ポータブル電源といえば、アウトドアレジャーや停電時でもAC100V駆動の家電製品が使える便利なツールとして知られるようになりました。しかし、最近はプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の充電用ツールとしても存在感が高まっています。費用がかかるEV充電設備の工事をすることなく、必要な時に持ち出して充電できるメリットがあるからです。それらのPHVやEV充電の用途では、より短時間で充電できるAC200V出力に対応したポータブル電源を選ぶのが肝心です。

  • AC200V出力と拡張バッテリーによる容量拡張に対応したEcoFlowのポータブル電源「DELTA Pro 3」があれば、充電設備のない家でもPHVが充電できる

EVイベントで注目を集めたポータブル電源

3月15日~16日、各社の最新EVを一堂に展示するイベント「EV:LIFE 二子玉川2025」が東京・二子玉川で開かれました。ポータブル電源を手がけるEcoFlowも、最新の高出力&大容量モデル「DELTA Pro 3」(実売価格は35万円前後)を展示。DELTA Pro 3は、AC200V出力と拡張バッテリーによる容量拡張に対応しており、EV充電に適したポータブル電源として訴求していました。

  • 二子玉川で開かれた最新EVの展示イベント「EV:LIFE 二子玉川2025」

EV:LIFEの会場では、ボルボの最新PHV車「XC90」にDELTA Pro 3を接続し、充電するデモンストレーションを実施。AC200V出力だと、クルマに付属するAC200V対応ケーブルで3,000W(3kW)超の大出力で充電でき、AC100V出力のみのポータブル電源を使うよりも短時間で充電できていました。AC200V出力に対応したポータブル電源はそれほど多くないので、PHVやEVの急速充電目的ならばAC200V出力が可能かどうかがポータブル電源選びのポイントになります。

  • 2月にフェイスリフトなどの改良を実施してモダンな印象になったボルボの「XC90」。写真はプラグインハイブリッド対応のUltra T8 AWD plug-in hybridで、お値段は1,294万円

  • DELTA Pro 3にエクストラバッテリー1台を接続した状態で充電に用いていた

  • AC200Vでの充電に対応する。充電に用いているのはXC90に付属するAC200V対応ケーブル

  • 充電口は左のフロントフェンダーに用意

  • 充電ケーブルは前面の200V出力端子に接続

  • 3kWを超える3,090W前後で継続的に充電できていた

PHVやEVを自宅で充電するにはEV充電設備を設置するのがベストですが、数十万円の費用がかかるなど負担は少なくありません。マンション住まいの場合、工事自体ができないケースもあります。しかし、ポータブル電源があれば必要な時に自宅から持ち出して充電できるため、こうした問題を解決できます。

EcoFlowがPHVやEV充電に最適と推すDELTA Pro 3は、AC200V出力と最大3,600Wの大出力に対応しており、より短時間で充電することが可能。専用のエクストラバッテリー(実売価格は25万円前後)はDELTA Pro 3に重ねて設置できるため、2台のエクストラバッテリーを接続して最大8,192kWhまで容量を増やしても低面積は標準状態と変わらず、省スペースで済むのもポイントです。

  • エクストラバッテリーは積み重ねできるので、容量を増やした状態でも場所を取らないのがメリット

EcoFlowの担当者によると、高速道路会社やロードサービス会社との連携も検討しているそう。ピュアEVの場合、バッテリー切れ(電欠)になると充電ステーションのある場所までレッカー移動する必要がありますが、ポータブル電源をレスキュー車両に積載しておけば、レッカー移動の手間をかけずその場でできるだけ速く充電できるようになります。