IIJエンジニアリングは4月8日、IIJ白井データセンターキャンパス(白井DCC)にて、ナノ秒単位の時刻同期精度を持つ時刻同期サービス「PTP時刻同期サービス Type-A」の提供を開始した。

  • PTPサービス構成イメージ図

    PTPサービス構成イメージ図

近年、金融取引の正確性や映像・音声の同期精度向上が求められており、従来のミリ秒単位の時刻同期精度であるNTP(Network Time Protocol)に代わり、マイクロ秒〜ナノ秒単位の精度を持つPTP(Precision Time Protocol)による時刻同期のニーズが高まっている。

たとえば、2018年からEUで適用されている金融業界向け規制「MiFID II」や、映像分野のIPネットワーク準拠の標準規格「SMPTE2110」では、NTPでは満たせない高精度な時刻同期が求められる。しかし、PTP導入には衛星アンテナの設置や機材の調達・構築といった初期コストの負担に加え、複雑な設定作業が課題となっている

このたびIIJエンジニアリングが提供する「PTP時刻同期サービス Type-A」では、白井DCC内に構築した全球測位衛星(GNSS)アンテナやPTPサーバーを活用。ラックを利用中の顧客は、自身のPTP対応サーバーを構内配線で接続するだけで、簡単にPTPによる時刻同期を利用できる。これにより、自社での設備投資や煩雑な設定作業が不要となり、初期コストを抑えつつ、短期間での導入が可能となる。

さらに、白井DCC内のサービス設備は冗長化されており、構内配線も2系統で提供されるなど、高い信頼性を確保。映像信号や補助データなど、異なる役割を持つメディアを同時に伝送できるIPネットワーク準拠の標準規格「IEEE1588 - 2008 v2」プロファイルにも対応している。