米Googleは4月29日(現地時間)、AIを活用したノート作成・リサーチ支援ツール「NotebookLM」の「音声概要(Audio Overviews)」機能が、日本語を含む50以上の言語に対応したことを発表した。

NotebookLMでは、情報ソースとして、PDFやテキストファイル、Googleドキュメント、WebページやYouTubeのURLなどをアップロードすると、その内容を解析したAIを利用できる。「音声概要」は2024年9月に追加された機能であり、NotebookLMが2人のバーチャルホストによる会話形式の要約コンテンツを生成するものである。あらゆる種類の情報を分かりやすく、親しみやすい音声で把握できる方法として、リリース以来好評を得てきた。

今回の対応言語の追加により、より多くのユーザーがそれぞれの母語で「音声概要」を利用できるようになった。スペイン語、フランス語、中国語、日本語、ヒンディー語、トルコ語、アラビア語など、幅広い言語を網羅している。アフリカーンス語やバスク語、クレオール語といった比較的利用者の少ない言語にも対応している。サポート言語は、NotebookLMのヘルプページで確認できる。

「音声概要」の多言語対応によるもう一つのメリットは、さまざまな言語の情報ソースをより活用できることである。例えば、英語で行われた基調講演のYouTube動画をノートブックに追加し、日本語の音声概要を生成することで、長い講演の内容やポイントを短時間で把握することが可能になる。別の例としては、アマゾンの熱帯雨林に関する授業を準備する教師が、ポルトガル語のドキュメンタリー、スペイン語の研究論文、英語の学習レポートなど、様々な言語のリソースを生徒と共有し、生徒が自身の言語で音声概要を生成しながら理解を深めたり、新たな視点を得るといった活用法が考えられる。

音声概要は、ノートブックを開き、右側のStudioパネルの音声概要セクションで[生成]ボタンをクリックする。生成には数分かかる場合がある。

生成されるコンテンツの言語については、今回の言語追加に合わせてNotebookLMの「設定」に「出力言語」オプションが追加された。これにより、ユーザーは「オーバーライドする言語を選択」することで、Googleアカウント全体の言語設定とは別に、NotebookLMでの出力言語を優先して指定することが可能になった。例えば、Googleアカウントの言語が英語でも、この設定で「日本語」を選択すれば、日本語で音声概要が生成される。