政府が推進する「2050年カーボンニュートラル」に向け、住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化が加速しています。政府がカーボンニュートラル宣言を行ったことで、今後はZEH化の住宅の増加が当たり前の存在となるでしょう。高性能住宅がもたらすメリット・デメリット、補助金制度の活用方法について解説します。
ZEHとは? 都市部の高所得層が注目すべき理由
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。簡単にいうと、利用するエネルギーと創出するエネルギーが実質等しい、または創出するエネルギーのほうが多い住宅を意味します。
生活で使う分のエネルギーを、自宅で作るエネルギーでまかなえる住宅であり、具体的には高断熱化、省エネ、太陽光発電などによって実現します。
ZEHの認証基準
ZEHとして認定を受けるには、4つの基準を満たす必要があります。
- 1.地域区分に応じた断熱性能(等級5以上)
- 2.一次エネルギー消費量を20%以上削減
- 3.太陽光発電の搭載
- 上記1~3により、一次エネルギー消費量を100%以上削減
高断熱や省エネによって、エネルギー消費量を20%削減することに加え、残りをすべて太陽光発電でまかなえる状態ということです。
今後はZEH基準の住宅が当たり前の存在に
2025年4月には、新築住宅を対象に、省エネ基準の適合が義務化されました。政府が2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにする「カーボンニュートラル宣言」を行ったことを受けたものです。
2025年度以降、省エネ基準を満たさない住宅は補助金などの対象から外されるため、ZEH化は今後スタンダードとなっていくでしょう。
新築・リフォームでZEHを選ぶべきか?「投資」としてのメリット・デメリット
ZEHには室内の快適性や省エネなど数々のメリットがあります。一方でいくつかデメリットもあり、両方を把握しておくことが大切です。
メリット
- 室内を快適な温度に保てる
- 光熱費削減につながる
- 災害時に非常電力をまかなえる
- ヒートショックが発生しにくい
- 資産価値が上がる可能性がある
- 補助金制度を利用できる
ZEH化すると、室内の温度を快適に保てるようになります。夏も冬も省エネしながら、快適に過ごせるため、身体的・精神的なストレスを軽減することが可能です。
冷暖房の効率が良くなるため、長い目で見ると家計に優しい点もメリット。耐用個発電や蓄電池を活用することで、災害時に停電になっても電気が利用できます。
また、ZEH仕様の住宅は、売却する際に高く評価してもらえます。大手ハウスメーカーが設立した「優良ストック住宅推進協議会」は、基準を満たした住宅を「スムストック」と認定。「スムストック」と認定されると、資産価値の高い物件として扱ってもらえます。
デメリット
- 導入時の費用や、メンテナンス/点検費用がかかる
- 太陽光発電は天候によって発電量が変わる
性能の優れた断熱材や断熱窓、高効率な給湯器、太陽光発電の導入などにより、初期費用が高くなります。また、設備を長期間使用するにはメンテナンスや定期的な点検も必要なため、維持費用も考慮する必要があります。
太陽光発電に関しては、立地や季節などにより発電量が変わる可能性がある点にも注意が必要です。曇りや雨の多い時期、日照時間が短い冬などは発電量が少なくなる傾向があります。
補助金制度を賢く利用する!「住宅省エネ2025キャンペーン」のポイント
ZEH化はメリットが多いですが、相応のコストもかかります。賢く費用を抑えるには、国の補助金制度である「住宅省エネ2025キャンペーン」を利用するのがおすすめです。
「住宅省エネ2025キャンペーン」は4種類の事業がある
こちらのキャンペーンは、以下4つの補助金事業で構成されています。
- 1.子育てグリーン住宅
- 2.先進的窓リノベ
- 3.給湯省エネ
- 4.賃貸集合給湯省エネ
既存住宅のリフォームは上記のすべて、新築の場合は1と3が対象です。
子育てグリーン住宅は、環境性能の優れた住宅に対して補助金が支給される制度です。先進的窓リノベは内窓の設置やガラス交換などが対象で、給湯省エネはエコキュートやハイブリッド給湯器などが対象となっています。
予算は上限が設定されている
各補助金にはそれぞれ予算が設定されており、上限に達すると終了しますので、公式ホームページで確認しましょう。2025年8月29日時点では、たとえば子育てグリーン住宅の「長期優良住宅・ZEH水準住宅」の新築に関しては、予算達成状況が24%となっています。

