COMPUTEX TAIPEI 2025、大きなあらゆるカテゴリの製品展開で大攻勢を強めるMSIをチェックしました。Blackwellアーキテクチャを採用する最新NVIDIA GeForce RTX 50シリーズグラフィックスカード、ゲーミングノートPCの大規模な展示が見られましたが、筆者が今回特に気になったのはゲーミングモニターです。
ゲーミングモニターに限らずPC向けのモニターはこれまで液晶が主流でしたが、圧倒的な性能差によってゲーミング領域では有機ELパネルの採用が相次ぐようになりました。コントラスト比が構造上ほぼ無限に高くなることに加えて、リフレッシュレートが高速。さらに動作原理的に応答速度の速さが液晶とは3桁前後も異なることで、圧倒的に残像感の少ない画面表示を行える点が特徴です。
とはいえPC利用ではタスクバーやアプリのGUI等で似たような表示が続くため、焼き付きの不安が懸念材料に。これを受けて各社焼き付きの保護を含めた長期保証を展開し、ゲーマーの有機ELパネル採用ゲーミングモニター導入を全力で推進しています。しかし、無策で製品保証を導入するだけでは商売が成り立ちません。
そこでメーカー各社は描写品質に加え、パネル保護技術でも先を競って争う形になりました。一般的なものでは長時間の利用で警告テキストを表示してみたり、イルミネーションを変化させて注意を促すようなものから、表示領域を多めに用意して少しずつずらすようなものまで存在。
今回MSIはQD-OLED(量子ドット有機EL)採用ゲーミングモニターとして、世界で初めてだというAI Careセンサー搭載ゲーミングモニター「MSI MAG 271QR QD-OLED X50」を展示。NPUを活用したAIでユーザーの存在を検知し、パネルの保護を積極的に行うことで焼き付きを含めた3年間の長期保証を展開します。
MSI MAG 271QR QD-OLED X50の仕様としては、WQHD(2,560×1,440ドット)解像度で500Hzもの高速動作に対応。0.03ms(GTG)の圧倒的な応答速度でVESA ClearMR 21000認証を取得しており、残像感の少なさは折り紙付きです。高解像度・高リフレッシュレート動作はDisplayPort 2.1 UHBR20に準拠した端子で支えられ、対応するケーブルをもちろん同梱。パネルのリフレッシュ時間は24時間ごとへと延び、普通のユースケースではほぼ気にならないレベルになっています。
なお、MSIはこれまでもOLED CARE 2.0としてパネル保護機能を提供中。ピクセルシフトからに多様な画面が長時間表示されていることを検出するStatic Screen Detection機能に加え、画面下に居座るタスクバーも検出可能。デモでは展示期間中ひたすら似たような画面を表示するバーンインが行われており、耐久性の高さをアピールしていました。