ふとした拍子に、画面の半分が"ずり下がった"経験はありますか? 現在時刻やWi-Fiの電波状況を示すステータスバー、通知や現在進行中の情報を表示するダイナミックアイランドは画面の中ほどに移動する一方、画面の上半分は真っ黒の空き領域に。5秒ほど放置すると元に戻るため、疑問には感じつつ放置している人も少なくなさそうです。

この画面の半分がずり下がる現象は「簡易アクセス」と呼ばれる、誰にでもiPhoneを使いやすくするアクセシビリティ機能の一種です。片手ではiPhoneの画面上部は操作しにくいものですが、画面下部を下方向へフリックすれば簡易アクセスが動作し、手の小さい人でも無理なくステータスバーやダイナミックアイランドに指が届きます。アクセシビリティに分類されてはいるものの、健常者でも大いに活用できる可能性を秘めた機能なのです。

具体的な活用事例を挙げてみましょう。たとえば、ホーム画面の上部にアイコンを置いたアプリを起動したいとき。簡易アクセスでホーム画面を"ずり下げ"れば、iPhoneを支えている手の親指でアイコンに指が届きます。"ずり下げ"ると画面上部に配置されたアイコンを片手でタップできるため、電車のつり革を離す必要がなくなります。コントロールセンターを開く操作も、片手で無理なく対応できます。

片手でiPhoneを使うことなどない、意図せず簡易アクセスが動作し元に戻るまで5秒待たされるほうがイヤだという場合は、「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」の順に画面を開き、「簡易アクセス」スイッチをオフにしましょう。それで簡易アクセスが動作することはなくなりますが、使いこなしたほうがiPhoneの利便性は高まりますよ。

  • 画面の半分がずり下がる現象は「簡易アクセス」の働きによるものです