外部インターフェイスがLightningからUSB-Cポートに変更されたiPhone 15シリーズ以降、USBメモリなどの外部ストレージが身近な存在になりました。変換アダプタなしにパソコン用製品をそのまま接続できるようになった結果、選択肢が大きく広がったのです。

一方ではUSBメモリの定義も変化しています。かつてUSBメモリといえば、記憶素子にNANDフラッシュを採用し、USBポートに接続するだけでデータを読み書きできる小型デバイスのことでしたが、現在ではバリエーションが増えています。

そのひとつが「USBメモリ型(スティック型)SSD」です。外観はUSBメモリとそっくり、指先サイズでUSBポートに差し込めば利用できる記憶装置ですが、読み書きは一般的なUSBメモリより格段に高速です。記憶素子にNANDフラッシュを採用する点は共通しているものの、制御用ICや転送手順(プロトコル)を見直すことで高速化を実現しているのです。

対応するUSB規格の違いも影響しています。USBメモリの多くは、理論上の転送速度が最大480Mbpsですが、USBメモリ型SSDはUSB3.2 Gen2などより新しく高速なUSB規格に対応しており、読み書きともにUSB 2.0対応USBメモリを上回ります。実際、USBメモリでは動画のコピーに数分かかるところUSBメモリ型SSDでは数秒で完了した、という事態が起こりえます。

だから、写真を外部ストレージに保存するならUSBメモリがベストとは一概にいえません。同じ容量であればUSBメモリ型SSDのほうが高価ですが、読み書き速度は断然上、それでいてiPhoneでの使い勝手が変わらないのであれば、長い目で見るとUSBメモリよりリーズナブルに感じられるかもしれませんよ?

  • 見た目がUSBメモリにそっくりな「USBメモリ型SSD」は読み書きが高速です(写真はSUNEAST Revolve R10)