iOS 18.4で写真アプリに追加された「クリーンアップ」は、写真に映り込んだ不要なものを消す機能です。Apple Intelligenceの力を必要とする関係上、iPhone 15 Pro/Pro MaxおよびiPhone 16シリーズでなければ利用できませんが、かんたんな操作で背景に自然になじむよう不要な被写体を消去できます。
クリーンアップで被写体を消し去っても、写真のフォーマット(HEICまたはJPEG)や縦横のピクセル数、撮影日や撮影地点といった情報はそのまま維持されます。適用前後でファイルサイズに若干の変化はあるものの、クリーンアップを実行する前後で写真そのものは変化しません。
ただし、EXIF(Exchangeable image file format、イグジフ)の一部は書き換えられます。iPhoneで撮影した写真には、ISO感度や解像度、センサー方式やシャッタースピードといった撮影時におけるカメラの詳細な情報がEXIFとして埋め込まれていますが、そこにクリーンアップで加工をくわえた"証拠"が残るのです。
クリーンアップ処理した写真のEXIFを確認すると、クレジット項目に「Apple Photos Clean Up」、コンテンツの作成項目に「Edited using Generative AI」というデータが追加されます。EXIFはアプリやパソコンの機能 -- たとえばMacOSのファイル情報画面 -- でかんたんに調べることができるため、EXIFを知る人物の手にかかればあっけなくクリーンアップ処理した事実が知られてしまいます。
なお、iPhoneに付属の写真アプリにはEXIFを編集する機能は装備されているものの、編集可能な項目は撮影日時と撮影場所に限られています。どうしてもクリーンアップ処理した証拠を消し去りたければ、EXIFの編集が可能なアプリを試してみては?