スマートフォンのカメラ性能の進化は目を見張るものがありますが、HONORが2025年10月に発表した「Robot Phone」は、今までの常識を覆すカメラを搭載しています。なんとスマートフォンの背面のカメラが前面に飛び出してくる構造なのです。しかもそのカメラ、ただのカメラではありません。
背面カメラが回転してフロントカメラになる構造はASUSの「ZenFone 7」などがありました。しかしRobot Phoneが内蔵しているのはジンバルカメラ。最近DJIなどの小型の縦型ジンバルカメラを使っている人が増えていますが、Robot Phoneはそれと同じような構造のカメラをスマートフォンに搭載しています。
Robot Phoneは2026年3月に製品が公開される予定です。今回、2026年1月にラスベガスで開催されたCES 2026の期間に合わせ、HONORが先行公開という形でプロトタイプのモデルをメディア関係者に公開。そのため動作はせず外観のみの展示でしたが、この意欲的な製品の雰囲気を味わうには十分でした。カメラ部分は普段は背面に収納され、そのままメインカメラとして使えます。またカメラを使わない時は右側のカバーが左にスライドしてカメラ部分を保護してくれます。そうすることでジンバルカメラの保護と、普通のスマホのように使うことができるわけです。
ジンバルカメラ部分はモーター駆動で自動的に飛び出すようになっています。展示品ではその機構は試せなかったものの、カメラの角度をつけたり回転させたりと、一般的なジンバルカメラと同じような動きをすると考えられます。カメラアプリがどのようなユーザーインターフェースになっているか、気になるところです。
カメラの画素数などスペックもまだ不明。ですが最近のジンバルカメラの画質から考えればメインカメラとして十分使える性能でしょう。なおHONORが公開したプロモーションビデオを見ると、Robot Phoneを胸ポケットに入れたままカメラ部分だけを出して動画を撮影する、なんて使い方もイメージされていました。
前面側から見るとカメラの台座、回転する部分がちょうどスマートフォン上部に位置するようになっているため、強度設計も考えられた作りになっていることがわかります。この状態でカメラを前に向ければフロントカメラとして使えるわけです。なおディスプレイにはフロントカメラが内蔵されているものの、ジンバルカメラのほうが画素数は高いでしょうからより美しい自撮りの撮影も可能になるはずです。さらにRoboto Phoneを机の上に置き、カメラだけを立てて撮影することもできるでしょう。三脚がなくとも写真や動画撮影ができるわけです。
ところでなぜRobot Phoneという名前なのでしょうか? HONORは2025年3月に「HONOR ALPHA PLAN」という、単なるスマートフォンメーカーから「AIデバイス・エコシステム企業」へ転換するための中長期AI戦略を発表しました。この戦略は「α」のロゴとして、HONORの製品などに搭載されています。
Robot Phoneはジンバルカメラを搭載した意欲的な製品ですが、このカメラ部分をロボットの頭のように見立てて、AIサービスを使っているときに人の頭のような動きをさせる機能も搭載させるようです。たとえばAIが「Yes」と文字や音声で回答する代わりにカメラのヘッド部分が上下に動いて意思を伝える、まるで小型のロボットのように動作します。Robot Phoneの名前はそのような動作からも来ているのでしょう。
ジンバルカメラは小型で使いやすい一方、Robot Phoneは大きな画面、常時5G接続、SNSアプリでの即時シェアなどスマートフォンならではの使いやすさも備えています。Robot Phoneはコンセプトモデルのように見えますが、HONORによると2026年中に販売する予定だとのこと。価格はどれくらいになるかわかりませんが、実験的な製品でもあることから入手は困難になりそうです。2026年3月の実機公開時には、実際にカメラテストなどをぜひ行いたいと思っています。








