富裕層の住宅にまつわるひとつのトレンドに、中古物件を購入してリノベーションやリフォームを行い、資産価値のさらなる向上を図るという事例が増えています。資産価値を高めるリノベーションにはどのような方法があるのでしょうか? リノベーションの方法、成功事例、注意点について解説します。
資産価値を高めるリノベーションとは
リノベーションとは、既存の建物を改修して付加価値を高め、より快適で魅力的な空間にすることです。富裕層の方が資産価値の向上のために行うリノベーションは、主に3つあります。ちなみにリフォームは、痛んだ箇所を修復して新築時に近い状態へ復元することを指します。
設備のグレードアップ
設備投資は、物件の価値を向上させる代表的な方法の1つです。キッチンでは高級ブランドのシステムキッチンを導入、アイランドキッチンへの変更などがあり、機能性と美観の両面を大幅に改善できます。
バスルームや洗面台では、高級ホテル仕様の設備を導入するケースが多いです。ジェットバス、床暖房システムなどを設置することで、生活の質も大きく高められます。
空間設計の最適化
空間を最適に設計することも重視します。間取りを変更し、現在の生活に合った空間配置にします。
富裕層の方々はゆったりくつろぐことを重視することが多いため、壁の数が少なく天井が高い空間を好む傾向があります。開放感があり自然光も十分入ってくる空間となるようにリノベーションを行います。
最先端テクノロジーの導入
最新技術の導入も、高級不動産で必要な要素です。スマートホーム化により、セキュリティ・空調・照明などを遠隔で制御できるようになります。
利便性の向上のみならず、エネルギー効率化にも貢献する取り組みです。
リノベーションの成功事例
高級マンションのリノベーションに成功した事例をいくつか紹介します。
ファミリー向けのリノベーション
東京都港区で3LDKの中古マンションを購入したAさんは、当面は賃貸に出すためグレードの高い空間へとリノベーションしました。ファミリー層をターゲットに、最新設備のキッチンや豊富な収納スペースを用意。
既存の間取りを活かしたリノベーションで費用を抑えながらも、デザインやレイアウトを見直したことで、立地に適した高級感のある賃貸物件に生まれ変わりました。
高い景色をさらに楽しめる空間へ
東京都品川区の中古タワーマンションを購入したBさん。LDKはリビング・ダイニング・キッチンが独立していました。
伸びやかな空間にするために壁を撤去し、壁一面の窓に面した空間をリビングに。タワーマンションならではの眺めや開放感をさらに味わえるようになりました。
リノベーションを前提にした物件選びの注意点
リノベーションをすることを前提に中古物件を選ぶ場合、以下のポイントが重要です。
築年数が古すぎる物件は避ける
築年数があまりに古いと、リノベーションが大変になることも。たとえば水道管が建物の下に埋め込まれていると、簡単には交換できません。工事が大がかりになり、多額の費用が発生することがあります。
またマンションでは、エントランス・階段・通路など共用部の古さもネガティブ要因になります。区分所有の場合は、共有部分を自由にリノベーションできません。
長期的な需要が見込めるエリアを選ぶ
物件の価値を高め、将来の売却を視野に入れるなら、長期的な需要が期待できるエリアを選ぶことも大切です。たとえば以下のような条件を満たすエリアが望ましいと考えられます。
- 最寄り駅から徒歩5分以内
- 駅に急行や特急が停車する
- すぐ近くにスーパーやコンビニ、ドラッグストア、医療機関がある
希望するリノベーションができるか確認する
どのような物件でも、あらゆるリノベーションができるというわけではありません。水まわりの位置や天井の高さなどは変更できないケースもあります。
購入を検討している物件が、希望どおりにリノベーションをできるかどうか、事前の確認は欠かせません。リノベーションに強い業者に、物件を確認してもらうことがおすすめです。

