米Googleは12月2日(現地時間)、Android 16のアップデート「Android 16 QPR2(Quarterly Platform Release 2)」の安定版をリリースした。2025年12月のセキュリティパッチとともに、Pixel 6以降の対応するPixelデバイスへの展開が開始されている。
Android 16から、Androidはリリースプロセスを、従来の「年1回」のメジャーアップデート中心から、メジャーアップデートに加えてマイナーSDKバージョンを提供する「より頻繁なリリース」へと変更した。 Android 16 QPR2は、新サイクルになって初のマイナーSDKリリースである。ユーザー向けには拡張ダークテーマやアイコンなど、見た目のカスタマイズ強化と通知まわりの新機能を提供し、開発者向けにはパフォーマンスやセキュリティ関連APIの拡充が図られている。
ユーザー体験とカスタマイズの強化
拡張ダークテーマで視認性を統一
システム設定のダークテーマに拡張オプションが追加された。これを有効にすると、ダークテーマに対応していないアプリでも、システムが画面を自動的に暗色系に反転させる。
ダークテーマは、もともと有機ELディスプレイ搭載スマホで消費電力を抑えたり、夜間や暗所で目の負担を軽減する目的で広まってきた。今回の「拡張」は、光に敏感なユーザーや視覚に弱さのあるユーザーにとって特に有用なアクセシビリティ機能と位置付けられており、Googleは引き続き開発者に対し、アプリ側でのダークテーマ実装を強く推奨している。アプリ側でネイティブなダークテーマに対応する方が、ブランドカラーや可読性を適切に保て、視覚的な不具合を避けられるためである。
カスタムアイコン形状と自動テーマ機能
ホーム画面のアプリのアイコン形状を選択し、独自のスタイルを表現できるようになった。アプリがテーマ付きアイコンを個別に提供していない場合でも、システムが既存のランチャーアイコンに色フィルタリングアルゴリズムを適用し、自動でテーマ付きアイコンを生成する。これにより、ホーム画面全体で、より統一感のあるルック&フィールが実現する。
重要通知を逃さないためのAI要約と分類
大量の通知を受け取っているユーザー向けに、AIを活用して管理・処理を効率化する機能が追加された。
- AIを活用した通知の要約:長いメッセージやグループチャットの内容を凝縮し、一目で概要とコンテキストを把握できるようにする。
- 通知オーガナイザー(Notification Organizer): 低優先度の通知を「ニュース」「プロモーション」「ソーシャルアラート」などのカテゴリーにグループ化し、通知シェードの下部にまとめることで、重要なことへの集中を助ける。
メディア、接続性およびヘルス機能の強化
IAMFおよびオーディオ共有
- IAMF(Immersive Audio Model and Formats):オープンソースの空間オーディオフォーマットであるIAMFのソフトウェアデコードのサポートが追加された。
- Personal Audio Sharing for Bluetooth LE Audio:Bluetooth LE Audio用のパーソナルオーディオ共有機能が、システムのアウトプットスイッチャーに直接統合された。
Health Connectの更新
- ステップの自動追跡:デバイスのセンサーを使用して歩数を自動で追跡できるようになった。これにより、アプリ側での複雑なコーディングが不要になり、電力効率も向上する。
- 運動セグメントの新たなデータ追跡:体重、セットインデックス、RPE(Rate of Perceived Exertion:自覚的運動強度)の追跡が追加された。
スムーズなデータ移行
新しいサードパーティ向けData Transfer APIにより、AndroidとiOSデバイス間でのデータ移行がより信頼性の高いものになる。
プライバシーとセキュリティの強化
- SMS OTP 保護:SMSワンタイムパスワード(OTP)ハイジャック防止策として、SMSリトリーバーハッシュを含むメッセージの配信が、ほとんどのアプリで3時間遅延される。
- セキュアロックデバイス(Secure Lock Device):新しいシステムレベルのセキュリティステートである「セキュアロックデバイス」が導入された。「Find My Device」を介してリモートで有効化された場合、デバイスは即座にロックされ、プライマリのPIN、パターン、またはパスワードでのロック解除が必須となる。この状態がアクティブな間は、ロック画面の通知やクイック操作が非表示になり、生体認証(指紋や顔認証)が一時的に無効になる場合がある。
- 開発者認証:アプリのインストール時における開発者認証をサポートするAPIが導入された。また、認証結果をシミュレートするための新しいADBコマンドも追加され、開発者が配布前のアプリをテストする際の柔軟性が確保されている。
アプリのパフォーマンスと開発環境の向上
開発者向けにアプリのパフォーマンス向上と生産性を高めるための重要なアップデートが提供されている。
- 世代別ガベージコレクション (Generational Garbage Collection):Android Runtime (ART) にGenerational Concurrent Mark-Compact (CMC) GCが導入された。新しく割り当てられたオブジェクトを重点的に収集し、メモリ管理の効率を大幅に高める。これにより、CPU使用率が減少し、バッテリー効率が向上する。
- ウィジェットエンゲージメント指標:ウィジェットを使用するユーザーのクリック、スクロール、インプレッションといった操作イベントのデータを提供。開発者がウィジェットの利用状況をより正確に把握して改善に役立てられる。
- 16KBページサイズへの対応準備:16KBページアライメントに対応していないデバッグ可能なアプリに、早期警告ダイアログを表示して対応を促す。




