしょう。ただし、「焼肉」「ラーメン」のように好きなものだけ覚えさせると、提案されるのがそればかりになってしまうことも。筆者が使ってみた印象では好きなものよりも、排除したいものや嫌いなものを学習させる方が、より良い結果が得られました。
グループチャットの未読をまとめてくれる「通知を要約」が便利
もうひとつ、使用頻度の高い機能が「通知を要約」です。文字通り、通話やメッセージの内容を要約してくれるものですが、LINEやFacebook Messenger、Instagramなど、ふだんよく使うSNSも対象になっています。未読の複数のメッセージの内容をまとめて要約してくれるので、たとえばグループチャットなどで、しばらく放置している間に未読がたまってしまった場合も、メッセージをさかのぼってチェックする手間が省けます。既読にせずにざっくりと会話の内容を把握できるので、すぐに返事を返せないときにも重宝します。
リアルタイムに文字起こしができる音声メモは、外に出せないのが残念
「録音を要約」は、音声を録音しながら文字起こしをして、サマリー(要約)やタイトルを自動生成してくれる機能。若干の遅延はありますが、文字起こしはリアルタイムで行われます。認識精度もそこそこで、話者も自動で判別してくれるので、ミーティングのメモとして役立ちそう。データは専用の「AIメモ」アプリに保存されます。
音声メモのほか、テキストや写真なども簡単に追加でき、メモをフォルダ分けして整理できます。検索機能も備えたシンプルで使い勝手の良いアプリですが、一方で残念なのが、対応言語が日本語と英語だけということと、AIメモからダイレクトにシェアできるのがサマリーだけである点です。arrows Alphaには、スリープ画面から素早くテキスト、音声、写真メモが取れる「FASTメモ」という機能が備わっているのですが、このFASTメモとAIメモもリンクしません。このあたりは、今後のアップデートでの改善に期待したいところです。
オリジナルのプレイリスト作成に、写真からアバター、壁紙も生成できる
このほか、使ってみて意外に良かったのが、オリジナルのプレイリストを作成できる「プレイリストを生成」です。今のところ利用できるのは「Amazon Music」だけのようですが、「ノリノリでパソコン作業がはかどる洋楽」「明日も頑張るために眠る前に聞く静かな曲」のように、そのときどきの気分でプレイリストを自動作成し、実際にAmazon Musicで再生できます。気分に合うプレイリストを探すのではなく、自分で作れるというのがポイントで、意外な曲との出会いもあって楽しいです。
最後は「画像を生成」ですが、これは1つの機能ではなく、「文章で画像を生成」「ステッカーを生成」「アバターを生成」「スケッチから画像を生成」「写真から壁紙を生成」の5種類の画像生成が楽しめます。
どんな画像にするか、まったく何もないところから考えるのは大変ですが、たとえば「文章で画像を生成」では画像のサイズのほか、「印象派」「ポップアート」といったスタイルを選ぶことができます。また「ステッカーを生成」には、あらかじめいくつかのアイデアが提示されています。「アバターを生成」は、顔写真をもとにアバターを生成。「スケッチから画像を生成」では、スケッチを描いたうえで「水彩画」「リアル」などスタイルを選んで生成ができます。
「写真から壁紙を生成」ではお気に入りの写真のほか、カーテンとか洋服の柄を撮影して、それをもとにした壁紙を作成できます。そのままではなく壁紙用にアレンジされるのですが、どんな風にアレンジされるのか見ているだけでも楽しいです。
いろいろと試したくなるのですが、残念ながら1日に生成できる上限が決まっているようで、クレジットがなくなると翌日まで画像の生成ができなくなる点には注意が必要です。「画像を生成」については、同じレノボ傘下のモトローラ―が「Moto AI」で採用している「Image Studio」と同じ仕組みだと思いますが、FCNTのホームページのサポート情報を見ても、このあたりの詳細な説明がされていない点は残念なところ。AIだけでなく、サポートのアップデートにも期待したいところです。
















