日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、全国の18歳から70代の男女1,449人を対象に実施した「デジタル社会における消費者意識調査2025」の結果を公表した。調査では、約7割のユーザーが、意図的に誤誘導するWebデザイン(いわゆる「ダークパターン」)に遭遇した際に、購買や登録を中止していたことが明らかとなった。
無駄な情報入力の強要や定期購入への誘導、位置情報の提供を求めるポップアップ表示など、いわゆる「ダークパターン」に遭遇した際、約7割のユーザーが購入・登録・問い合わせなどの行動を中止していたと回答。不誠実な設計は一時的な成果をもたらす可能性がある一方で、長期的には信頼の低下や離脱につながる可能性が高い。
ダークパターンに対する印象として、ユーザーの多くが「面倒」「信用できない」「不快」「疑問」などのネガティブな感情を抱いており、特に「残り◯◯」といった希少性を強調する表示では、女性の多くが「焦り」や「プレッシャー」を感じると回答。一方で、18〜20代の男性からは「親切」「購買意欲がわいた」といったポジティブな印象を抱く声もあり、属性による反応の違いが浮き彫りとなった。
一方、プライバシー保護の取り組みに関しては、企業がプライバシーテック(プライバシー保護技術)を導入し、その活用方法などを丁寧に説明することが、ユーザーの安心感向上につながることがわかった。過半数の回答者が「安心感が増す」と答えており、個人情報の取り扱いに対する不安が根強いなか、技術的な保護への信頼が高まりつつある実態が示された。
また、情報漏えいに関する設問では、個人情報漏えい事故が発生した際の企業に求められる対応として、「対応までのスピード」「開示情報の量と質」「被害者への丁寧な対応」が重視されていることが判明。なかでも「丁寧な事後対応」は約6割の回答者が重要と回答しており、情報開示のスピードやメディア対応以上に、誠実で真摯な姿勢が企業評価に直結することが明らかとなった。
なお、この調査は2月25日〜26日、JIPDECが18歳から79歳までの日本在住者1,449名(男性49.4%、女性50.6%)を対象に、Webアンケート形式で実施したもの。