米Microsoftは4月2日(現地時間)、クラウドPCサービス「Windows 365」専用デバイスである「Windows 365 Link」の一般提供開始を発表した。米国、カナダ、英国、ドイツ、日本、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国で展開され、日本での価格は56,800円である。
Windows 365 Linkは、2024年11月に「Ignite 2024」で発表された後、プレビュー提供が行われていたものである。企業のIT環境のモダナイゼーションが進む中で、セキュリティ強化、生産性向上、IT管理の合理化、シームレスな接続性を実現するクラウドソリューションへの関心が高まっている。Microsoftの「Windows 365」もその一つであり、Windows 365 LinkはWindows 365のクラウドPC環境へ、シームレスかつ安全に接続するよう設計された小型クライアントデバイスである。
Windows 365 Linkは高速に起動し、ユーザーはサインイン後すぐにクラウドPCでの作業を開始できる。ローカル環境にアプリケーションやデータを保存しない設計となっており、情報漏洩のリスクを低減する。その一方で、ローカル処理能力により、共同作業やプレゼンテーション、ビデオ再生、オンライン会議といった用途で、なめらかで応答性の高い体験を提供する。現代版のシンクライアントと言える製品である。
本体サイズは120×120×30mm、重量は418g。USB-A 3.2ポートx3、USB-C 3.2ポートx1、HDMIポートx1、DisplayPortx1、Ethernetポート、3.5mmヘッドフォンジャック、Kensingtonロック・スロットを装備し、デュアル4Kモニター構成が可能。ワイヤレスは、W-Fi 6EとBluetooth 5.3をサポートする。
Microsoftは、コストの最適化とクラウドPCへのアクセス拡大を目的に「Windows 365 Frontline」に共有モードを追加した。これは、1つのWindows 365 Frontlineライセンスで提供される1つのクラウドPCに対し、複数のユーザーが時間を分けて(一度に1人のみ)アクセスできる運用形態である。たとえば、棚卸作業や簡易な在庫入力といった短時間・低頻度の作業において、1人ひとりに専用のPC環境を用意する必要がなく、コスト効率の高い運用が可能になる。