米Googleは3月20日(現地時間)、電子メールサービス「Gmail」に、AIを活用した新しい検索機能を追加することを発表した。検索の目的に対する関連性の高さに基づいて結果を表示する仕組みで、Web版とモバイル版(Android、iOS)の両方で個人アカウント向けに順次ロールアウトが開始され、将来的にはビジネスアカウントにも拡大される予定である。
従来のGmail検索では、キーワードを含むメールが時系列順に結果表示されていた。この方式は最近受信したメールを探す際には有効であるものの、数カ月、あるいは数年前のメールを検索する場合には効率が悪く、差出人や期間などで絞り込む必要があった。モバイル版Gmailには「メールの検索結果」の上に「上位の検索結果」を表示する機能が備わっているが、対象となるメールの数が限られており、最も関連性が高いと判断された一部のメールに限られる。
新しい検索機能では、最近のメール、よく開かれるメール、頻繁にやりとるする相手など複数の要素を総合的に考慮し、関連性順(relevance order)で結果表示する。これにより、ユーザーが求める情報が検索結果の上位に表示される可能性が高まり、「重要な情報をより簡単に見つけられるようになる」としている。
Googleが示した例によれば、「reunion」(再会、懇親会、同窓会)と検索した場合、時系列順の結果には10周年記念セールやreunionを含む広告メッセージなど様々なメールが表示されるが、関連順の結果表示では同窓会の連絡や、かつて所属していたチームの定期イベントの通知などユーザーにとって重要なメールが上位に表示される。
なお、検索結果の表示方法は、画面上で「Most recent」(時系列順)と「Most relevant」(関連性順)を切り替えることで簡単に変更可能である。