Samsungから「Galaxy Z Fold7」が登場しました。国内では数少ない横開き式の折りたたみスマートフォンですが、7世代目となって一段と完成度が高まり、決定版とも言える製品に仕上がっています。

とにかく薄型軽量化が図られたことで実用度が向上。まさに薄さこそが正義と言えるでしょう。

  • Galaxy Z Fold7

    Galaxy Z Fold7

もはや普通のスマートフォン、なのに折りたたみ可能

業界でも最初期から折りたたみスマートフォンを発売してきたSamsungが、いよいよ「Galaxy Z」シリーズの設計思想を変えてきました。具体的には、ディスプレイのサイズや機能を変更し、大幅な薄型化が図られています。

  • 「Galaxy Z Fold7」を閉じたところ

    「Galaxy Z Fold7」を閉じたところ。一見すると普通のスマートフォンです

  • 本体背面

    本体背面。最近はキャリア端末でもメーカー端末と同じデザインなので、背面のデザインはシンプル。NFC/おサイフケータイのアイコンもありません

「Galaxy Z Fold7」では、閉じた状態でのカバー画面が6.3型から6.5型に拡大。解像度はHD+(968×2,376ドット)だったのが1,080×2,520ドットになりました。横幅が1,080ドットと比較的一般的な解像度となり、アスペクト比も21:9になっているため、これまでの「細長いディスプレイ」ではなく、普通のスマートフォンの画面という印象です。

  • 「Galaxy Z Fold7」と「Galaxy Z Fold6」の比較

    「Galaxy Z Fold7」(左)と「Galaxy Z Fold6」(右)の比較。高さの違いが分かりやすいのですが、幅も広くなっています

普通のスマートフォンでは、最近はやや横幅が広くなり、アスペクト比21.6~21.7:10程度の機種が増えているようです。例えば「iPhone 16 Pro」は6.3型で2,622×1,206ドット、アスペクト比は21.74:10です。「Galaxy S25 Ultra」は、6.9型で3,120×1,440ドット、アスペクト比は21.67:10となっているようです。とはいえ、21:9の縦横比のディスプレイはよくあるもので、「Galaxy Z Fold7」は折りたたんだ状態でも一般的なアスペクト比になったといってよいでしょう。

これに伴い、開いたときのメインディスプレイも7.6型から8.0型に大型化しました。解像度は2,160×1,856ドットから2,184×1,968ドットになっています。アスペクト比は11.6:10から11.1:10になったため、より正方形に近いアスペクト比になったと言えます。

閉じた状態での画面サイズとアスペクト比の改善によって、普通のスマートフォンとしても使いやすくなりました。これまでは、細くて入力しづらかったQWERTYキーボードも押しやすくなり、入力間違いも減りそうです。

これに加えて、大幅な薄型化もかなり強力な特徴です。これにはさまざまな技術的な進化もありますが、逆にSペンに非対応になるという機能の削減の結果でもあります。

「Galaxy Z Fold」シリーズでは、開いたときのメインディスプレイでSペンが使えて手書き入力が可能な点がメリットの1つだったのですが、薄型軽量化を重視して今回はこの機能が省かれました。ユーザー調査も行ったということなので、ニーズが多くなかったのでしょう。個人的には、確かに頻繁に使う機能ではなかったものの、非搭載は残念ではあります。

とはいえ、その結果本体サイズは、厚さが折りたたんだ状態で12.1mmから8.9mmに、開いた状態では5.6mmから4.2mmへと大幅に薄型化。重さも239gが215gへと軽量化されました。

Z Fold7 Z Fold6 S25 Ultra iPhone16 Pro
画面サイズ 6.5インチ 6.3インチ 6.9インチ 6.3インチ
高さ 158.4mm 153.5mm 162.8mm 149.6mm
72.8mm 68.1mm 77.6mm 71.5mm
厚さ 8.9mm 12.1mm 8.2mm 8.25mm
重さ 215g 239g 218g 199g

まだ多少厚みはあるものの、それでも通常のスマートフォンとほぼ遜色ないレベルまで薄くなっています。二つ折りの状態でそれですから、開いたときの厚みは4.2mmと、ほぼ通常のスマートフォンの半分です。初代「Z Fold」の17.1mmと比較すれば、ほぼ半分まで薄くなりました。

  • 「Galaxy Z Fold6」「iPhone 15」とのサイズ比較

    「iPhone 15」(右端)とも並べてみました。こちらの幅は71.6mmなので、ほぼ同等のサイズ感。高さは147.6mmなので「Galaxy Z Fold7」のほうが10mmほど大きく、重さは「iPhone 15」の171gに対して40gほど重くなっています

重さも215gなので、「ちょっと重い大画面スマホ」といったぐらいでしょうか。「iPhone 16 Pro Max」(227g)よりも軽くなっています。これならなんとか首から提げても持ち歩けそうですし、斜めがけであれば問題なさそうです。

  • 閉じた状態での側面

    閉じた状態での側面。かなり薄く、普通のスマートフォンと変わらないレベル

  • 閉じた状態での底面

    底面にあるUSB端子とほぼ同じ厚さ

「Z Fold7」は15Wのワイヤレス充電Qi2に対応しており、残念ながら固定用のマグネットは内蔵していませんが、公式アクセサリーを含めてマグネットを備えたケースが用意されています。MagSafe互換なので、スマホホルダーをはじめとする多くのアクセサリーが使えますし、「iPhone 16 Pro Max」以下の重さのため既存の製品で問題なく固定できそうで、このあたりは嬉しいところです。

ただし、横幅が広くなって、他のスマートフォンよりも縦が長い構造のため、親指を伸ばしても画面全体を片手で操作するのは困難です。Androidの仕様として、画面中央下部を下にスワイプすると片手モードになって画面の隅もタッチしやすくなりますが、やや落としやすくなるため、操作中の落下には注意が必要です。

  • 開いた状態で「Galaxy Z Fold7」と「Galaxy Z Fold6」の厚さを比較

    「Galaxy Z Fold7」(左)と「Galaxy Z Fold6」(右)の厚さを比較。こちらは開いた状態

  • 開いた状態で「Galaxy Z Fold7」と「Galaxy Z Fold6」の厚さ比較

    閉じた状態でも歴然の薄さ

薄型化とアスペクト比の改善によって閉じた状態でもスマートフォンとして使いやすくなったため、「端末を開かなくても大画面スマートフォンとして使える」ようになっています。それ自体は好ましいことですが、開かなくても使いやすいので、せっかくの開く体験をしないままになってしまうという懸念があります。

加えて、カメラは高性能化しているため、カメラ部の出っ張りは今まで以上に大きくなりました。本体が薄型化したために、さらに出っ張りが目立つようになった感があります。

  • カメラ部の出っ張りを比較

    全体の厚みで言えば、「Galaxy Z Fold7」の方が薄いのですが、カメラの出っ張りは「Galaxy Z Fold6」より大きくなりました

結果として、本機をテーブルに置いて操作しようとするとぐらぐらと大きく揺れます。MagSafeを利用するにはケースが必須となる点も踏まえると、ケースを装着して使いやすくする、ということになるでしょう。ただそうすると薄さが犠牲になるため、自分の重視するスタイルを踏まえて検討する必要があるかと思います。

大画面にもなるハイエンドスマートフォン

前述の通り、開いた状態では8型の画面サイズになります。アスペクト比は11.1:10と高さの方が長い形状で、たいていのコンテンツに対しては上下が黒枠になって余白が生まれます。写真はだいたい4:3か3:2、映画は16:9や21:9なので、動画の場合に特に余白は大きくなります。

  • 開いた状態のディスプレイ

    開いたときはほぼ正方形の大画面になります。8.0型/2,184×1,968ドット/アスペクト比11.1:10なので、厳密には正方形というわけではなく、高さの方が長くなっています

  • 動画表示時の画面イメージ

    動画の場合、かなり上下の黒帯が大きくなります

  • 写真表示時の画面イメージ

    画像の表示でも同様です

動画再生に比べれば、電子書籍端末としてはまずまずのサイズと言えるでしょう。やや縦に長いサイズですが、横持ちにすると自動的に見開き表示になってマンガも見やすくなります。通常のスマートフォンとはアスペクト比が異なるため縦読みマンガはかなり読みにくくなりますが、その場合は閉じた状態で読むといいでしょう。

  • アプリを左右に並べる

    アプリを左右に並べると、従来よりも大きくなった分、表示領域が向上しています

ブラウザも大画面で表示できるので、老眼でも見やすいのはいいところです。写真系のSNSは特に大画面で視認性も高く、タブレットほど表示が大きすぎないので見やすいのもいいところです。

OSはAndroid 16ベースのOne UI 8.0。開いたときはタブレット用のUIとなり、画面下から上にスワイプをするとタスクバーが表示され、アプリの切り替えが可能で、アプリアイコンを長押ししてドラッグすれば画面分割して最大4つまでのアプリを同時起動できます。

  • タスクバー

    下からスワイプでポップアップするタスクバー。以前のように下部に固定はできません

こうしたタブレットの操作は、Android OSのアップデートによって以前とは操作性が変わりましたが、大画面でのアプリ使い分けをしやすいUIになっています。ただ、このあたりは「Galaxy Z Fold6」と使い勝手は大きく変わらず、特に新しくはなっていないようです。

パフォーマンスに関しては、ハイエンドSoCのSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載。ベンチマークテストの結果を見る限りは、全体的に他社のSnapdragon 8 Elite搭載モデルよりも数値は控えめ。「Galaxy S25 Ultra」よりも低い数値になっています。

このあたり、薄型化によって放熱性能などにも影響があり、パフォーマンスを抑えているのかという印象すら受けます。パフォーマンス自体が低いわけではないですが、少し気になるところです。

Galaxy Z Fold7 Galaxy S25 Ultra
SoC Snapdragon 8 Elite for Galaxy
3Dmark Wild Life Extreme 4,360 6,868
Solar Bay 10,419 12,314
Steel Nomad Light 2,189 2,633
PCMark Work 3.0 16,321 20,711
GeekBench Single-Core 2,783 3,153
Multi-Core 8,942 10,120
GPU(OpenCL) 18,251 20,321
GPU(Vulkan) 19,038 26,535
Antutu トータル 1,989,492 2,470,276
AITUTU 1,987,655 1,920,840