HUAWEI WATCH GT 5は、Apple Watchと同様にヘルスケアやワークアウト管理機能に優れたスマートウォッチですが、実際に使ってみると両者にはいろいろな違いがあることがわかります。

今回は、Apple Watchを初代から使用してきた筆者が、HUAWEI WATCH GT 5を5カ月使ってみて感じた「違い」をご紹介します。

バッテリー持続時間が桁違いに長い

前回、詳しくご紹介したように、WATCH GT 5シリーズはバッテリー持続時間が非常に長いです。公式のスペックによると、41mmモデルは通常使用で7日間。週1回程度の充電で使い続けられる計算です。さらに、サイズの大きい46mmモデルなら14日間となっていますから、月に2〜3回程度の充電で足ります。

  • WATCH GT 5(41mmモデル)のバッテリー残量を、通常使用で72時間計測。1日あたりおよそ10%程度消費している計算です

一方、Apple Watchは最新モデルでもスペック値で18時間。実際はそれ以上持ちますが、低電力モードにしても3日間使うのは厳しいでしょう(Apple Watch Series 8 41mmモデルで検証)。それまで充電の手間を気にすることはありませんでしたが、WATCH GT 5を使ってみると、数日間充電を気にしなくていいという安心感は大きいと実感しました。

文字盤デザインが豊富

HUAWEIは文字盤デザインがサードーパーティにも解放されていて、アプリストアのように有料・無料の文字盤をダウンロードできるマーケットプレイスがあります。クラシカルな時計から、情報てんこ盛り、グラフィックメインなど、自分の好みやセンスに合うデザインを探す楽しみがあります。

  • 「HUAWEIヘルスケア」アプリの[デバイス]タブから文字盤のマーケットプレイスへ。ダウンロード済みの文字盤は[自分の文字盤]から確認できます

  • 文字盤を切り替えるには、ウォッチの文字盤を長押し→上ボタンをスクロール。使用したい文字盤が表示されたらタップします

円形の画面をうまく活用した腕時計らしいデザイン

Apple Watchに限らず、スマートウォッチといえば比較的多い四角いボディが多い中、WATCH GT 5シリーズは丸い画面が特徴的です。いわゆる腕時計らしいフォルムで、デザインも46mmが男性向け、41mmが女性向けと明確に分かれています。デバイスというよりは一般的な腕時計の感覚で身につけられるデザインと言えるでしょう。

  • スポーツウォッチ風やクラシカルな腕時計風など、ボディカラーとバンドの組み合わせによる個性の異なるルックも特徴

また、ワークアウトや活動記録、睡眠など、各アプリも丸い画面を活かしたレイアウトで、大きく見やすくデザインされています。

  • 丸い画面をうまく使ったアプリのUI。合理的なレイアウトや配色で、見やすいデザインに

ムーブ(アクティブ消費カロリー)の計測が渋い

Apple WatchとWATCH GT 5、どちらも毎日の活動記録を「ムーブ」「エクササイズ」「スタンド」の3つのリングで記録してくれますが、同じように過ごしていてもWATCH GT 5の方が「ムーブ」の値が低く出ます。

ワークアウトについては、同じ距離をウォーキングするとほぼ同等の値が出るのですが、デスクワークをして屋内で過ごした場合(多少の室内歩行含む)、Apple Watchは多少計測が進みますが、WATCH GT 5はほとんど進みません。

  • デスクワークを2時間行った場合の「ムーブ」の計測値。Apple Watchは17kcal進みましたが、WATCH GT 5は3kcal

結果、同じ目標値でもWATCH GT 5ではムーブリングが完成する回数が極端に少なくなりました。しかし、現実に筆者の運動習慣はあまり変わっておらず、体重も増えていません。おそらく、どちらかが間違っているというわけではなく、検知した運動をどこから「消費カロリー」として計測するのか、その閾値の違いであると考えられます。

iPhoneとの連携でできないこと

Apple Watchは、iPhoneとの連携が前提となっているデバイスです。iPhoneに届く通知はApple Watchにも届き、「おやすみモード」や「機内モード」は連動し、各アプリはiPhoneの同じアプリと同期しています。

一方で、WATCH GT 5は、Apple IDのエコシステムに入らない独立したデバイスであり、ほとんどの情報は「HUAWEIヘルスケア」との連携のみで、iPhoneとの深いつながりはありません。

Apple WatchにできてHUAWEI WATCH GT 5にできないことは、この連携の違いに起因するものが多くあります。例えば次のようなものです。

  • メッセージ、カレンダー、LINE以外の通知が届かない(Slackやリマインダーの通知を見落とす可能性がある)
  • Macのロック解除ができない(MacBookを閉じてモニターに接続している場合、パスワード入力が必要になる)
  • Siriが使えない(手が塞がっている時にタイマー等の操作ができない)
  • 「ヘルスケア」に連携される情報が限定的(睡眠時間は連携されますが、睡眠の質は「HUAWEI ヘルスケア」アプリのみ、など)

Apple Watchを使い慣れた方ならお分かりいただけるのではないかと思います。

サードパーティ製のアクセサリは少なめ

Apple Watchはサードパーティ製のバンドやケースが市場に多数出回っていますが、WATCH GT 5シリーズ用のバンドは多くありません。また、HUAWEI自体が多種類のスマートウォッチを販売しているため、対応するアクセサリを探しにくいという課題もあります。

公式オンラインストアでは「HUAWEI EasyFit 3」という商品名でWATCH GT 5シリーズに対応するバンドが販売されています。サイズによって材質・色のラインアップが異なるので、選択する際は間違えないようご注意ください。

  • WATCH GT 5シリーズに対応するバンドは「HUAWEI EasyFit 3」です。価格は材質によって異なり、3,960円〜9,460円(記事執筆時点)